料理人・ラグーナ
まさかの料理回続投
フライパンを温め細かく切った鶏肉、玉ねぎを炒める。
そして出汁・塩…玉ねぎがしんなりしたところでにケチャップだ。
ケチャップとはトマト山名産の太陽の果実“トマト”を使ったソースである。
そのままだと酸味が強いソースなのだが、熱を加える事により一気にケチャップは甘くなる。
…そしていよいよ、我らが帝国産の白米の投入!
ジュオオ
カッカッカ!
ジュカカカ
トトト
純白の白米が、オレンジ色に染まる!
そしてもう一つのフライパンでもなんか色々してトントンしてわっさわっさして…薄くふっくら卵を焼き上げていたようだ。
オレンジ色のライスの上にふんわりともっちりと黄金の卵。
「あぁあ!な…なんですかこれぇええ!?」
私、アワセ=ミョウはあの店に来ていた。
私に天啓を授けてくれた、料理界の風雲児にして革命児…料理哲学の創始者であり…コホン、長くなってしまうな。
短めでゆこう、サカナール料理大会で知ったのだが……スゥ(息継ぎ
あの帝国の英雄にして人類の英知!たった一人でゴーレムガラクタと変え、牙ゴリラ軍を壊滅にし現皇帝=サエワタール4世の家庭教師!かつて魔界を収めた12魔族、それを一晩でねじ伏せ魔王国を立ち上げたという魔王ラグナ、そのラグナを平和締結までの数年間、たった一人で抑え続けたという奇跡の存在!彼の名は!
「さすがです、メガーネ様…えぇ、これは平和を体現している!」
以前、この店で味わったのは帝国名産の白米を魔王国名産のパスタで合えて、タピオカを加えた物だった。
世界の主食のよくばりセットは、一皿に世界を乗せ、食す神の一品。平和の象徴のような料理に…わしは感動したものだ。
…しかし、味は…うむ、言うまい…神の味覚と人の味覚は同じではないのだ。
以前食べた料理はそんな料理であった…しかし、この新しい料理は違う!更に上だ!
ホゥ…(恍惚)
「帝国の米と魔王国のトマト…二つを合わせる事により、平和を体現しつつ…そしてなんたる美味!」
「……そうです、これが…平和の味!!」
いつもは微笑むだけで、多くを語らないメガーネ様が
いつになく料理を絶賛しておられる。
不思議に思っていると、厨房から、仮面の少女が照れながら出てきた。
「ヘヘヘ~ 私、料理は自信あるんだよねぇ~」
どうやらメガーネ様のお弟子さんの様だ。
魔族の娘なのだろう、角と翼がピョコピョコとうれし気に動いている。
わしは土下座をしてお替りを頼み込んだ!
そして出来る事ならば、サカナールの街で出したい旨も!
神とお弟子さんは快くおkしてくれた。
お弟子さんが厨房に戻り…私とメガーネ様の分を新しく作って下さっている。
「素晴らしお弟子さんですね!料理の天才だ!」
「フフフ…そうでしょう」
お弟子さんを褒めると神は上機嫌だ。
そんなこんなでお弟子さんが私と神の前に“オムライス”なる料理を再び出してくださった。
鼻をくすぐる、素晴らしい匂い!
思い出すだけで涎がでる…先程の感動が再び!…しかし!
私は…目の前に出されたオムライスを見て固まった……なんという…事だ!
…この短時間で?この短時間神の一皿を更に上に!!?
「フフフ…平和の象徴って言われたからねぇ~…表現してみました!」
オムライスの上には、ケチャップでハートマークが描かれていた!!
「帝国のお米と、魔王国のトマト…でもねぇ~、やっぱり“愛”がなきゃ平和とは言えないわ!」
ぶわっ!
アワセ=ミョウ…帝国での料理人歴うん十年、神に出会い、更なる研鑽に励む者…神のお弟子さんとはいえ…こんな娘さんにも教えられるとは…!!
「やれやれ……、3万年たっても敵いませんね…」
神はとても上機嫌だ。
口の周りを赤く汚して、お弟子さんがハンカチでにこやかに拭いていた。
…ふふ、わしはお邪魔な様じゃな…では、御馳走様でございました!
ラグナちゃんは馬鹿でアホだけど
戦闘力と歌唱力と料理は超絶天才的
ステータスの偏りがやべぇ!




