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インテリ・メガーネ~神の肉体を持つ叡智の化身~   作者: 前歯隼三
外伝  猫男爵の成り上がり
20/42

悪食=猫男爵の成り上がり 中3 ~新兵時代、凱旋サカナール~

ちょっとゴチャゴチャしてきましたが…

構わない!書き切る!


「まさか魔族が正式軍隊になるなんてなぁ~!魔法すげーもんな!はっはー!」


「ねこ君真面目に頑張ってたからね!色々兵隊さんに話聞かれたけどさ!街の皆で言ってやったよ!あんなにいい子は居ないって!っね!」


 うぅわぁああん!


 首輪を外したあとは、軍への入隊が許可されたが。半年ほどを帝国王都の…農場警備をして過ごした。

 結局の所、力は認めてもらえたが信用は完全に出来はしない。

 素行と経歴の調査が終えるまでは中央軍の目の届く所の中で、もっとも重要でない仕事を任される事になったのだ。

 同じ時期入隊し、新人研修を共にした面々と別れネコオはまた一人、見ず知らずの人間達の間で暮らす事になる。

 もっとも、仕事は農村の雑用…水魔法で畑に水をまきながら畑を荒らす獣や鳥との戦いの日々だ!


 初めてここに配属された日、大きく広がるジャガイモ畑を目にして涙が止まらなかった!

 あぁ…夢のジャガイモ畑!うぅぅぅう

 …家族みんなで…耕したかった!


 あれから半年「調査が終わった」と役人が来て、俺はジャガイモ畑に最後の水をやり農家の人々に挨拶に回る。

 家族のように接してくれた人達と別れ、俺はいよいよ懐かしのサカナール…魔界の門へと配属になったのだ


 ガタンゴトン


 帝国軍の先輩方と、幾人かの新人と共に馬車に揺られて


 ガタンゴトン


 北へ北へ、帝国の最果てへ…


 王都から離れるほどに、通過する街は小さく、いよいよ寂しい村となり…最後の村で街道さえ途切れ、山を越えた果てに…突然に広がる城壁の街!


(サカナールが独立した小国だったというのは本当だったんだな)


 昔、猫魔族の老人たちから聞いた話を思い出す。

 古き良き時代、“人と魔族が暮らした王国サカナール”だ。

 帝国と旧都サカナールを隔てる山を一気に下りて麓の宿場街に入場する。…すると懐かしい顔があった!


「あぁ猫チャン!すごかったみたいだね!こっちでも噂届いてるよ!」


「立派になったなぁ~!こりゃもう残飯やれねぇは!お前がおごってくれよな!ダハハハ」


 うわわわわわああん!


 俺の涙腺は最近どうにかなってしまったようだ。

 水魔法使うとこんな副作用があるのだろうか!?

 あんなに苦しかった幼少期も、里や妹と別れ…傷だらけで森を走った時も思えば涙なんて流さなかった

 うぅ、魔界では人間の事“悪”だというけど。本当に…本当にそうなのだろうか?


 宿場町を抜け、魔界へ扉…その近くに建てられた詰所(職場)へ向かう。

 道中ですれ違う人たちが皆、ネコオに親し気な声を飛ばした。


「お!残飯猫戻ったのか?しゃーねぇな!本当の御頭付きってのを食わせてやるよ!」


「おぉお!煙突掃除!家の雨漏り酷かったんだ!頼むぜおいw」


 ネコオは街の有名人だ。

 一緒に街に入った同僚たち、特に新兵達はネコオに尊敬のまなざしを向けた。


 その日の夜行われたサカナール駐屯兵の新人歓迎会には

何故か町民も集まって、今は一人前に紋章付の軍服を着た、軍人様ネコオの昔をなじる会がはじまった。

 同期の新兵はビール片手に輪の外から聞き耳を立てている。私、気になります。


 ネコオは魔人の奴隷というだけで目立ったし、誰にも不満を漏らす事無くよく働いた。

 差別や偏見、様々な苛めがあったにも関わらず、ネコオは涙を流すような無様はせず媚びを売るような不快も怒り暴れるような怒気もなく…ただただ真っ直ぐ、清く生きた。


「ネコオさんって、やっぱりすごい人だったんですね」


 同期の新兵が、熱のこもった眼差しでネコオを見つめる。近い

「うんうん」

 …ネコオを知る者たちは頷いた。


「おめぇーの器のデカさはよぉ。…おれたちゃぁ昔から解ってたんだ」


 酒に酔い、よく腐ったリンゴをくれたリンゴーンさん


「どんな無茶を言っても、ネコは何でもこなしちまうんだからなぁ」


 カビた干物をよくくれたヒーモンノさん!


「差別を前に顔は笑って、偏見は背中で語って跳ねのけて…おめぇは本当、魔族にしとくにゃもったいねぇ男だよ!」


 うっかり泥抜きも綿抜きも忘れた沼魚のスープをくれた ナマンズさん!


「「「おめーはもっと!出世するぜ!?」」」


「…やめてくれよ!みんなぁ!うぅう」


 初めて食べれた、ちゃんとした店の料理なのに…!

うぅぅ…!


「うわぁあん!しょっぱいよぉ!うわぁあん!」


 ネコオを囲む面々が笑いながら突っ込んだ


「ハハハ!おめぇはやっぱ“悪食”だからな!まともに味が解らねぇんだ!」



…サカナールの夜が暮れる。


街の人達とのつながりを強く感じ、ネコオはこの街を守ろうと決めた。







新兵 ホレボーレ・ゲロマーズ 女 独身 19歳

後のサカナール侯爵夫人、料理ゲロマズ


新兵時代料理で一個中隊を壊滅させた伝説を持ち

悪食のネコオだけは美味しい美味しいと絶賛をしてイイ仲に

まーた新キャラ出てきましたよ

ぐぉお 静まれ俺のコスモ(妄想力)

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