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夢の方がいい  作者: am
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第2章

最近、気になる人ができた。きっかけは椅子。

俺は小さな頃からいじめられっ子で、友達らしい友達なんていなかった。そんな自分が嫌で、知り合いの誰もいないこの高校に入った。でも、何も変わらなかった。

ある日の休憩時間トイレから戻ると一人のギャルが俺の席に座り、近くの女共と談笑していた。どうしようかと固まっていると、俺に気づいた女が少し大きめの中傷めいた声で言った。


「そこ、泥沼どろぬまの席だよ」


俺の名前は沼田ぬまた 伊澄いずみ

多少澄んでるであろう沼。あだ名は泥沼。

あぁ、またか。とこれ以上自分の悪口を聞きたくなかったので次の授業が始まるまでどこかで時間を潰そうと踵を返した。そんな時、ふと聞こえた。


「だから?別に椅子は椅子じゃん」


初めて自分を認められた気がした。別に褒められたわけでも、なんでもないのに。むしろ席を占領され、不便を強いられているというのに。

思わず立ち止まってしまった。それと同時に友人の視線が自分で無い事に気づいたのか、ギャルが振り返った。


「あ、ごめん。ここ座る?」


動揺を必死に隠しつつ、たった今行ってきたばかりのトイレへ向かうと告げ席を譲る。それがギャル…彼女に恋をするきっかけであった。

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