雑魚ルーザー
「で、どうだったか?ノア」
「あ、あぁ。色々と言いたいが、とりあえず見てほしい」
「わかった。じゃあ俺様とNVRにしてパーティー登録してくれ。で、共有しようぜ」
「え?でも俺とはパーティー組まない方がいいよ………能力的に」
「あ?俺様が能力でパーティーを組む野郎と一緒にするな。………それに俺はお前に何も返せてねぇからな………」
「?そう、ありがとう」
ノアはルディの一言は聞こえておらず、たが彼のナルシストで傲慢な性格をこれほど嬉しく感じたことがないだろう。
「あっ、俺とも頼むぜノア!」
「もちろん私も~兄さん」
なんやかんやてんやわんやで
ルディ、カイン、シーナとNVR登録し、ルディ、カインとはパーティーを組むことにした。
そして僕のステータスの紹介と比較を行うことにした。
皆、一斉に声に出したのは
「「「マナの総量おかしくない!?」」」
「うん、それは僕も思った」
「私ですら1500だったんですけど!」
「でも、その他のステータスは平均より低いね」
「それよりも、これはなんだよMPP が???って表示されてんのは」
「私にもわからないよ」
「多分、適性数が多いからかな?なにもないのはおかしいし、マナの量から矛盾するし」
彼らは必死に考察していた。ノアは
(こんな仲間がいてホントに良かったよ)
そんな思いを抱いていた。
彼らの話をまとめるとこうだ。
1:マナの量がおかしい
2:魔法適性が謎→検証結果全部反応がない
3:【ギフト】の説明が意味不明理解不能
とまぁこんな感じであった。
ちなみに《勇者》の説明がこうだ
《勇者》
悪しき存在を穿つ者、勇敢に戦う者ともいわれる。
レベルが上がればより高位の存在を穿つことが可能。
スキルとして、《限界突破》が寄与される。
Lv1:勇者魔法(光の魔法)
Lv2:召喚 『天羽々斬』
Lv3:天元突破
etc
と書かれており、カインの《拳破士》やシーナの《賢者》にもそう書かれているらしい。
「何が原因なんだろう?」
「んーどうしようか」
「とりあえず一旦帰ってみるか?」
「そうしようかな」
「じゃあまた明日、俺様が迎えに来てやるからとりあえずゴブリンでも殺ろうぜ」
「勇者の言うセリフじゃねぇだろ。まぁ、賛成だけどもよ…」
「「あっ、ノアは強制参加な」」
「んな!てめぇら勝手に決めんなよ!」
「まぁ、いいじゃん兄さん。もしかしたら何かわかるかもよ?」
「……そう言われるとやった方がいいのかもな」
「じゃ、また明日な」
「俺様が迎えに来てやるから待ってろよっ!」
「はいはい、またね」
そして彼らは自宅へと帰って行った。
と思いきや、
「貴方、雑魚ルーザーの癖にルディ様と仲良くしていて恥ずかしいと思わないの!?」
とまぁ、カインに継いでもう1人の幼馴染のソフィアに喧嘩をふっかけられた訳だが。
「なぁ、ソフィ。そんなのどうでも良くないか?」
元々彼女とは良い友人だった。だが、彼女は強い差別思考が残っていた。それは【ギフト】を貰ってさらに強調されてきたのだろうか。
僕に対してこんな言い方は初めてなんだ。
「煩いわね、雑魚ルーザーの分際でこの《魔導》の【ギフト】を授かりしソフィアのことを呼び捨てないで頂戴!聞いててうんざりだわ!」
__グサッ
「あぁ、なんでこんなやつと幼馴染だったのでしょう!私の生涯の汚点ですわ!」
__グサッ
「ソフィ!貴女、なんてことを言うの!貴女はそんな人じゃないはずよ!」
「あら、シーナさん。《賢者》というウィナーの方が何故その雑魚ルーザーの相手をしているのかしら…。ほらこっちへ来なさいな」
__グサッ
そう分かっていた、分かっていたのだ
ルディやカイン、シーナそしてソフィアは言わば勝者__ウィナーと呼ばれる存在にこの瞬間ついたのだ。
それに引き換え僕は敗者__ルーザーだ。
【ギフト】にも夢は夢で終わるなどと言われるなんて前代未聞だろう。
「僕は冒険者にはなれないのか……」
「なっ、何言ってるんだ兄さん!そんなこと_」
「はっ!貴方のようなルーザーなんてなって欲しくないですね!私が良いのを教えましょうか。それは身代わりですわ!そうですわ、ルディ様やカインが何故貴方のような雑魚ルーザーがパティーに入れたのかお分かりですか?それは万が一の保険、身代わりなのですわ!」
__グチャ
僕の中でナニカが壊れたそんな気がしたんだ
どんな世の中にもありますよね…差別思考って。
こういった能力のある世界では顕著に現れるのは明白なのですが………。
この世界の差別用語として
より良いギフトを授かったものを勝者__ウィナーと呼ばれ、その対義語として敗者__ルーザーと分けられています
ノアの《幻想》の説明がおかしいという点は今回のでお分かり頂けたでしょうか。
本来の【ギフト】の説明には、
1:その力の謂れ
2:その力の詳細
3:ギフトレベルについて
が書かれています。