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グレッグス

全く腹が立ってしょうがない。

金で雇った奴らが手ぶらで抜け抜けと帰ってきやがった。長期間探してきた結果がこれだ。しかも腕っぷしに自信があるからと言って雇ったのに旅人にやられただとぉ?


「ふざけるなっ!!!」


大声で怒鳴り、文句を言い放つ。巨体から放たれた怒号はかなりの迫力だった。


「貴様らに掛かった金が一体幾らだと思ってる! しかも見つけるまで長い間待たせやがって!」


俺は一ヶ月近くも待った。王都に行ったという情報をあてに探して見つけるまで随分と時間が掛かった。あんな獣人のメスガキ二人にこれ程手こずらされるとは。


「す、すいません」


くそ、考えれば考えるほど腹が煮え繰り返る。


「いいか!? さっさと奴らを連れてこい!」


「へ、へい」


部屋から柄の悪い男達が出て行く。

ああ、むしゃくしゃする。王都の宿代も馬鹿にならんし何より宿の飯が不味い。

宿の下にある酒場にでも行って呑むか。


酒場に行き、席につく。酒を注文し辺りを見渡すと、幼い女の子が一人飯を食べていた。

クリッとした目に金髪のポニーテイルが似合っていて、かなり可愛いい。剣士の格好をしているが華奢だ。なかなか好みである。


「な、なあお嬢ちゃん? こんなところでどうしたのかな?」


「ん? なんか用?」


こちらをパチクリ見ていて幼い仕草が可愛いい。最近ご無沙汰で発情してしまう、ストレートに早く言ってしまおう。


「お、俺と良いことしない?」


一枚の金貨を少しちらつかせる。


「えー、私? やだなー、肥えた豚野郎が、この変態、ぷぷぷ」


「な、なんだとぉ?」


「いいよぉ? 良いことしよう?」


一瞬煽ってきたがまぁ良しとしよう。注文した酒を飲み干し代金を払うと、聞き覚えのある声がした。


「お、おい、グレッグスの奴すっげえ怒ってたな」


「仕方ねえだろ、幻覚魔法使う相手なんだ、探すのに時間が掛かるに決まってんだろーが」


「くそ、それにあの旅人只者じゃなかったぞ」


「ああ、手も足出なかったぜちくしょう」


「あいつが居たら厄介だな」


俺が雇った連中が酒を飲んでいた。さっき見渡した時に気付かなかったが、俺が命令した後にここで飲んでいたのか!頭に血が上り怒りが湧く。


「き、貴様ら! 何をしている! さっさと探しに行かんか!」


顔を真っ赤にし、文句を言う。


「う、うお、そいつは無理ですぜ」


「このまま探して見つけてもまたあの旅人にやられちまいますぜ」


「貴様ら、腕が立つということで雇ったのだぞ!」


「だ、だけどよ」


「俺らじゃ、旅人に敵わねえんだ」


「なにぃー!?」


こいつら、もう解雇してやろうか、また新しい奴を雇った方がいいだろうな。


「ねぇ、何の話?」


話を聞いてたさっきの少女が割り込んでくる。


「私、役に立てるかもよ?」


腰に手をあて胸を張る。まだ発育途中の胸が際立つ。服越しでも貧乳ということがわかる。可愛らしい仕草に、少し怒りが鎮まり冷静になる。


「何を言う、貴様のような小娘に何ができると言うのだ」


「私は強いよ?」


「ほぉー? 強いのか?」


小馬鹿にするような態度をとる。


「じゃあさ、そこのお兄さん達全員と私が戦って勝ったら話してよ」


とんでもないことを言う。こいつらに勝つだと?


「何を馬鹿なことを...」


どこからその自信が来るのか、剣士の癖に碌に筋肉も付いていないではないか。


「もし私が負けたら無料でいっぱいサービスするよ?」


それは興味深い、乗り気ならやらせてしまおう。それに勝っても負けても損はない。


「お、おい? 嬢ちゃん、よしとけ」


「何を言う、貴様らさっさと表に出ろ」


ふふ、たっぷりサービスを受けさせてもらうおうか。


「おいおい」


「いいか? これは命令だ」


「ったく...このロリコン野郎...」


ボソッと言われ最後の方は上手く聞き取れなかった。




酒場から出て人気のなくなった道でお互い向かい合う。


「殺すのはなしね? じゃあ、行くよぉ〜? 」


四対一の戦いでしかも大人の男と少女だ、決着は直ぐつくだろう。


「へへ、嬢ちゃん、勝ったら俺にもサービスしてくれよな」


「てめぇはルリの時と同じように子供が好きなのか?」


「ストライクゾーンがちょっと広いだけだぜ」


少女が剣の鞘を構える。

男達は素手で戦うつもりらしい。


「舐めてると、痛い目会うよ? それっ!」


「なっ!?」


高速で少女が動き、間合いを詰め男達の腹を突く。


「う、うお」


よろめいた男が少女に向かって拳を振るうが回避されカウンターとして鞘で頭を殴られ気絶する。


「な、なんだこのガキ!? 早すぎる!」


「それっ、それそれっ」


少女は更に速くなり男達を殴り続けている。一方的に攻撃を食らい、速さに蹂躙された男達は直ぐに全員倒れた。


「ふふっ、弱っちいー」


な、なんなんだあの小娘。


「ま、まさかこれ程に強いとは...」


あいつらが弱かったのだろうか? しかしそれでもこの少女の速さは凄まじい。


「ねえ? おじさん、勝ったよ? お話聞かせてよぉ〜」


「お、お前、一体何者だ...」


「私? 私はレオンっていうの、よろしくねー」


「レ、レオン、随分と逞しいなぁ。俺はグレッグスだ」


「んー? ねぇねぇ早くお話聞かせて?」


それから獣人の姉妹の事を話した。

こいつは強いから使えるかもしれんな。


「へぇー、いいよ、手伝ってあげる! ただし、報酬の五倍頂戴? その分頑張るし、前払いは要らないからさ」


そうだな、この子を雇ってあいつらを解雇するか。


「私なら絶対あいつらより早く見つけられる、旅人なんかにも負けないと思うよ?」


早いのは良いことだ、こっちは長い時間待たされているのだからな。


「よし、貴様を雇うぞ、おい貴様ら、貴様らは解雇だ」


「わー、いいのぉ? 凄いね、ちゃんと五倍だよ? じゃあおじさんはこの宿で待っててね〜、それじゃぁばいばーい」


「三日以内ならちゃんと五倍にしてやろう」


「おっけーーー!」


そう言って少女は帰っていく。


「あっ、おい、良いことはしてくれないのか!」


もう少女の姿が見えなくなっていた。

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