成長
10センチだった身体は、10日経って、身長170cmでDカップのナイスバディな女性に変わったその少女に、讃岐造は興奮しながら尋ねた。
「あなた、お名前は何でありましょうか。」讃岐造は尋ねた。
「私の名前は竹崎輝夜。この度はお世話になりました。では、失礼いたします。」かぐや姫…竹崎輝夜は言った。
「いや、待たれよ。ここにいて良い。こんな田舎に来るものもおらん。それに、世間は物騒だ。あなたのようなお美しい方に怪我されたら面目無い。」讃岐造は言った。
「では、もう暫くお邪魔させて頂きますね。織田道山様。」
彼の本名は織田という男であったが、織田氏は、讃岐造の忌部氏いんべしが先祖であるという説があるのだ。その為、彼は讃岐造と名乗っていたのだ。
箱入り娘として育て続けたが、美人の噂は瞬く間に広まるものである。多くの者が、婚礼を申し込んで来たが、直接ずかずか上がり込む野蛮な男は切り捨てて、和歌を投函して多くの者が破られ帰らされた。
和歌のステージをクリアした者は、面接となり、輝夜とどのように付き合うか。どう幸せにするのか?などを聞かれている。
少しでも詰まったら、そこで切られる。
そうして、東京工業大学の倍率31倍を遥かに凌駕する高倍率を勝ち抜いた四人が集められたのである。
1人目は織田信龍、織田道山の息子であるが、公正で厳粛に選ばれているため、親のコネではない。和歌の嗜みを持つ一方で、『讃岐の龍』と若い頃は呼ばれる不良だったため、力も強い。今は丸くなり、ベンチャー企業を立ち上げている。
彼に雇われた人は全員出世するので、玉石混淆と言われる世の中で埋もれた原石を玉に育て上げることに長けている。
人呼んで、『石作の皇子』。
2人目は倉持三郎。これまた商人であり、高いお金を稼いでいた。いわゆる豪商とか成金の部類である。高い経済力を持つが、少し考えが古いのが難点である。しかし、心優しい男である。通称(くらもちの皇子)
3人目は大伴御行。政治家であり地盤、看板、鞄の三つを揃えている。知性も運動能力も優れている。
何か問題があるごとに、和歌を詠んで窮地を乗り越えているため、軟弱だと言われたりもしていた。
4人目 石上麻呂。真宗寺に生まれた男である。将来は、僧侶となりて人を浄土に導く者であるが、歳が三十を超え、父に安心させることが出来ないと思い、今回の見合いに踏み切った。
以上の4人がエントリーしたのである。