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帰宅

一抹の不安を胸に抱えながら、俺はディアーナに帰宅した。

案の定、その不安は的中してしまった。

「ねぇ、洸。柚葉が万寿川から転落したのよ。これからどうなるのよ。私達。」光莉は不安そうな目で見つめてくる。俺の体で何をやってるんだか。

「お前、肉体的には男だろ。もっと気を確かに持て。大丈夫だ。柚葉はきっと元に戻る。だから、それまで頑張るんだ。」

「分かったよ。洸。」

そんなことを言ってしまったが、急激な性別の変化には耐えられないよな。やっぱり、何処かには男らしさ女らしさが残るだろう。あーあ。女子力高めないと。


「柚葉…畜生。何なんだあいつらは。いきなり、海桜女子高校を襲いかかるとは。そして、柚葉にも手をかけるとは。」

「光莉、どうしたんだ?そんなに怒って。」香澄は声を掛けた。

「どうしたもこうしたもあるか!柚葉はアイツらにやられたんだよ。許せねぇ。」俺は心底怒っていた。アイツらに対して半分、守れなかった自分に対して半分。

「待て。悔しいのは分かる。だけど此処で苛ついて我を忘れたら、それこそ奴の思うつぼだ。」香澄は必死に落ち着かせようとする。確かにそのとおりかも知れない。今の俺では、徒に刀を振るだけだ。


その時だ。突然、停電が起きた。マンション内からは悲鳴が聞こえる。何者かが電気設備を妨害したのだ。

「光莉、行こう。何者かが攻めてきたようだ。」香澄は俺に言った。

「行こう。たとえどんな運命でも闘うしかないんだ。私達は。」

非常用モードで電気を復旧して少しは明るくなっている。

電気設備のある外に急ぐ。


電気設備の近くに行くと10人くらいの男達が其処には居た。

「光莉、アイツら知ってるか?」香澄は俺に小声で話す。

「知らない。一体何なのよ。」小声で俺も返答する。

「龍剛高校の等々力双磨って奴とその手下。大の女嫌いで有名なんだ。」

「そうなんだ。なら、負けられないわね。負けたらどんな目に遭うかわからない。それにこの身体は、自分のだけど自分のじゃないからね。」


「ヘイ、ボス。電気設備を切りましたけど、これでアイツら呼ぼうってんですか?」

「勿論だ。女で粋がってんのは好きじゃねぇんだよ。勿論、力で叩きのめしてその後は…柴田にはこの先は早いな。」

「何だか分かんねぇすけど、兄貴に惚れた身としては何でもやりますぜ。それにしても寒いっすね。」

「あぁ。早く来いよ。月野!そこに居んだろ?」


「バレてしまったら仕方ないわね。月野光莉よ。」俺は艶めかしく名を名乗った。

「今日は私もいるよ。鳳凰院香澄だ。宜しくな。」少しクールに自己紹介したな。日野は。


「龍剛高校天翔団の頭、等々力だ。美女でも容赦しねぇよ。よし、お前ら殺れ!」彼は命令した。

今、始まろうとしていた。










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