かぐや姫の生誕。
昔のことだ。とある爺さんがいた。
よくもまぁ、捨てられないと感心するばかりだが、野山で竹を取りつつ、沢山のことに使っていた。
竹でコンピュータを作ったり、竹で車を作ったり、竹でロボットを作ったり。
とにかく色んなことに使っていた。
自称讃岐造というその男は、毎日、うどんを食べていた。
そんなことはどうでも良いな。
ある日のことであった。その日も仕事用に竹を切っていた。
「讃岐造の我が力、まだまだ衰えてはおらん。」
一生懸命に彼は竹を切っていた。何も考えずに、ありのままを見つめて、竹を刈っていた。
すると、節と節の間が光っている竹に当たった。
不思議とそこは切ってはいけないとその男に感じさせた。
「あそこは何かある。切ってはいけないようじゃな。」
彼はそう言うと上の部分に鋸を当て、切り始めた。
そして竹を割ると、そこには10cmくらいの赤ん坊がいた。
そして驚くことは彼女が人語を話していることだ。
「お爺様。どうか私をお救いくださいませ。訳あってこのような身体になってしまいました。」
「まさか、魔法にかけられたのか?」
「まぁ、そんな感じです。今しばらく匿ってもらえませぬか?」
「うちには婆さんしかおらんから勿論じゃ。」
彼女は美しかった。小さくても美しさは大きく感じられた。
彼は顔を赤らめながら、その娘を家まで運んで行った。