表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

物語の始まり

どもども、父に彼女を手に入れると宣言した木城紅葉です。

なんかこの自己紹介めんどくさくなったので、今度からやめまーす。


で、本題に入るんだけど。

宣言した次の日から、私は様々なことをした。

あの後父に頼み込み、武芸全般を習い出したのだ。武術すべてを習得しておいて、いざという時に彼女を守らなければならないから。

特に、守れなかったら彼女は国外追放だから、もしそうなったら着いて行くつもり。

まあそうならないようにするけど。

あとは、礼儀作法や勉学。

これらができていて損はないからね。

だから、すべてを完璧に習得した。

そして、私が『炎氷地獄インフェルノの貴公子』と呼ばれるようになった間も(男女両方でね)時は進み、とうとう乙女ゲーの舞台の『天ノ木学園あまのぎがくえん』へと入学する日となった。

今は車で移動してる途中。

あ、ちなみにいっておくが、男の私と女の私は双子ということになっている。

それに、父と話し合い、私は変装して学園に通うことになった。

身分は彼女と同等の伯爵家。髪の色は現在赤い髪を、橙色に。金の瞳を淡い赤色に。

名前は、樹白葉玖となっている。

この漢字できしろはくと読むものだからつい心の中で、珍しいなおい!って叫んじゃったよ。

まあそんなわけで、うちの父と協会と王様で情報操作して、架空の樹白葉玖きしろはくの過去が作られた。

え?なんで王様がいるのかって?

………うちの父は宰相だぞ?王様の次に偉く、王様の一番の重鎮にして親友だ。これだけで察してくれ。

もう遠い目になるしかないだろう。

どうにでもなれ、だ。

あ、そうそう。

言い忘れてたけど、あの悪役令嬢の子とは順調に信頼関係を築いていったよ。

まあほぼ男の方で、だけど。

女の方ではなんか恥ずかしくて…。

だって、女の子の格好しなきゃなんだよ!作法は完璧にしてるけど!ひらっひらなドレスを着ないといけないんだよ!

恥ずかしいから名乗るのも忘れてそこそこに逃亡したよ!

ええ、ええ!だめなのはわかってますとも!でも恥ずかしいものは恥ずかしいんだもの!

しかもあの子、いや、社交辞令なんだろうけどね!?私が頑張って挨拶しようとしたら、無意識かわかんないけど、「かわいい……」、って言ったんだよ!?

もう恥ずかしくて恥ずかしくて…!

だから、私は悪くない!

あ、それとね。

彼女と攻略キャラはそんなに仲良くないよ。だって予定通り婚約者は〝男のフリをした私〟だし、攻略キャラとはなるべく接せないようガードしてたしね。

それに婚約者だから独り占めも問題にならないし。

でも油断はならないから、頑張らないと。

あ、もう学園に着いたね。

ここで終わりにして行かないと。

召使に車のドアてもらい、外に出た。

目の前には無駄にだだっ広い学園が広がっている。

まあ、貴族がほぼ通うんだから当たり前か。

その中で当たり前じゃ無いけど、ストーリー的には当たり前のヒロインは庶民だ。

特待生制度があるから。じゃないとストーリーが始まれないしな。

でもほとんどの庶民は受けないし、受けたとしても、受からない。

だから、ヒロインは珍しがられたり、嫌悪されたりする。まあバカみたいにプライド高いからね。貴族は。

私も貴族だけど、あんなのと一緒にしないで欲しい。もちろん、真奈様も違う。

まあこんな話はこれくらいにして、頑張らないとね。

誓いを守るために。

彼女を、幸せにするために。


そして今日この時、一人の悪役令嬢を思う一人の少女によって、この乙女ゲームの本来のストーリーに無かった闘いはここに切って落とされた。

木城紅葉は前世の記憶があるという、イレギュラーな存在。

あってはいけないもの。それが存在し、その人間が悪役令嬢についたらどうなるのか。

それは誰にもわからない。

そんな物語が、今、始まろうとしている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ