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第0話はえ?なんだべ、急に光が
「ふぅ……いい汗出たべぇ……」
野菜食太郎は、自ら育てた畑で今日も土と格闘していた。
大根を引き抜き、キャベツを抱え、山のように積み上げる。
その光景に胸を満たし、よく食べ、よく育て、愛情を注ぐ。
そんな毎日のひと時、召喚魔法陣が……なんと足元に!!
「はぇ……?なんだべ?急に光が――」
次の瞬間、太郎の視界は白に染まり……気がつけば、神話の絵画のような荘厳な空間に立っていた。
そこには、光を纏う衣を着た一人の女性がいた。
「あれぇ……ここはどこだぁ……?」
「ここはアヴァダスチキ、光の国です」
「なんでそんなとこにオラァ……急に。 もしかして死んじまったのかぁ?」
「違いますよ。あなたの心清き魂が、私の願いに応じ呼ばれてくれたのです」
「それってなんだべ?」
「それは、私の願いを聞いてくれるということですか?」
「いやぁ、そういうことじゃなぐて……」
「では、あなたに力を授けますので、魔界を緑で満たしてくださいね」
「はぇえ……?」
再び光に包まれて、太郎は暗黒の世界に飛ばされたのでした。