第6話 どうしようもない世界だけどそれでも
ガルルルルと猛獣のような鳴き声だが私香神ミオの声ではない。これはあれだそう熊だ銃声の騒ぎを聞きつけ恐らくここにいる日野隊長を含め敵認定をされたのだろう。熊は6頭川以外を取り囲んでいる状況だ。見方を変えれば怯えたようなそんな目をしてなくもない。でもやっぱり怖ーい
先ほどの人間への葛藤を忘れさせるかのように苦難が次々と舞い込んでくる。休まる暇がホントない。
「うーんさすがに人生最後のセリフがパッとは思いつかないもんだな」
日野隊長悠長に言ってる場合かと突っ込みたくなるのをグッと堪え状況をなんとか打破しようと交錯するのだった。その時
「ブブブブブブブブブブブブブブブーーーーーーーー」
川から潜水艇が浮上してくる。
すかさず先端の大砲が炎を吹き熊を一頭また一頭と迎撃していく一匹突っ込んでくる大砲を放つ撃退煙に隠れてたのか隙を突かれ潜水艇にしがみついていく1頭の熊そこから出てきたのは新海さん飛んで華麗な剣捌きに魅了されながら熊の首を切る残り2頭の熊たちは逃げ出していく
「大丈夫ですかマルさん香神さん」
「助かりました」
「初任務はなかなかヘビーだったみたいだね」
労をねぎらうのはディスタ瑠香だった
「性格を変えたまま任務に飛び出すから戻んのが大変だったんだけどなんか言うことないお飾り隊長さん」
「来るのが遅い給料減額な」
「これ以上ドングリを減らされたら生きていけないんだけど」
?どんぐり聞き間違えかやっと安堵できる状況になったのか疲れたのかな
「香神ミオ」
そういったのは隊長こと日野マルだった
「少しだが命の尊さを知っただろう目の前で泣いていたしな」
いやあ脳裏でっていうかもう実体験した感覚があるんですが
「さっきも言ったが今や人間は霊長類最強は神話のものとなった。あらゆる動物が再び群雄割拠しあう状況となった。対して人類は昔あらゆる負のループを繰り返し衰退の一途を辿っている。悲観的だが今後人間が頂点に立つことはないだろう。」
「にもかかわらず一部の人間は現実逃避のため仮想で自分の快楽を尽くすのを望む奴のために社会が回っているかのような状況だ。」
「だがなオレたちはかつての夢のような生活を取り戻すんじゃなく俺たち防衛隊自身が活力となって何が起こるかわからない世の中を面白おかしく生きていくんだ」
絵空事だそんなことできるわけがないだろう少し前の私ならそう思ってた。しかし先ほどの体験をしたら本気で生きていくのも悪くないかもしれないそう思った。
「よろしくお願いします」
「うん」
「ようこそコモンセンスオーダーへ」
日野隊長が変な用語を使ってそう答えた
つづく