第5話 邪気滅殺
駐屯地にて身支度をしてすぐ自分と目の熊・・・・日野隊長と共に任務に向かっていた。森の木々が相変わらず続いている
「どこへ向かってるんですか」と尋ねると
「今から邪気を駆除しに行く」
んっ人を襲う熊とかじゃないのか疑問に思う私を見かねたのか
「この辺とかに居そうな気がするな」
計画していくわけではなさそうだ
すると目の前に人ではない詰めの伸びて体の一部が黒がかっている。よく髪型とかでツートンカラーとかを目にするが今見てるのは体半分が黒ずんでいてもう半分は人間の体をしている。そんな歪な構造をして見える。
「邪気ー遥か昔人類は肉体とテクノロジーを融合しようと高額の金をバラまいて実験体を作った。ただし失敗したのか実験体が突如暴れだし危害を加えられた相手も暴走するという負のループによりこれを邪気症候群と名付けられた。」
「何百年も前の出来事で真相はもはやたどり着けない。その邪気は今もこういうところとかに野生として野放しにされている。」
「そこでこの星の環境を守る仕事をしている俺たちの出番というわけだ」
なぜ先人の負の遺産のために今の私たちが尻拭いをしなければならないのだ。文句を言いつつ任務の準備に入ることとなる
「運がいいぞ邪気が10体ほど束になって固まっているこれは楽勝だ」
すると日野隊長はポケットから某国民的アニメみたいな取り出し方ででかいライトを出した。えっでかいスポットライトをどうやってポケットなんかに入れているの?この人陰気な性格だけどやってることがぶっ飛んでいるそう思わせるほどのことが起こってるのだ
「ほらもう一つ出したぞ。そっちを向こうの方へ持っていってくれ」
いつの間にか二つ目のスポットライト私は持って行った
隊長はテキパキと靴に巻き付けているゲートルみたいなのをほどき先っちょを両結びにして向かいの木の枝に横から木に引っ掛ける。えー何が起こってんのホント
考えてる間にスポットライトを一個また一個とくっつけてライトを灯す
目の前の邪気が次々倒れうなだれる一匹また一匹消えていきなんだかこれって
「人の命って何なんでしょうね」と思わず疑問を投げかける
「んっ」作業の合間の生返事っぽい反応だ
「この邪気も元は人間だったのに何の生産性もなく意味もなくこんな弱いのに命を奪う必要があるんですか?何百年の放浪の自覚もなくこの世をさまよってる有機物。もうそれは人間じゃないし私たちにとっては危害もないのになぜ攻撃をするんですか。」
上手くまとめられないがなんかモヤモヤする光景だったのでそう反応してしまうのであった。
「トイレに行ってきます。」
考えが上手くまとめられずバツが悪そうにこの場を離れた。ここにきてから休まることがない。更生施設にての問題、防衛隊の入隊、変人な上司に現実の任務の過酷さ頭が追いつきそうにないぞ。私はどうなるのだろうか。不安がよぎるように草の茂みからガサガサ・・・あの隊長が追いかけてきたのか?黒い爪が尖っている。いやあ改めてみると怖いなこれが邪気なのか・・・・・んっ?邪気が私の近くに
研ぎ澄まされた爪を振り上げる。頬に血が出てしまった・・・・
「うわあああーーーー」
「ギギギギギギギギギいっぎいぎぎ」
まさか邪気私は呼吸をするのを忘れるつもりで走った安全と言われる場所まで逃げた逃げたどうして先ほど隊長が10体全部狩ったはずそれなのにどうして一匹生き残っているのだろうか。そうした思考も考えてる場合ではない。命の危険がすぐそこまで迫っているんだ。森を抜けると辺りが池となっていた。それと同時だった邪気が私の首を絞めにかかってきた。これは実感する体と精神の分裂というやつなのか。恐怖と同時に自分の無力さに恐怖を抱き続ける何とかしなければ私はこんなことで死ぬわけにはいかない私は生きるんだだから様々な苦悶の末私はニヤリと笑い尻ポケットから銃を取り出し力を振り絞ってパアンと邪気の頭をめがけて打ち抜いたのであった。すると脳裏から映像が流れてきた
◇
「ハイハイお電話いただきました林です。弊社見積もりの件A案で採用と事でよろしいでしょうか。ありがとうございます。今後ともご贔屓によろしくお願いいたします。それでは失礼します」
「川上商事の取引成立かよくやったな林」
「部長ありがとうございます。まだ本契約前ですので安心できませんが」
「まあまあどうだ今日はお祝いに一杯」
「行きたいのはやまやまなんですが家族サービスがありますんで」
「そうかそうか家族は大事だからな。じゃあお疲れ」
「お疲れ様です」
一連の会話から高度な社会を彷彿とさせる
高層階のマンションだった
「ただいま」
「おかえり」
手前の襖を開けるすると子供2人の寝顔が見れた
「風馬今日ねパパの似顔絵を描いていたのよハイ」
子どもらしい顔が一番でかく特徴を捉えていた
「良く描けてるな」
彼は嬉しそうにその紙を見つめていた
<<ニュースの時間です。〇〇〇〇国にて麻薬中毒者が一般人を刃物で襲っています。現場の光景から〇〇〇〇政府は非常事態宣言を敷いております。周辺国は〇〇〇〇国の対応に対し経済危機に直面する恐れがあります>>
「いやなニュースだな」
それでも林は自分の身の回りでこんなことが起こるはずがないと確かな確信が安心感を得ていたしかしそれはすぐ打ち砕かれるとも知らずに
「風馬と空が爪を尖らせた犯人に殺された」
「ッッツ!!!!!」
耳を疑ったそんなわけ確かに我が国でも中毒者による犯罪が蔓延しているとは聞いていたが
「あああああああああああああああああああああああああああ」
妻がうずくまる奥にいるのは子供たちだろうかオレは考えられなくなってしまった
視界が黒く荒んでいく
「この町の実験は失敗に終わったようだな」
「身体能力が向上、あとは寿命が延びること以外はほぼ効果がありませんでしたね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◇
意識が戻ったようだ辺りが森に見えるのがその証拠だ。邪気とは隊長の言ってた通りだこのことが要因で人類は停滞の一途を辿っていったのか。だとすると極めて残酷な話だ私たちのエゴによってこの環境を作り出したのだからしかしなぜ脳内にこの映像がそう思うと目から涙がこぼれていた。止まらない止まらないそうかこれが悲しみなんだ。そんな私を慰めるようにポンと肩を叩かれる。日野隊長だった
息がとても荒い叱責を受けるそう思ったが表情から見て穏やかにこう話す
「これが命なんだよ」そう答えた・・・今の私に最も刺さるセリフであった
つづく