詩集:歌ヲ吐ク 全テニ能ウ 作者: 歌川 詩季 実際はできないことばかり。 彼方(かなた)まで届く無数の腕(かいな)を 肩から生やし異形(いぎょう)と成り果てたい 手を繋(つな)ぎあえる凡人でなくとも うしろ指さされる天才なら 僕は自分を愛せるはずさ 全テニ能(アタ)イ 全テニ足リル 全テニ及ビ 全テニ至ル 全テニ連《ツラ》ネ 全テニ類シ 全テニ宿(ヤド)リ 全テニ益(エキ)ス 後世(こうせい)が語る巨(おお)きな足跡(そくせき) 歴史に刻んで偉業を成し遂げたい 手をさしのべたる聖人じゃないけど わしづかみ自在の握力をば 僕は欲して止まないだろう 全テニ満チテ 全テニ敵(カナ)ウ 全テニ渡リ 全テニ通ズ 全テニ聡(サト)ク 全テニ与(クミ)シ 全テニ畝(ウネ)リ 全テニ届ク あれもこれもできたらいいのに。 制作:ひだまりのねこ先生