表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/21

第19話 買い出し

 あれよあれよと5日が過ぎた。店は前より繁盛しているらしい。チラシと料理の美味しさ、そしてシルビアのおかげで変な客は来ないという噂から平穏なお店が維持出来ていた。


「ええっと、お野菜は玉ねぎ、にんじん、ナス、ピーマンと……」

「ピーマンなんて中身スカスカなのに何で食べるのかしら……」


 私の後ろで悪態をつきながらも買い物袋を持ってくれていた。私だけで頼まれたが1人じゃ何しでかすか分からないからと無理やりついて来たのだ。


「食べるのはお客様ですよー。次はお肉買いますよー」


 私たちはお肉屋さんに向かいました。


「ええっと、ひき肉とロースと薄切り肉をください。」

「はいよ!」

「シルビアさんはお魚屋さんで白身魚をお願いします。店主さんが新メニューを作るそうですよ。」


「あぁ、聞いたわ。だけど上手くいくかしらね。」

「そこはシルビアさんも手伝ってあげれば出来るのでは?」


「私、魚料理作った事ないのよねー。」

「そうなんですか?なら習ってみては?」


 私の一言で顔が少し歪みました。顔に出やすいタイプだ。


「新しい料理も覚えておくと後で使えるかもしれませんよ?」

「旅をしてて魚はあんまり持たない理由わかる?」


「保存が効かないからですか?」

「分かってるじゃない。肉だって干し肉とパンがメインでしょ?野菜ですら危ういけど温めて使ってかつ腐ってる部分は切り取ってる。でも、魚の場合は違う、保存も効かないし、腐れば臭う。旅には向かないのよ。」


「お肉みたいに燻製(くんせい)にしては?」

「物凄い異臭がするわよ。気絶レベルでね。」


(やったんだ……)


 やって異臭に当てられたからここまで拒むんだと分かって無理に進めるのはやめました。





 夜はやはり大忙しで、ホールと厨房を行ったり来たり、お会計もしたりと大忙しで休む暇がない。最初に来た時はガラガラだったが今は満員御礼だ。そして後片付けが終わった後、新作メニューの開発を始めた。


「どんなメニューにしますか?」

「すぐに出せるなら焼き魚だよな。」


「分かりますが、それだけで大丈夫なんですか?」

「わからん、とりあえず作ってみてからだ。」


 どうやら見切り発車らしくなんのプランもない様だ。この町は海から遠い為魚を使った料理店はない。良い着眼点だと思うけど……私は心配そうにシルビアを見た。それを受けたシルビアはため息を吐いた。


「あー!もう!分かったわよ。私の知ってる魚料理教えてあげるから見てなさい!」


 シルビアがいきなり啖呵を切って始めた。作っているのはポトフだ。でも、これだと肉料理になってしまう。つまり肉の代わりに魚を入れるのだろう。


「はい、昔教えて貰った物を少し濃いめにして煮詰めたから美味しいと思うわよ。これをベースに改良してよね。」

「わ、分かった。」


 いやいや作った割にはなかなか良い出来だと思った。味もいいし売れれば人気になりそうだ。けれど完成を見ることなく私たちは旅の続きをしなければならないのだ。まだまだ北上しなければならないのだから。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ