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第14話 雪遊び

 私が起きたのは完全に日が登ってからだった。そしてシルビアもまだ眠っていた。


「改めて近くで見ると美人だなー……」


 私は手をシルビアの頬に当てた。やっぱり肌は綺麗だ。次に見たのは手だった。触ったら柔らかくなかった。硬く至る所に傷もあったりした。


「やっぱり苦労してきてるんだ。」


 自分の手と見比べる……私の手はまだまだ綺麗だ。傷も無ければ皮膚も柔らかい。今までがぬるま湯だったのがよくわかる。


(私が朝食作らないと……)


 この数日は甘えてばかりだったし。今朝くらいはやらないと……私はマッチを使って枯葉に火をつけて枝を燃やした。そして昨日シルビアがやってた様に上にある雪を鍋に入れて雪を溶かして水にした。


「あら?火着けられたのね。」


 起きて来ていきなりシルビアは毒を吐いた。なのでツンとした感じで私も答えた。


「バカにしないでください。このくらいは出来ます。」

「そう。それはごめんなさいね。それで何作るの?」


「干し肉を茹でようと思います。それで抜けた塩でスープを作ろうかと。温まるし。」

「まぁまぁ良いじゃない。でもそれならそのまま干し肉をスープの具にしたら?」


 やはり凄い、私は干し肉を鍋から取り出して2品にするつもりだった。でも、一品でもそれなら全然いい、皿を余計に洗う手間が省けるのだから。


「いいですね。そうします。」

「フンッ……」


 機嫌が悪いのかと思ったけど少し笑って見えたのは気のせいかな?


「フンッ!」

「冷た!」


 私は背後から雪をぶつけられていた。そんなの1人しかいない……奴だ!


「シルビア様!いきなり何するんですか!?」

「あらら、ごめんなさいね。背中がガラ空きだったからついね。」


「つい……ですか……」


 不敵に笑うシルビア……私はとりあえず雪玉を作る。最早2人して臨戦体制だ。


「てや!」

「そい!」


 そこからは乱打戦となる。身体に当たるのならまだいい。だけど顔に当たるのは痛い!


「ちょっ!顔はやめましょう!」

「だね。顔から下ね。」


 シルビアも思ってた様だ。そこからは楽しかった。そしてある事に気が付いた。


「あ、鍋!」


 雪は水となりお湯になってぐつぐつと煮たっていた。


「水……少ないですね。」

「1人分もないわね。」


 私たちはお互いのお腹が鳴ったので一時休戦となる。そして2人で夕飯の準備をすることになった。私たちは一体何時に起きたのだろうか……


 辺りが暗くなる前に雪の家に避難した。


「私たち、何時頃起きたのですかね?」

「どう考えてもお昼過ぎ通り越して夕方よね。」


「明日は早めに起きないといけませんね。」

「そうね。早く起きて歩き出しましょう。明日は体力勝負よ。」


 という事で早めに就寝した。マッチの数はあと5本……ギリギリだ。




 翌朝、私たちは少し日が昇ってから出発した。理由は野生動物に遭遇する可能性を低くする為と道を確認する為だった。冬場で冬眠してるのがほとんどだが、してない動物もいる。危険を避ける為には日が昇ってからの方がいいらしい。そしてしばらく歩くとシルビアは止まった。


「ここが公道ね。」

「なんでわかるんですか?」


「少し深くなってるからよ。川なら水のある場所だけ雪がつまらないけど、道なら少し深く積もっててかつ木と木の間が大きく開いてる。その間には道があるのよ。」


「……はぁ……」


 よく分からなかった……でもとりあえずこの道を進めば町に着くそれだけわかった。


「……あなた、分かってないわね?」

「え、ええ……」


「ならそう言いなさい!雪国に向かう道はね。わざと馬車とかの通り道を低くしてるの。」

「何故ですか?」


「雪がどのくらい積もってるのかを知る為よ、これ以上積もれば車輪が動かなくなるという目安になってるの。その為に道は深く掘られてるのよ。」

「生活の知恵ですね。」


「常識よ!」

「あぅー!」


 頭をグリグリされた。無知とは時に痛みを伴うのだった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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