第10話 野宿
夜ご飯を食べ終わって私たちは寝床を作り始めた。もう結構遅い時間帯だがこのままでは2人して凍死する。なので直ぐに作業に取り掛かった。
「じゃあ集めた雪を山形にして広さは2人分眠れるくらいよ。あと中で少し暖を取れるようにね。」
「はい!」
私は言われた通りにしていく。シルビアはその横で再び雪を溶かしていた。そして溶かした雪が水となりその水を雪に少しずつかけていく。雪を固めるためだ。
「本当は洞穴とかが良かったのだけどね……」
「そうですね。でも、頑張って作った方が完成後も大切に使えますよ!」
「全く……体力勝負なのにお気楽ね……でも、クレアの言う事も一理あるわね。下手をすると今日と明日ここで休んで出発になるかもだし。」
「えっ?明日もここですか?」
「ええ、もう夜も遅いし、体力も使った。今から寝るとして朝一で出発は無理、ならばここに止まって体力の温存と回復に勤めた方がいいわ。」
「た、確かに……でも、食料は?」
「それならまだあるわよ。なんだかんだで3日は街に寄らなくても大丈夫な量は備蓄しているからね。」
「そんな量がある様には思えないのですが……」
「まぁ普通はね。でも、かさばらない干し肉やスープを作る粉も持っていれば後は自然にある水を探せばいい。後はお鍋とお皿。こういうのはセカンドバッグに入れておくのよ。」
「あのバッグはそのためだったんですね。」
私は素直に感心した。旅慣れしてるのは分かっていたけどこれには流石に驚いてしまう。
「シルビア様はなんでそんなに詳しいのですか?」
「何が?」
「野宿の仕方や旅の事とか……いろいろです。」
「答えたくない……」
「ケチですね。」
ゴツン!
「調子に乗ってると雪の中に埋めるわよ。」
「ごめんなさい……」
頭を小突かれて目の前がくらくらしつつも謝った。話したくない過去の1つや2つくらいは誰にでもある。私にも勿論……詮索するのはよろしくない話したい時に聞かせて貰えればいいのだ。
そして完成後、私たちはすぐに寝る……のではなく少し火を付けて中を暖かくした。このままだと凍死するからだ。
「どぉ?意外と暖かいでしょ?」
「はい……暖かいです。」
火を見ていると眠たくなってくる。
「寝て良いわよ。」
「え?だ、大丈夫です!まだやる事ありますよね?」
「ないわよ。それに今日はあんまり食べてないでしょ?体力使わない為にも寝なさい。私は馬車で寝てたし大丈夫だから。」
「……」
「あら、私の言う事聞けないの?」
「いえ、その……一緒に寝てくれませんか?」
「あら、毒姫と言われたクレアが甘えん坊ね。」
「……」
「はぁ、良いわよ。でも、先に横になってて。火を消さないといけないから。」
「はい……」
正直言うと野宿は怖い……外で寝た事などなかったから。しかも森の中。常に死と隣り合わせの状況……それでも誰かが居てくれるのは嬉しい。それが苦手な人でもだ。
「ほら、風邪引くから上にこれをかけなさい。」
「これは……上着ですか?」
「そう、2枚重ねれば保温してくれるわ。私のはあるから。」
「ありがとう……ございます。」
そのまま私の真横で座ってくれた。
「横にならないのですか?」
「うん……良いんだ……これで。」
「そう……なんですね。」
「うん……寝れる?」
「はい……」
うとうととしてきた。そのまま眠ってしまえば良かったのだ。だけど気になったのだ。シルビアの顔が……先程から少し寂しそうな声が気になってしまったから。私は下からシルビアを見た。その顔は……
「ど、どうしたのですか?」
泣いていた……
「なっ!なんで目を開けたのよ!」
「いえ、少し気になったので……」
「気になるな!寝ろ!」
シルビアは私の両目を手で覆い隠し。そのまま押し付けられた。抵抗しようと思えば出来た。だけどしない……泣いてる所なんて見られたくない。そんなの分かっていたから……私は大人しく眠る事にした。
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