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貴方とは他人です、後悔したってもう遅い  作者: あずあず
マイロとソバタの話し
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僕にわかるわけがない(ソバタ視点)

マイロが倒れた。


(そんなことで、あいつはこれから子どもを育てていけるのか!?)


しばらく静養が必要だというので、療養所に1週間ほど滞在するのだという。冗談じゃない、誰がリリーの面倒をみるのだ。

それで、リリーは泣き喚くし、仕事はしばらく休むことになるしで最悪である。


「え!?乳母にお願いできるのはお乳だけ!?そんな…」

先輩侍女からリリーの一通りの世話を教えてもらうことになったので、僕がやるのかと驚いたのである。


「あら、だってソバタが乳母なんて必要ないって言ったんでしょ!?」

「それはマイロがいるからで…女と男じゃ全然違うでしょう?」

「おっぱい以外はできるだろう?アンタだって二本ずつ手足がついてるんだから。立派に世話できるわよっ!」

尻を思い切り叩かれた。

「ああもう!痛いじゃないですか!第一、赤ちゃんの世話なんてした事ないんですよ!?」

「アンタさ、マイロだってした事ないのよ…」

「母親って自然にできるようになるものなんでしょう?動物なんて教わらなくったってやるじゃないですか」


なんだか盛大にため息をつかれてしまった。

「じゃあ犬っころは沐浴するのかい?人間様は生きていく為に色々と面倒さ。犬だって猫だって、母親に育てる意思がなければ見捨てられる子犬も子猫もいるくらいなんだからね」


(だめだ、話が全然入ってこない)


耳には聞こえて来るが、脳で処理できない。


(何を言っているんだ…)


「ひえぇぇ…ふぇぇぇえええええんんん!!!!!!」

侍女の腕に抱かれていたリリーが泣き始める。

「ほら、泣き止ませてお父さん」


急に渡されたので、慌てるしかない。

「ど、ちょ、まって!」

「頑張りなよ、お父さん」

「おっぱい!!おっぱいじゃないですか!?」

「さあね、どうだと思う?」

「どうって…そんな意地悪言わないでくださいよ!なんとかしてください!」

「あのさあ」とため息を何度もついている。「私にわかると思うかい!?この子の事情はこの子にしか分からないよ!それを『あれかな、それともこれかな』ってやるんだ!」

遂には怒られてしまった。


「むう」とむくれながら取り敢えず、おしめを見てみる。どうやら濡れていないようだ。

(ならおっぱいじゃないか!)


でもきっと言ったら怒られそうだし、ひとまず寝かせられないか抱っこであやしてみる。

「ぶああぁぁぁああ!!!」

「あああ…なんだよ、寝てくれよ…!」

今にも血管が切れそうなほどに顔を真っ赤にして泣いている。


(怖い…!)


その尋常じゃない様子に焦り始めた頃

ドボっという音ともに、乳を戻してしまった。

「う、うわ!!!!も、戻して…!!!どうしよう…!!!病気!?」


侍女が冷静にリリーを受け取ると、汚れた産着を手慣れた手つきで着替えさせ、濡れたガーゼで口や胸元を拭き取った。

「アンタも着替えておいで」

「えっあっ…リリーを医者に…」

「ゲップさせろって言っただろう?」

「え、でもおっぱい飲ませた後、ゲップさせましたよ?」

「そうかい、それなら…もしかしたらゲップしても暫くは縦抱きにした方が良いのかもしれないね」

「縦抱き?なんです?」


片腕でお尻を持ち、自らの肩に顔を乗せ、リリーが縦方向になった。

「ゲップさせる時、こうするだろ?このまま落ち着くまで、こうしてな。赤ちゃんは戻しやすいから、こういう嘔吐は心配ないはずだよ」


(こんな細かい事いちいちいちいちできるわけがない…)

僕はべっちょりと汚れたのが嫌で湯浴みでもする事にした。

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