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第14話 アラオザル④

 ボートを付けられる場所があまりなかったので昨日奥への道をみつけたところとは少し離れたところに上陸した。そこからは徒歩だ。


「ちっょと待て。」


 戦闘を歩いていた火野が一同を止める。


「見ろ、昨日のところに誰か立っている。やはり本来は見張りが居るようだな。」


 そこにはトウチョ=トウチョ人と思える矮人が二人、槍のような物を持って立っている。奥への入り口はここで間違いないと思わせてくれる目印にもなってしまっているが。


「どうするかな。」


 このまま一行で見張りと交渉して入ることも可能なのかもしれない。まずは言葉が通じるかどうかに寄るのだが。


 荒事になってしまった時には逆に問題なく通れるだろうが、入った後のことが心配だった。つまり選択肢は一つ、なんとか頼んで中に入れてもらうことだ。


「風間君、頼めるか?」


 トウチョ=トウチョ人が何語を話すのかは分かりませんがタイ語が少しでも通じるのなら、後はなんとかなると思います。」


 真知子が一応護衛として浩太を連れて見張りに話かけることにした。


「行ってくるわ、ちょっと待ってて。」


 そういうと真知子はさっさと歩き出す。姿を隠すような素振りもせずに堂々と歩いて行った。浩太は慌てて後を追う。


 火野たちが影で見守っていると、二人は見張りの二人に近づき槍の切っ先を突き付けられて両手を挙げている。が、その態勢のまま真知子が何かを話している様子が見て取れた。通じているのだろうか。


 やがて見張りの二人は槍を戻した。真知子がこちらに手招きする。交渉は成功したようだ。火野たちも合流する。


「上手く行ったようだな。」


「冷や汗ものよ。なんとか言葉が少し通じたから敵意が無いことを伝えたのと、ピアスを片方づつで話が付いたわ。」


 確かに真知子の耳からはピアスが両方無くなっていた。トウチョ=トウチョ人というのも案外俗物なのかも知れない。


「それで感じたんだけど、中に入ったら色々と光物が有効だと思うの。それと長老には特別な手土産が必要じゃないかしら。」


「そんなもの用意してないわよ。」


 瞳は装飾物を全く付けていなかった。


「それで少し話をしたんだけど、この人たちはまた明後日当番で見張りに立つみたいなの。その時なら通してくれるそうよ。明後日までに用意して戻ってくる、というのはどう?」


 思いもしなかった出費だが仕方がない。なんとか街に戻って貴金属をいくつか用意して二日後にまた戻ってくることにした。


「それにしてもトウチョ=トウチョ人が宝石で買収できるとはな。」


「なんだか一族の中でもピアスや指環、ネックレスが流行っているらしいよ。宝石自体は昔からあるみたいだけど。」


「ここいらでも採れるものかあるだろうから、そういうこともあるか。いすれにしても一旦街に帰ろう。」


 火野は貴金属を買う原資のことで頭がいっぱいだった。


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