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第11話

 シャワシャワと鳴く蝉の声がうるさい。

「あつぃいい」

「まったく、君は、暑いと言っても何も変わらないだろうに。それにこの店を指定したのは君だぞ」

「だってここの10名限定ふわとろ5段パンケーキが食べたかったんだもん」

「まぁ、僕はWiFiがつながればどこでも構わないさ」

「かぁわいくなぃな〜蓮ちゃんは」



 2人の女子高生がテラスでパソコンのキーボードを叩いている。明るい陽射しの下、食べ終わった皿をよけ、手を動かしながらも会話を続ける。1人は小柄でボサボサの髪をしていた。もう1人は背が高い、ポニーテールの少女だった。


「次はどれを食べようかな。ぐへへへ」

「さっき食べたばかりだろ」

「だって、蓮ちゃんからの依頼報酬だもん。『スイーツ食べ放題』。結構大変だったんだよ。ウィルスの作成、蜂のモデリングに、痛覚再現、カクカクボディに、数えだしたらキリがない。円上くん大丈夫かな。途中はともかく、最後の一撃は、痛かったんじゃない?あ、店員さ〜んモンブラン追加で」


 友人の底なしの胃袋に引きつった笑顔を浮かべ、最後にはため息をつく。


「破産しそうだな。僕は。店舗を指定するべきだった。円上くんは、大丈夫だったみたいだ。あのあと、お叱りの電話があったよ。殺す気かってね。おい、きみは遠慮と言うものがないのか?ショートケーキもさっき頼んでたじゃないか」


「いいじゃないか!いいじゃまいか!蓮ちゃんは『デッド・ワン』で稼ぎまくってるじゃん」


「あれは学費の為に貯めているんだ。それは君にも言えるだろう?君もトップランカーの1人なんだから」

「ん?私は食費で消えてるよ?」


 事も無げにいう。ポニーテールの彼女は首を傾げていた。


「化け物胃袋め。太るぞ」

「女子はカロリーで幸せにも不幸にもなりますってか?私は動くからね。はぁ蓮ちゃんはプラトニックガールだと思っていたのに、案外ロマンチックだね。昔馴染みをインターネットのオンラインゲームで探し出したいって。まさか本当に見つけ出すとは思わなかったけど」


「まぁ、会えたらいいなとは、思っていたが」


「またまた~。結構必死だったくせに」


「う、うるさい」

「あ、それと、最後のこと知ってるのは、私だけだから」


 彼女の一言に、顔を真っ赤にする。


「あれは、その、あれだ」

「ぷぷぷ、かわいいねぇ、蓮ちゃん」

「うがあああああ!」

 彼女のタイピングが荒々しくなり、ポニーテールの少女は笑う。


「わぉ!ニューレコードじゃん」

 荒々しくパソコンを閉じた彼女は鼻息荒く言う。


「ふん。さっきのことは誰にも言うなよ」

「円上くんにも?」

「と、当然だ!」

 顔を真っ赤にして言う。ああ、もう、可愛くなっちゃって。

「今から彼と会ってくる。僕も報酬を貰わないとな」


「なんでも言うことを聞いてもらうだっけ?」


「ふふふ。何をしてもらおうか?椅子?机?本棚っていうのもいいな」


「なんで、家具なんだよ。怖いよ。最近キャラに引っ張られてない?部屋を片付けてもらえ、あの部屋を」


「おぉ!それは名案だな。」

「あ、円上くん、ごめん、ご愁傷さま」

「さぁ、そうと決まれば、さっそく行動開始だ」

「あ、モンブラン~」


 手をひく彼女の笑顔がまぶしい。夏の太陽に負けないくらいに

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