表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

4

「ではスカーレット様、貴女にとってはさぞかし窮屈でしょうがどうかご辛抱ください」





「いえそんな、そんなことありませんわ。ドッジさんのご厚意に、そんな失礼なことは申し上げません」




とは言ったものの、実際にはドッジの家はそれはみずぼらしいものであった。とてもガーディアンの住処とは思えない。一体この国に国王はどれほどガーディアンというものを軽視しているというのか。

幸い、ドッジの家には小さいながらも部屋はいくつかあり、スカーレットが入り込むスペースはありそうだ。




「ではスカーレット様。僕は任務に戻ります。

どうか外出はなさらないように、お願い申し上げます」





「ええ、勿論ですわ」





「では」





そう言ってドッジが家を出ようとした時、ドッジさん、とスカーレットに呼びかけられた。

振り返るとスカーレットは、神妙な面持ちで立っており、粛々とドッジに感謝の意をとなえた。そんな彼女の済んだ瞳に一瞬ドキッとしながらも、あくまで平然とお辞儀をし、ドッジは家を出るのだった。







「国王様。あの者は始末しました」





宮殿に戻ったドッジらガーディアンたちは、バーランダー国王に対し虚偽の報告を行った。

そんな報告に対して国王は、鋭い質問をぶつける。





「始末とは、具体的にどうしたのだ」






「そ、それは」





思いがけない質問に、ドッジは思わず戸惑う。すると代わりに機転を利かせたのは、隣にいたガーディアンだった。




「レオポルアイランドに、島流しにしてやりました。これでもう2度と戻っては来られないでしょう。それどころか、今ごろ飢えた魔物どもの餌食になっているかもしれません」





その言葉を聞くや否や、国王はははは、と嬉しそうな高笑いをあげた。どうやらこのガーディアンの言うことを信じたようである。

これにはドッジも心の中でほっとした。



ガーディアンたちはみな、売国に加担するような国王よりもスカーレットの味方なのだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ