人界戦二日前・III
ギルド管理局――――。
全てを束ねる場所、それがギルドと呼ばれているのだが…今やその形は無い。
レイナ率いる貴族連合により、クーデターが起きてしまいガルクとヒナが違反者として追放されてしまう身になる。
裏のギルド、暗殺部隊は招集され…従わせる為に多額の金額を渡された。
これにより、暗殺部隊も貴族連合となる。
一方、貴族連合の一派としてルックス率いるメンバーが要塞の四大貴族が集結する会議に参加していた。
「ふん、種族共がワシらを殺すだと? ハッ、図に乗るな隠した風情が! ワシらがここの世界の主だ、楯突くなら容赦はしない」
「えぇ、その意見には賛成でザマス」
「だが、向こう側には…一般人兵も紛れ込む。そいつらをどう潰すんだ?」
「雑魚如きが貴族に噛み付こうなんぞ片腹痛い。ワシらの力があればどうにでもなる」
タバコの匂いが貴族達を囲む様に漂う、ルックスは腕を組み窓の外を睨む。
それは何故かと言うと、敵の襲撃を見てるのではなく…姉アミールを殺した張本人がいるのだ。
豪華な一室で、木製のテーブルにワインを嗜むグラスとボトルが一本置かれてる。
ルックスは無言で話を聞いるだけだ、理由は一般は口を挟めないそれが貴族ルールとやらだ。
ルックスは組んだ腕を解き歯を噛みしめるように、手を強く握りしめていた。
このデブが姉貴を殺したのか…!
今でも復讐したい…が、抑えろ俺…。
まだその時じゃない!
会議はただ単に他種族を以下に殺せるかの掛けである、現金の賭博なんぞしていた。
部屋から三名退出すると、ルックスとデブな貴族だけが残る。
「ふん、貴様がなぜ生きていたか。後々、調べるとしてだ…貴様には捉えた少女を看守しろ」
「……」
「返事すらできないのか? クズが」
「…っ。はい」
「下がっていいぞ、姉みたく刃向かうなよ…」
「……」
ルックスは、テーブルの上に置かれてある鍵を手にして歩き出した。
部屋を抜け出て直ぐに、ルックスの仲間の一人が声をかけた。
「おい兄ちゃん、踏み入れなくてもいいクソみたいな泥沼になぜいる」
「……」
その問いにルックスは、無言で歩き出した。
仲間の一人の足元には鍵が落ちていた、それを拾い上げた彼は牢獄へと歩き出した。
貴族連合の牢獄、一般とは違うのは丁寧に扱われるわけだ…つまり今のリュウカの状態はこうである。
「手足鎖に繋がれて、食べ物だけ食える。そんな幸せな牢獄に私はいるんだ」
「……オイオイお嬢ちゃん。もっと悲鳴出さなきゃ牢獄人らしくないじゃねぇかよ」
「あ、また来たのか。歴戦を物語るその傷があるからだは…かっこいいな」
「お、 分かるのかお嬢ちゃん。オレも中々やんちゃだったからよ、こうなるまで戦えば猛者って感じするだろう?」
「するする」
「解いて逃がしてやりてぇが…まぁ監視がいるからな」
白い髪の毛で赤い瞳のリリナ姿の子だ、何度も問いかけたリュウカ。
しかし、名前は「アルパス」って馬みたいな名前である。
「ぬぐぐぐ…いい加減思い出してよ!!」
「…おー、こいつは記憶喪失的なやつ?」
「違います、私は、おにぎりな惑星から生まれた存在…握り飯です」
「意味がわかんないなぁオイ!?」
「おにぎり大好き」
「えぇ」
「具材は鮭」
「ですねぇ」
「なんで話が繋がるんだよ!?」
訳分からない話で盛り上がると、ルックスが入ってくる。無言でリュウカの前に立ち手を当てる。
「おい! ルックスそいつにやる必要はないだろ!」
「黙ってみてて」
リュウカの額から黒い塊の鉱石が出てくる、離そうとした瞬間…拒絶するかのようにバリバリと黒い雷が放たれた。
「…なんだこれは?」
「この世界の呪いが彼女の中にある。 それを引き抜いたら世界はまた闇さ」
「…つまりこいつが死ぬ危機に落ちれば」
「あぁ…世界は終わるだろうな」
ルックスはリュウカの額に黒い塊の鉱石を押し戻すと、吸い込まれる様に中に入って消える。
「貴族の狙いは…そう言うことか」
「あぁ、だから俺は…」
「死ぬ気で戦うのか、いっちょ前に言いやがる。 あいつみてぇだな」
「義理の息子か?」
「あぁ、ほんとどうしようもねぇガキだ」
「…さて、行くか」
「どこによ?」
「決まってるだろ、要塞の地下さ」
ルックスと仲間は地下へと足を向けた、リュウカはガクンっと力をなくした様に下を向く。
「………?」
アルパスは不思議とリュウカを見つめて、脈の速さに違和感を覚えていた。




