反撃と現れた存在
ガルクはある場所へと足を向けた…外にある陣営である。
ギルド管理局の本館が真後ろにある陣営、テントみたく鉄棒を組み立てた簡易的なものである。
「うっす」
「あ、ガルク殿」
「布陣的にはどうだ?」
「前方から至近距離、左右からの遠距離です」
「遠距離? それにしちゃ距離感ありすぎじゃないか。 矢だと的中が難しいはずだな」
「それがですが…これを」
テーブルの上に置かれたのは、鉄製の筒である。
この形を見て、ガルクはこう口にする。
「銃だ」
「銃?」
「あぁ、最近聞いてるだろ? 矢よりも威力が高くて的中率も高い武器だ。 確か矢で右に出ない奴を追放したギルドいたよな」
「あ…もしかして楽園と関係がある」
「そうだ、奴らが仕入れた新たな武器。弓兵をリストラしたのも新しいだろ? 無職共が奴らを追い詰めたが…さすがに銃には勝てない。 つまりだ、仕入れ先がそいつらだ」
「なんだと…?」
「近代技術とやらは、あくまでも錬金術から作られた紛い物にしか過ぎない。だが…この空薬莢は錬金術でも作れない物だ」
「空薬莢…??」
「あー、お前らが知らない文明だ。…と言っても古代歴史に近いもんだな」
ガルクは輪廻転生と呼ばれる過去の記憶を引き継いだ転生者である、つまり始まりも終わりも既にわかっている。
しかしだ、ガルクが知る上では…一度近代文明が滅んだ筈だった。
古代遺跡や産物はその名残を残すが、どうやら再び近代技術を用いた錬金術が流行ったっと推測は出来たが…何かが引っかかるのだ。
埋めようが無い無数な法則なのか…はたまた知らない文明が存在するのか。
「知らないのがあるのが世界だ。 それとそうした物はあってもおかしくは無いが…何故だ? 何故…違和感があるんだ…?」
ギルド部隊一名が陣営に現れて、ガルクたちに思い口取りで告げた。
「第一隊から六隊までが…壊滅しました…!」
「なんだと!?」
「敵陣情報は?」
「それがーーーガルリア騎士団が寝返りしました!」
陣営内は驚きでざわつくが、ガルクは冷静な表情でこういった。
「……強い者に寝返る、こいつも戦略か。だが、俺達には秘策がある、コードという存在…使うか。よし、直ちに兵士らを撤退しコードを招集し出撃だ」
「はっ!!」
兵士達は陣営をバタバタ走り出す、指揮官はガルクに訊ねた。
「あの…コードとは?」
「コードは、ギルド管理局の裏側の組織だ。 敵対戦力に特化した影のお掃除屋さんさーーー」
戦闘場、敵兵が消えていくのをエデンの機械兵は追撃に転じる。
同時にガルリア騎士団の兵士達も、狂気な声で焼き焦がれた大地を走り出す。
「ヒャッハーーーーーーー雑魚ども蹴散らしてやらぁァァァァァーーーーー」
全力の走りだろうが無かろうが、とにかく走るガレリア騎士団の兵士達。
逃げるギルド兵士の中に、ポケットに両手を突っ込み仁王立ちする白い髪の毛の青年だ。
当然お構いなく、青年に切りかかるガレリア騎士団の兵士達は剣を振り抜く。
「がはっ!?」
「ぐあっ!!」
青年に攻撃したのにガレリア騎士団の兵士達が攻撃を受けたのだ。
「よぉ、待ちくたびれたぜ…ガレリア騎士団よ」
ニヤリと深い笑みを滲ませた青年、そう反射魔法と呼ばれる無属性魔法を極めたーーーナーガである。
だが、ナーガはその名を捨てた…別の名を改めて付け直した。
「ギルド管理局のコードⅤ…無属性魔法の最強無双。確か名前は…ジルクだった筈だ、クソがギルド管理局の処刑人!! 勝てる相手じゃねぇけど…今の俺は最強だ!!」
ジルク…そう青年はジルクとして新たな名を発した、当然ギルド管理局の掃除屋さんみたいな役割を果たしてるから…処刑人という異名まである。
「雑魚が束になっても、おもしれぇ顔で地に帰る。まぁいい軽く掃除してやる」
ガレリア騎士団の兵士か次々と襲いかかるが、ジルクはゴミのような目をしながら…地面を強く踏みつけ反射で空を高く飛び上がる。
ポケットから両手を広げ重ね合わせる、その手の平で空間で歪みが生じる。
「さてさてさてーーーーこの一撃はつれーぞ?」
何も見えないのでただ投げ落としたようにしか見えないジルクの一振り。
だが、地面に落ちると強烈な爆破音が馳せ爆風が吹き荒れた。
ガレリア騎士団の兵士半数を消し飛ばし、戦場に大きな円状のへこみを作った。
「何が起きたかわかんねぇだろ? それが無属性魔法…クックック楽しいなぁオイ!!」
ジルクは無数の無属性を投げ飛ばし、辺にいるガレリア騎士団の兵士を蹴散らした。
そうこれこそが…無属性魔法の無双である。
ガレリア騎士団の兵士はおよそ五万ほどあると言われていたが、ほぼ壊滅的な数まで減らした。
「ぬぐぐ…雑魚がイキリやがって…! 俺だけが最強のギルドなんだ!! 雑魚がしゃしゃり出んな!!」
ガレリア騎士団のリーダー格は、空にいるジルクに向けて拳銃を発砲。
だが、ジルクには被弾せずリーダー格の頭をぶち抜いてしまう。
「リーダー…!!」
「くそっ!!」
「よせっ! あいつには勝てない!!」
「だけど! 」
「分かれガキじゃないだろ!!」
「ぬぐぐ…いつか必ず…!!」
ガレリア騎士団は撤退したが、一人戦場に残してーーー。
「…誰だアイツ? 逃げないだけでもたいした度胸だな」
見覚えがある黒いコート姿で、虹色に輝く剣を片手にしていた…これは明らかにガルクがよく知る人物だ。
ガルクは陣営から離れて走る、数分後がその少年の前に辿り着き呼ぶ。
「リク!?」
だが、リクの表情は険しく敵意むき出しである。
「……ガルク、俺がここに居るので理解したか?」
「お前まさか…敵に組むとかバカを言わないよな?」
「何を勘違いしてるガルク、 俺は…ギルド管理局を解体させなきゃならなねぇんだ。 敵と手を組んでるのはてめぇの方なんだよ…ガルク!」
リクは一振を放つ、七色に輝く刃先がガルクの喉スレスレで止まる。
ガルクは苦笑いをしながらこう言い放つ。
「リク、なんでそっち側に付くのか知らねぇが。お前が敵になるなんて夢にでも思わねぇ…。 最悪の結末とやらは運命なのかね?」
「……」
そこへジルクが、落ちてくるゆっくりと歩きながら無属性魔法をリクに飛ばす。
ガルクの喉先から七色の剣を動かして視覚がない無属性魔法を切り裂いたリクの背後から爆発する。
「覚えとけ、次こそは仲間も関係なくぶっ壊す」
そう告げてリクは転移魔法が出来る魔法玉を手に持ち空に投げ飛ばした。
眩い光を一瞬だけ放ち、視界から消えたリク。
「くそっ…なんであいつが…!」
「考えはわかんねぇけど、何かを知ってんのか?」
「何かだと…?」
「あぁ、俺たちが知らない情報…。そいつがあればいくらでも理由なんざできっちまうし…敵対なんて出来る。 回りくどくてやり方としたら汚ぇな」
「知らない情報か…そういや、極秘の件どうなんだジルク」
「あぁ、順調だ。あとは…あの女を降ろすだけだ」
「ふん…なら手短にやろうか。 都市大革命とやらをなーーー」




