謎の洞窟
湿気でジメジメした洞窟、作りは人が横穴を掘ったような雑加減がある。
おかげでやや蒸し暑い空気感、たいまつを片手に下へ下へと繋がる坂道を歩き降る。
こんな場所に何のために…この道があるのか。
いや…それよりもだ、誰か付いてきてる。
人気がないのに、足音が無駄に乱発する様に…一歩進めば三歩足音が聞こえる感じである。
洞窟でもあるから反響音もあるかもしれない、なのでガルク的には疑いはなかった。
進めば、進むほど…今度は肌寒くなる。
足場は土に水分が含まれており、先程までは緩かった足場は硬さがまして凍りついていた。
地下に進むほど、寒くなるとは何処の鉱山でも有り得るが…凍るほどは初めてだな。
まだ下へと続く道筋、ガルクは生唾を飲んで歩いていく。
数分間歩くと、足場と視界に変化し始める。
今度は凍りついた人口に作られた坑道である。
肌に突き刺さる冷気がビュウビュウっと吹き付けてくる、張り裂けそうなぐらい肺が痛く息吸う度に痛い。
こんな場所にこんなもんがあるのか…?
貴族連合がこんな場所に来るはずがない…。
つまりこれは…また別な洞窟か。
ガルクはそう思って後ろを振り返ると、幼い幼女達がケラケラと笑い銃口を向けていた。
「お前らは…!!」
「案内ありがとね、おじさんーーー」
銃声が洞窟内で響いた、ガルクは右肩と胸を撃たれ坑道へと転がり落ちていく。
幼女達はそっから先に踏み込まず、ただ…転がるガルクを眺めていた。
三人の幼女の後から、リーダーである少女はこういった。
「引き返すわよ」
「え?」
「そっから先は極位って呼ばれる、氷点下の世界よ。命あるものは必ず凍るわ」
「じゃ…ここがもしかして?」
「えぇ…千年前にあった物がある。だけどそこに行くには…見てわかるように坑道への道は、氷虹…オーロラによって行けない」
薄いが坑道に繋がる道には、確かに虹色に光り揺らぐものがある。
リーダーはそれを知っていたかのように、引き返し命令をしたのだが…一人の幼女は話を聞かずに坑道へと足を向けていた。
「人の話聞いてないの? みっちゃん」
「…トドメを刺さないのは、私達らしくない」
「行っちゃダメだよ」
「うっさい」
止める言葉に耳を貸さない幼女は、そのまま坑道へと踏みはいった瞬間…一瞬にして氷のオブジェクトになってしまう。
「…みっちゃん」
「ゆうこと聞かないからそうなるのよ、ほら帰るわよ」
「みっちゃん…」
「ほら行くよ」
「みっちゃんーーーー!!」
その幼女は、この日一番の親友をなくした。
幼女達は地上へと帰るってまもなく、坑道の最深部で気を失っていたガルクが目を覚ます。
「いてて…なんだここ…」
見上げた世界は空いた空洞から光が射す氷河、氷が青白い色を放つ。
巨大な氷柱が中央にそびえ立ち、存在感を知らしめる。
「幻想的だな…いってぇな…」
右肩と胸が痛みが走る、ガルクは魔術で傷口の痛みを緩和する応急処置をした。
「これでよしっと…にしてもこんな場所があるなんてな。寒いけどそれどころじゃない、大発見だが…ん?」
ガルクは目の前にある氷柱をみて、近づいてみると…絶望した表情をする少女が凍っていた。
それだけじゃない、周りを見れば見るほど人が凍っている状態である。
足場も雪をかき分けると、人の頭上があり薄気味悪さを覚えた。
ある意味墓場だここ…見た感じはなにかの闘技場
逃げ遅れた人々が、凍りついてるんだ。
俺達が生きていた時代より後の世界か…!
何があったかは分からない、だが…目の前にあるあの氷柱は別物だ。
何かの機械で今の技術でさえ解明されない、隠された建造物って言っても過言ではない。
天井を見上げると、古ぼけた剣を手に持つ少年…物凄い苦痛の表情で天盤と一体化している。
「…世紀的大発見だ。俺が知る物よりも古いな、さて勧める道はっと…」
その言葉を意味するかのように、壁側には階段が下へと降れるようになっていた。
ガルクはその階段をゆっくりと降り始め…十分程降ると青い床に辿り着いた。
見上げれば、凄いな…まるで水流が襲って来たような感じだな。
目線を戻すと、なにやら機械的な物が現れる。
その近くに行くと…どうやらこの氷柱の制御する物だろう。
しかしだ、古文すぎて読めない字が画面に現れてるため解読は不可能だ。
悩めるガルクは、一旦ギルド管理局に戻る事にした…床に魔法陣を描いて手を叩いた。
しかし…反応がなく魔術が起動しない。
「これは想定外だな…体に響くが魔法で…」
ガルクは魔法でテレポートをした、見事に一瞬にしてギルド管理局に戻ったのだが…。
自室へとテレポートしたのだが、外が何やら騒がしい。
廊下をパタパタと疾走に走る兵士達である。
「敵襲だ!!」っと言う兵士達の声でガルクは頭をかいた。
帰って来てまだそんなにたってないのだが…奇襲をするとすれば奴か。
部屋のドアを開けて、廊下に出て窓外を見るとやはり…楽園率いる人型機械兵器である。
その数は…数百ほどあるだろうか、ギルド所属部隊が戦前で応戦している。
「ガルクーーー!!」っと聞き覚えがある声が飛んだかと思えば何かすっごい表情でこちらに向かってきていた。
「どこに行ってたのよ!! あんたが居ない間、どんだけ指示やら応戦やら…あぁぁぁぁぁ!! 思いかえしただけでムカつくわ!! あんたを殺さない限り気が気じゃなくなるわ!!!」
殺意ビンビンこちらに向けて、全力で走って来る
ヒナである。
やばいやばい、落ち着けなんて言っても絶対聞き入れない保証100%である。
どっから持ち出したか分からない剣をブンブン振り回すヒナ、それを見切りながら回避しまくるガルクは言う。
「ちょっ!! マジごめんてば!!」
「うっさい!! めんどくさいことを私に丸投げしてあんたはどこほっつき歩いてんのよ!! 許さない、許さない許さない許さない許さない!!」
「ぬはぁぁぁぁぁ!! 何でもするから許せよ!!」
「なんでもする??? ありえない!! さぁ死ねぇグラサン野郎!!」
「グラサン野郎!? 確かにそうだがそれじゃキャラがグラサン固定じゃねぇか!!」
「マジレス言ってごめん☆」
「と、とりあえず剣収めて」
「いやーよ☆ あんたを殺したいぐらい許さない☆☆☆」
ガルクは壁に背をぶつける、逃げ場がないわけであるが…ヒナは剣を投げ捨てた。
手をパンパンと叩き、ポケットから何かを取り出した。
ガルクは受け取り緑色の液体が入った瓶を見る。
「傷あるくせによく動けたわね、それ最近できたポーション。それ飲んで安静にしてなさい」
それだけ言ってスタスタと歩いていったヒナ、あの無駄に振り回していたのによく見ていたなっと思えた。
瓶の栓を歯で抜きポーションを飲んだガルク。
味的には青リンゴ風味で飲みやすい。
軋んだ体は痛みを消していき立ち上がるガルク、グラサンをグイッと指で押して小さく言う。
「さて…反撃の時間だ」




