無人機械計画
ルックスは無人機械計画の名前は把握していた。
だが、製造までしか分からない。
実用化に向けた話は、この十年では知らない。
それよりもだ、姉であるアーミルはどうしたのかと思ったルックス。
倉庫施設の廊下であるが、この狭い通路で逃げ出すなんてできないだろう。
「………」
「なにか聞きたいことあるでしょう。それはアーミル様、彼女は既にこの世に居ない。なぜなら私達がーーー」
ルックスは合間を入れずに素早い、一撃をアーミル4号機に切りつけた。
首が床に転がり、体だけがパチパチと音を鳴らしていた。
「…いきなり斬るとは。人間の感情とは計り知れーーーー」
ルックスはアーミル4号機の口に剣を突き刺した。
その表情は血相を変えて穏やかではない、怒りに満ちていた。
「何が…無人機械計画だ! そんなバカげた計画で姉上が死んだだと?! ふざけたことを抜かすな! 機械物目が!!」
天井に違和感を感じたルックスは、回避すると同じ顔のアーミルの無人機械が現れた。
「なっ…なに…?!」
「私達は、一心同体…。一人死んでもまた一人が記憶を維持する」
ルックスはよろけながら後退りすると、背後にぶつかったアーミルの無人機械。
「その数はおよそ六百万通り、つまり六百万万体がこの世界には存在する。貴方が一人で叩いても、また別の私が貴方を潰す」
「…六百万? ははっ、あのバカ親父…なんつう数を…」
「親父ではありません。親父です、貴方は息子さん…ですがなぜ敵対するのです?」
「…幼い少女」
「幼い少女、データ的には死んでいませんが。おかしいですね」
「データが開けません何故でしょう」
六百万通りある無人機械でも、不可解なことはあるらしい。
だが、何故だろう…ここにいる倒したやつを含めた三名は…敵対な発言はない。
「…なぁ」
「はい?」
「なんで敵意を出さない?」
「それはですねーーー」
アーミルの無人機械計は耳に手を当てた、どうやら無線機が内蔵されている。
《六号機、八号機!! 今すぐ逃げーーー》
ルックスがいる場所まで声が聞こえた、なにかの襲撃音だ。
アーミルの二機は、破壊したアーミルを背負い逃げ出した。
ドンッと音が鳴り響く、広場側からである…ルックスは窓辺を覗くと…父上と無人機械が攻めてきてた。
「親父…!!」
「待ってください」
「…なんだよ?」
「これを…」
黒いリストバンドだ、それを手渡して廊下を走り出したアーミル機体。
「なんだこれ…?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
広場に砲弾を飛ばし攻めてきたのは、機械物と太鼓腹の中年ぐらいの人である。
「さてさてさて、ようやく私の時間だ。待ちに待った…世界が我が手に!」
模擬どころじゃない、邪魔されたのだ。
無言でリュウカは中年層の人を睨んだ。
「………」
「お前は誰だ小娘」
「名乗る意味ある?」
「ふ、礼儀を知らんな田舎娘。我はアルグサーベル三世、発明家と言っとこうか」
「そんな人がなぜ襲撃を?」
中年層の人は呆れた口でといに答える。
「最初は小さく、ラストはでかく。やるからにはまずは犠牲からだ」
ある意味バカにされたような発言、リュウカは鼻で笑いながら言い返す様にいった
「……犠牲か。それは一筋で我々を倒すって意味?」
互いに睨み合い、そして中年層の男は煙草を加えてライターで火をつけた。
軽く吸い吐いて、右腕をあげた。
「以下にもな、さて…嬲り殺し血祭りだ。今から貴様らには死んでもらう」
機体が動き出して武器を構えた、ルミはリュウカをチラッとみた。
真剣な顔である、こうなると何言っても聞き分けがない。
「さ、死刑執行だ」
中年層の男が腕を下ろすのと同時に、機体は一斉に戦闘態勢になる
リュウカ達は武器を手に戦い始めた。
戦地と言えるような激しい戦い、生徒達は機体を倒していくのだが…数が減らない。
「機体が減らない、何よこれ!」
「リリ危ない!」
「えっ!?」
ソラはリリを押し飛ばして、爆撃をその体に受けた。
「ソラ!!」
砂煙の最中でリュウカは走り、ソラを一瞬で背負い…リリを狙う機体に剣を投げ飛ばした。
「リリ、目を離しちゃダメだ!!」
「リュウカ!」
リュウカは剣を抜き取り機体を破壊、その奥から機体がまた現れる。
「チッ、何だこの数…? 死体でも倒してる感じだわ」
「キリがないわよ、レーザー魔法で!」
リリが放ったレーザー魔法は、手のひらから強い光を放ち前方にいる機体に的中するがーーー。
「…! 弾いたっ!!」
「なに?!」
「魔法が効かない機体…!ならこれならどうよっ!! 」
リリは太ももにあるダガーベルトから、無数の細いナイフを引き抜き。
指の間に挟んで投げ飛ばす、レーザー魔法の加護が加わり威力が増した無数の青白い光。
機体に突き刺さるだけで、貫通はしなかった。
「堅い…! 普通の機体じゃない…。対魔法アーマーかしら…! ムカつく敵だけあるし、不利すぎるわこれだと」
対魔法アーマとは、魔法系を遮断する防具だ。
犯罪者やテロリストは、どこの街にもいるのでギルド管理局の対策防具として使われている。
それが機体に装備されてる言うことは…ギルド管理局になんらかの敵対勢力が居たという事だ。
「ならどうするのよ? リリ、大得意な魔法がないならそこで終わるの?」
「あんたね、挑発するのは勝手だけどもう少しまともな言い方ないわけ?」
「あはは…」
「全くもう…その武器借りるわよ」
「あ、こら…」
「後で返すから今だけ貸して」
「たはぁー、しょうがないなぁ…」
リュウカの神器を抜き取り、リリは真剣な表情で機体に向かってこう言い放つ。
「幾千の地と天、広大な空に射す日差し。生命宿りし戦果の火種ーーー。いざ、光を放ち邪悪な罪人を払わん!!」
リリはゆっくりと剣を天に翳しす、強い光と青白い光が交互に揺らめく刀身。
リリはゆっくりと構えてこう強く言い放つ。
「全てを光に焼き尽くせーーー陽光殲滅魔煌剣!!」
その一振は、前方域を強い閃光と激しい光の爆発が起きた。
リュウカは目をぱちくりさせていた、それは魔法と斬撃を組みあわせた一撃である。
衝撃波まではリュウカが出来ても、それ以上は出来ない。
ある意味これは凄いと思えた瞬間だった。




