行動と訓練
人型の魔物が地上に現れる前に、戦える戦力を増やす為にルミとリュウカ達は…学園外特殊訓練の一環として生徒達を広い草原へと集めた。
「ギルド管理局から緊急クエストの発令、それによって生徒全員で人型魔物と戦います」
「え? 実戦経験ないのですが教官」
そういったリリの言葉にリュウカはこう答える。
「だからこそ特別訓練なのよ。戦う備えいずれにしろ…君らはギルドの所属やら、この世界の職業に就職するわけだから戦い無しで平和な世界はないと思いなさい」
リリは言葉をなくしたら今度は、ルミの生徒が口を開く
「ちょっと待ってくれ先生!」
「なによ?」
「この都市の下に何故そのような存在がいるんですか?」
「そうよ。…世界を滅ぼす存在には手段がないのよ、貴方達だって大切な人が目の前に死にかけたらどうする? 助けるでしょ、それと同じよ」
「だとしたら僕の貴族兵士団を動かします、ギルド達だけじゃ足りなーーー」
「待ちなさい」
その言葉に待ったを言った少女、それは貴族各位が高い大貴族出身の生徒だ。
美形美人という高嶺の花とは、この少女の事だろう…周りにいる少女の友達も同じだろう。
「一般市民での騒ぎは私達には関係ないはずでは?」
「そうとも言えんだろう? 貴様は、大貴族出身であろうがなかろうが…人の命をやすやすと軽視出来るとは愚の骨頂。何が問題だ? 交易管理局にして令嬢のアルスク・スレイヤー・ツーレスク」
「命をはるのはここにいる愚民、私の盾になればいい話。それだけですわ」
「一般人をなんだと思ってやがる!」
「あらヤダ、ゴミが騒いでますわ」
リュウカとルミは互いに顔を見合わせて、軽く頷き…手を叩いた。
生徒達はリュウカの方へと目を向けたのを確認して、軽く笑みを浮かべて言う。
「なら、馬鹿にしてる大貴族と一般人の模擬をしてもらいましょうかね?」
「「ーーー!?」」
「見下してる奴の強さは、大貴族に傷跡すら付けられないって思ってるんでしょ? なら、やって見なさいよ。本当にそうかどうかは、やって見なきゃ分からない…それに今まで逃げてろくに戦ってない奴と戦って足掻く人の強さを知りたいでしょ?」
リュウカの言葉に…アルクスは軽く鼻で笑いこう答える。
「やれるもんならやってみなさいよ、所詮底辺止まりの雑魚。せいぜい死なないでよ?」
挑発に乗ったアルクスは、校庭の中央に立つ。
その目の前に一般人出身の生徒が立ち、一列に並んだ…リュウカは左右の列の真ん中に立ちこういった。
「団体ではやらない、あくまでも個人戦。もし誰か一人でも死にかけたら即そのチームは負け。もちろんルール的には、不利な戦いは認められない。
つまり代表者三名でそれぞれ戦って貰います、それでは各自相談の上で三名決めなさい」
一般人は話からして即決で、ソラとルックスとメルスで貴族側はやはりやや時間かかり有名剣技一家の三名である。
まずソラと有名剣技一人、風化一刀流と呼ばれる風魔法と物理を扱う少女ルナ・マリクス。
素早い攻撃と持つ武器に削ぎ合わない重い一撃を放つのが特徴で、学園では十位の強さである。
「リュウカの生徒凄いね、どれも強いし大貴族に名を恥じない。強敵同士にしか見えない」
「いや、直ぐに終わる戦いかな」
「え? 何か確証でもあるの?」
「まぁ見てなよ、私が教えた子だからね」
互いの武器を、ゆっくりと抜き取り…合図がである笛が鳴り響いた瞬間だった。
ソラが地面に思いっきり大剣を振り落とし、砂煙をまきあげた。
「目くらましのつもりかしら?」
当然風魔法で砂煙を消し飛ばすと、ソラが目の前にはおらず…ルナが周りを見渡す。
「どこに逃げましたの!?」
「ここだよ」
ソラはルナの背後に回っていた、ルナは驚き後方に飛んだ。
「私の後ろに立たないでもらいたいの!ってーーー貴方…大剣はどこですの?」
ソラはゆっくりと指を空に指し示した。
ゆっくりと後ろをむくルナ、重低音を馳せて大回転しながら降下してくるソラの大剣。
そのままズドンって、ルナの顔スレスレ通り過ぎて刺さった。
ルナは力なくゆっくりと地べたに尻もちを付いた。
「ルナの戦意消失により勝者ソラ」
審判がそう伝えると、一般人は歓喜の声を上げた。
「凄い…。大剣は不利なリスクがある分、投げ飛ばして視線を欺くやり方…こんな戦い方あるんだ」
「ソラの大剣は重い分、それを手放すと素早い動きが出来る。それもアサシン並の動きだから、気配すら感じなくなるし…大剣が空にある事で万が一攻撃がハズレでも不意打ちで当たる様にしたのよ」
「さすが、そんな考えが思いつくのはリュウカらしいわね。でも、次の相手は…そうもいかない。私の生徒と相手側の武器は互いに銃剣、一体化はリュウカの生徒だけど私のは剣と銃が別々に左右に持つ。こちら側がかなり不利な状況ね…」
「…どうだろう。私教えてないから強さなんて分からない」
「なるほど、貴族だけあるね。他者の戦い方は無価値って感じかしらね」
「多分ね…勝敗はどちらに上がるかは不明だけど」
第二戦ルミが教えていた少年ルックスだ、彼の出身は一般だが実際は貴族。
だが何故だろう…二人とも同じフォーム。
構えは似たり寄ったりしてる、これは…ただのまぐれかしら…?
ルミは静かにそう思い、両者は校庭に立つ。
両学園の生徒達は生唾を飲んで見守る中、こんな言葉を内心思い描く。
この戦いで両者は何を得るのか見ものだーーー。っと一般人出身は思い、貴族たちはまた違った言葉を思う。
姉弟対決はどちらが勝つのか分からないーーー。っと思った。
緊張感だけが走るこの二人の戦いに、審判のリュウカさえ生唾をごくりと飲んだ。
「……まさか貴方が、私と戦うなんて。一体どうゆう心境の変わりでしょうか?」
「ふん、ただの戯言よ。俺はあんた達の考えについていけないだから出世して、一般人として俺は学校へと入学した。それだけだ」
「実の姉に歯向かうとは、少しは成長したようねルックス」
「いつまでも、貴様の様にただ己のみを任せるような存在じゃない。勝たせてもらうぞ姉上」
リュウカは開始の合図である笛を鳴らしたーー。




