新大都市・ミスリルタウン
旧大都市は、人がまず住めない環境だった。
それもそのはず、旧女神教団の組織が作り上げた「禁忌項目」と呼ばれる書に記載されていた。
この書は、異世界に必要な要素を書き込むことによりそれが実在する内容となる。
つまり、封じたのは教団の人達となり、世界レベルを作ったのがルミナス・フユーゲルとなる。
なぜこのようなものが発見されたのかは、理由すら検討がつかない。
それを教えたのは、ガルクであり…何やら意味ありげな表情をしていたのは事実である。
まぁ私がそれを知ったのは、ほんの数週間前の出来事だった―――。
旧都市が人界の発展で人が住み着いて、それから数日後に発見された遺跡。
その内部はなんもなくただ広い空間に、ただ一冊の本が飾られていた。
その本は何らかの祭壇があって、なんであるのかは不透明である。
その遺跡の意味すら分からないがその場所にはある刀が一本突き刺さっていた。
もちろん劣化により古く錆もある、ルミナスフユーゲルが置いていった物にしては…異様。
だとすればそれより前から存在していたと思われる、でも結局は意味がわからないままその本は放置された。
リュウカは異世界転生して、あの戦いから二年の月日が経ったこの世界にまだ知らぬ事実があると推測はできた。
けど…リリナが最後に守ったのは異世界、いや、女神世界も含めた、「全て」だった。
誇りに思う以外、考える点がなかったが…。
リリナが望んだ世界とは、違くなりつつあるのは確かだ。
別の問題が浮上、人界が出来たのが基礎盤だろう
そっからの問題は、やはり貴族と市民の平等がない不公平な世界。
話をあげるならまず一つ目が種族と人界である、生命が宿り双方の世界ができあがり、北側の山岳地帯から向こう側は種族領域である。
オーク、ゴブリンが主な種族領域、その境目は人界と種族の争いが勃発している。
リリナが築いた世界平和は、この数年で崩れようとしていた。
二つ目は、大貴族連合。
人界に四つの都市を作り、五つの大貴族が傘下として政治を執り行ってる。
立場が上だとか、下だとかそんな物を区別付けるので一般市民では貴族を「上級国民」と呼び、貴族は一般市民を「下民国民」と呼び双方は称してる。中には底辺と言いバカにするやつも。
勿論、睨み合いが無いわけじゃない、たまに起きる貴族が率いる憲兵と一般市民出身が多数の聖騎士団の衝突で、無関係の人々が沢山命を散らしている。
望んだ異世界とはこんなものなのかは定かではないが、命が芽吹く異世界だからこそ、こうなったのかと思えた。
そんな世界情勢で、私はギルド管理局に訪れてルミが言うクエストを受注したのだがーーー。
「え? 教官?」
「はい、我が学園にどうかと」
「ホントにクエスト依頼なのかしら?」
「ギルド管理局に依頼した正当なクエストですよ」
「ひぇ…」
私は、何故か教官としてクエストを受注していた、いや、なんでこうなったのかというと。
ルミの手違いである、討伐クエストを職業求人クエストと間違えたのだった。
そもそも、私は職業なんてない普通の剣士みたいな感じだったのに、何故に教官に転職する流れになり許せねぇっと込み上げてくる怒りを、飲み込んでここに来た感じである。
ただまぁ、受け入れる以外ないのか…。
理不尽な形ながら、教官として学園へと踏み入れたのだが…。
「女子専門付属魔法学園」っと書かれている看板を見て口が大きく開くレベルのポカーンである。
これが唖然と言うのならば、衝撃とはこれよりも上なのだろう。
「……」
「どうしました?」
「え? いや、な、なんで女子学園!?」
「変なこと言いますね、貴方女の子でしょ? それに間迎えにある共学とは、正当性な真面目ですからね」
そ、そういえば私は元男だったのは忘れていた。
あの戦いから数年後、平和ボケしていて女の子を受け入れていた…!
なんでこうも…花園の世界を見る訳だが…なんも出来ないステイが…立ちはばかるんだ!?
「…あの」
「はい?」
「鼻血出てますよ、両鼻から」
「いえ、心配なさらず…」
「…?」
さてと、教官としてビシバシと…ふっふっふ。
とか煩悩を働かせていた私は、それを破壊させる出来事が起きる。
目の前から、青白いビームが飛んでくる。
そのまま、先生と私の間に約20メートルの幅をすり抜けて行った。
「……え?」
「はぁ…アスタク・リリの仕業ね。早く行かないと消し飛ぶわ」
え? なに?? なんで平然にそう行こうとか言えるわけ!? なれてるからなのか!? え? 私の状況想像とは段違いだけど!?
門を潜り、生徒達は校庭で実施訓練を受けていたみたいだが…何やらいがみ合っている。
近くに行くほど生徒が着てる服が見えてくる。女子しかいない学校だけあり、白い制服に腰にリボン結びされた紐と手袖とスカートの淵に黒い線が入ったシンプルな服だ。
「あんたが先に手を出したでしょ?!」
「ふん、所詮下民国民風勢。何がなんと言おうと罪を被せるつもりかしらね?」
「なんですって!?」
双方が閃光放ってる所で、先生が割ってはいる。
「喧嘩はやめなさい」
「ふん、誰かと思えば一般市民教師か」
「口が過ぎるわよアスタク・リリ」
「本当の事でしょう? 所詮私よりも力がないのでしょ? ほら、なんもいいーーー」
リリの煽り笑いに私は少し苛立った、その子の肩を掴み言う。
「ねぇねぇ…そんなに強いって言ってもいいの?」
「誰よ?」
「たまたまクエストとして来た物だよ、あんまり自意識過剰な発言控えた方がいいよ」
「…ふーん、ならあんた私の相手してみなよ」
「いいよ、一般市民でもあれば、冒険家って言う? 最下職だからね。私が勝ったら一般側と同じ様になって貰う。君が勝てば、私はギルドクエストを破棄する」
冒険家って聞いて、ザワザワとする貴族側の生徒
「最下位職」は即ち「最弱」っと認識してるからだ。
もちろん、その提案に追加するのはお約束の様にリリは言う。
「それだけじゃ足りない」
「……」
「あんたを牢獄に入れる、逆らったからね」
「リリ!」
「先生は黙って貰えないかな、所詮…なんも出来ないで終わるのですから!」




