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自堕落女神の選別で異世界転生した俺はロリにTS転生して滅んだ異世界をスローな探索ライフを始めました  作者: 速水すい
二章第二節 異世界決戦篇

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永き戦いの決着

リュウカの懸命の蘇生が続く、ユートピアとレイナは汗を流しながら治癒魔法をかけ続ける。



「脈は?」

「戻ってるけど、目を覚まさない」

「傷は塞がってるし、あと何が足りないんだろう?」

「愛とか?」

「え!?」

「こんな危ない状態で寝てるわけだしね…ふふふ」

「危ない目をしないのレイナ、それで…神器手放さいの?」



解こうとしても握った力があまりにも強く、解けそうにもない。

ギリギリと強い力で握られており、並大抵の力では不可能だ。



「力が強すぎるのよ…何見てるんだろう」

「気になるのは分かるけど、ユートピア治癒しなきゃ」

「そうだよね、よしっ。がんばろっ」



意識を失ってるリュウカが見てる夢ーーー。


それは、転生前の世界であった…。建物的には現代ではなく明治付近だろうか、それぐらい古い時代でリュウカが見てる目線は…あるひとりの侍。

目の前にいるのは、ある剣技をしてる人物…その技は父が扱っていた技である。

技しては確かに振り抜いた、地味な三回転切りだ。



龍牙(りゅうか)今見せた技が、先祖から続く剣技だ。そんな難しくないが…型としては今一つ、その一つの技を極めればまた別の技が生まれる…それが剣技だと思う』



龍牙…? 確かひいじいちゃんの名前だな…。

ん? つまりひいじいちゃんの体なのか今。



家系が武士とは聞いていた、その証拠に…家宝に刀が飾ってある。

実家は山奥の田舎である、母親は「東方剣技」って呼ばれる剣技の使い手で父は伝承された刀使い。

ただいまいち分からないのは、剣技なのに刀なのかって話である。

その疑問は幼少期に聞いたことあるが、答えてはくれなかった。



『今のが原型…?』

『そうだね、俺も違和感はあったけど…自分の物にすれば変わる。()()()()()それが俺のお爺ちゃんが言ってた、その一つの型が…月影(げつえい)

『月影…の型?』

『なんだ知らんのか? 我が一族には…妖を退治したひいおじいさんからの伝承、その一つが月影の型でそれを流派するのが俺達兄弟の務めだ』



兄弟と言うのを聞いて、ひいじいちゃんに兄がいた事を初めて知る。

龍牙の俺が聞きたいことを訊ねる。



『なぁ…月影の型って全部で何個あるんだ?』

『さぁな、今少なくても…伍個はある。ただ伝承されたらそれよりは増えるだろう、この月影の型は誰かを守る為の型らしいから…それがヒントだろうな』



それしか答えてはくれなかったが、何となくわかる気がした。

俺は誰かを死なせる為にこの型が出た訳じゃなく、きっと別の意味であったと。

呪いの力からの、月影の型じゃないと理解した。



『お前もいつか、そんなやつを見つけろ』

『はい』

『さ、見て覚えろ…これが伍の型ーーー』



リュウカは月影の型を壱から伍の型まで覚えた、眠りから覚める時…誰かが呼ぶ声が聞こえた。


「リュウカ!!」

「起きてよ!!」



強く握った刀を持ったまま、ゆっくりと体を起こすリュウカ。

死の淵を見たおかげで、目が多少充血していた。



「戦わなくちゃ…」

「リュウカ…!!」

「みんな、悪いけどこの場所から離れて」

「え? なんで」

「…これ以上犠牲を出すわけに行かない」



そう言い切ると、リュウカは音もなくその姿を消した。

レイナ達は唖然としていた、確かに言ってる意味はわかりるが…引くに弾けない。



「みんなを回復させよう…レイナ!」

「そうだよね…カッコつけるの似合わないからねリュウカ」

「なら僕も行こう…」

「ジャングリラ、その体では…ダメよ」

「ユートピア…大丈夫だよ。少しだけ回復すれば、まだ戦える…!」



ジャングリラは意識を失い、ユートピアが抱きしめる。



「無茶ばかりするんだから…」

「さ、生きてる人は治癒に専念よ。ユートピアって体密着させちゃダメ!!」

「え? このタイミングであれやこれを」

「ダメダメ!! とりあえず重傷者を運んで!!」

「はぁい〜」



風が吹く…リリナとルミナスフユーゲルは、互いに一撃を振るい激しい戦い。

リリナは激しい体力の消耗に、ルミナスフユーゲルは決して揺らがない強さ。

リュウカが現れた瞬間、リリナの腹部にはルミナスフユーゲルの腕が貫かれ…ルミナスフユーゲルの首に刃が突き刺さる。



「まだ死なないのか」

「そりゃ…あんたを倒すまでは…!」

「なら、この剣で貫こうか」



ルミナスフユーゲルの右手から、剣がが振り抜かれるがリリナが右手で抑える。



「…死に損ないめが」


リリナは口から血を吐き、気力ある限り腕を離さなかった。



う、動かん…!


そう驚くルミナスフユーゲルに、リリナはニコッと笑みを浮かべる。



「さ、私の切り札が来たわ…」

「また蘇るのか…死んでもなお俺を殺すのか」

「えぇ…ただ、()()()()()()()()()()()()()()()

「……時間稼ぎか今まで」

「あたりよ…そうでもしなきゃ、完成できてないだろうからね」



リュウカはルミナスフユーゲルの腕を切り裂く、そのまま回転して技を放つ。



「月影の壱の型・夜桜旋風(よざくらせんぷう)


黒き剣閃がルミナスフユーゲルを切り裂き飛ばした、リュウカは地面を蹴飛ばして更に間合いを詰め寄る。



「ーーー!!」

「月影の弐型・影討ち一閃」


リュウカが見えなくなり、通り過ぎ様に腹部に一撃が入るルミナスフユーゲルは更に加速して吹き飛ばされる。


「ぬう…速すぎて見えない…。なんだあの技…」

「月影の型さ」

「ーーー!!?」

「誰かを守る為の型、それを俺は使える」

「所詮、ただの斬撃だろう。俺にいくら斬撃与えたところで無意味だ」

「さぁどうだろうね」


ルミナスフユーゲルが後ろを振り向き、剣を振り抜くが華麗に躱されてしゃがみこみから技を放つ。



「月影参の型・月影昇天」



楕円を描くリュウカの斬撃は、ルミナスフユーゲルを上空へと吹き飛ばした。

虚空に舞い上がるルミナスフユーゲルは、六本の腕を使いリュウカへと飛ばした。



「月影の肆型・突影五連」


素早い突きが上空に飛ぶルミナスフユーゲルを、糸を縫うように穿つ。

六本の腕は見事に切り刻まれ、リュウカはルミナスフユーゲルの背後に周る。


「月影の伍型・月面落とし」



ルミナスフユーゲルは、地面に向かって叩きつけられた。

リュウカは息をゆっくりと吸い込み、吐いて呪いの力を引き出す。



「月影の陸型・黒雷衝撃波」


飛び降りていくリュウカ、ルミナスフユーゲルの背中に切り込み爆発させた。

ルミナスフユーゲルは劣勢になっていたが、切られた分だけ体が大きくなる。



それだけじゃない、神器の刃が欠けた。

跳ね返したわけじゃない、これは硬い皮膚を切ったことに起きる。

月面落としでそうなったに違いない…。




「斬撃を吸収した俺の前では、無意味な攻撃だ」

「ーーーッ。月影の漆型・水月幻影」


相手に幻を見せる技ーーー自らの防御する剣技でもあるこの技だが…ルミナスフユーゲルには効果はなく、神器を拳で砕かれ吹き飛ばされる。



「ぐふっ…! 体制をーー!!?」

「遅いな」


回避遅れたリュウカの頭を鷲掴みするルミナスフユーゲル、メキメキと音を鳴らす。



「所詮雑魚は雑魚だ、目障りなんだよ…馬鹿の一つ覚え見たく勝てると思って振るう武器。そんなもんは神に等しいチートには叶わない」

「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」

「苦しいだろう? ならもっと苦痛を与えてやる、さぁ喚け!泣き叫べ!!冥土の手土産にしてやる!」



血飛沫が跳ねる、ルミナスフユーゲルの高揚感がMAXを示す満面な笑みだ。

だが、その血は…リュウカからの物ではなく。

ルミナスフユーゲルの首が切り裂かれた、出血からの血である。


「それは願い下げよ、私…まだ負けちゃいない」


ルミナスフユーゲルからの手の隙間から、リュウカは強い睨みをしていた。

静かなる怒り、その言葉通りである。



「……!」

「でけぇ手をいつまで私の顔を掴むのよ」



リュウカはルミナスフユーゲルの顔を蹴飛ばして、握られた手の力が緩み地面に落とされる。

リリナの持っていた剣、白星(はくせい)の剣呼ばれてる武器だ。その刀身は神々しいく、白銀の剣で…全てを切り裂くと言われていた…まさに白星の剣と呼ばれてるだけある。

上手い具合にリリナの剣が、ルミナスフユーゲルの首にくい込んだままだった。

剣を手に持ち軽く振り抜いたら、ルミナスフユーゲルの首が切れたって話になる。



「ぐっ…首を切ったところでも変わらぬ結果だ、さぁ諦めろ…」

「無理な話をするな」

「………まだ足掻くか」

「何度だって、諦めないわよ。それが、人々の願いだからね」



リリナの剣を右手にもつリュウカ、魔力を集中させると…黒いオーラと白いオーラが吹き上がる。

リュウカの髪の毛が半分黒く、半分白く染まり右目が赤く左目が青く染る。



「…二色に染る? そんな話は聞いたことないな」

「でしょうね、半分は影の力半分は月の力…それが呪いの力と呼ばれてる()()()よ」

「言ってる意味がわからんな、だが…貴様を倒せば済む話だ」



ルミナスフユーゲルが走って向かってくると、リュウカはこう口にする。



死神の裁き(シャドウサイズ)


ルミナスフユーゲルに巻き付く黒き鎖、リュウカは影で作った大鎌を振り抜く。

ルミナスフユーゲルを切り裂くが、再び身体が大きくなり鎖を引き裂く。


「無意味な攻撃だと言ってるだろう…バカなのか?」

「いや、馬鹿じゃない…あんたが馬鹿だ。今の状態をよく見てみなよ」

「ハッ…そんな話には乗らぬ」


身体がムキムキになっていくルミナスフユーゲル、リュウカの目に写るのは…アカシックレコードが()()()()()()()()()()()姿がそこにある。



体の細胞を活性化させて、敢えて強く見せる…。

だが、実際は…身体が悲鳴をあげている。

その証拠に、体から不気味な音が鳴る…骨を砕いてるような音だ。


「ぐふふ…これだけの力があれば、俺を認めてくれるだろう…なぁリュウカ!!」

「残念だけど、私そんなムキムキな人嫌い」

「な、なんだと…!?」

「ガチガチの体は正直見慣れた光景、胸が揺れる世界が理想郷だ」

「ただの変態じゃないかぁぁぁぁぁーーー!!」


技すら忘れた亡者に、リュウカは呆れ始める。

向かってくるとルミナスフユーゲルを、リュウカは光を放ち剣をゆっくりと翳す。



閃光の魔砲弾(シャインプラスト)


ルミナスフユーゲルの腹部を貫通させるが、勢いが止まらない。

ルミナスフユーゲルは、六本の腕を再生して針を飛ばすがリュウカは回避して切り裂く。


「ははっ…俺はまだやられない…!」

「……」

「強き者と巡り会うために…まだ!」

「傷の回復が遅れ始めてるな、もう限界でしょ」

「限界なんてある訳がない!!」


ルミナスフユーゲルは、リュウカに拳を振り抜くが目の前で切断されてしまう。


「もう後者なんだよ、単直な技ばかり。もう記憶からどんどん消えてる何もかもがね」

「そんなわけがない…認めるもんかーーー」



血ーーーこれは誰の血だ?

ルミナスフユーゲルの記憶に過ぎったのは、自らの手で誰かを殺めていた姿。

どんな表情も、苦痛を浮かべている。


唯一自分を認めた世界が少しずつ崩れ始める、自分が思い描いた世界も…崩れ始める。



やめろ…! やめてくれーーーー!!

そんな声、届くとでも思った?

誰だ!?

やぁ、僕は世界を知り尽くすものアカシックレコードだよ。

世界を…?

そうだよ、大罪おかしたアズマさん…このまま僕と消えようか

ふざけるな!! 俺はまだ死ぬ訳には!!



アカシックレコードの姿がリリカと重なる。

ルミナスフユーゲルは一気に言葉を詰まらせた。

ようやく会いたかった人に会えたからである。



ルミナスフユーゲルの体の傷が治り、白目を向きながら絶叫しながら口にする


死があるのみ(デスハザード)


恐らく全力の力で放った技、至近距離だがリュウカは静かに剣を構えて言い放つ。


「月影の捌型・朧月」



ルミナスフユーゲルの技は、切り裂かれた爆風放ちリュウカはそのまま走る。



そうか…お前が…猛者なんだな…。

チート能力でさえ、屈しない精神。

俺が負けるのも無理ないのか…


「月影の玖型・月影切断(ムーンブレイク)



ルミナスフユーゲルの頭上から、真っ二つに切り裂き黒と白の衝撃波が大地を馳せる。









































ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





































死後ルミナスフユーゲルが見た世界、どことなく見覚えがある一室だ。




『アズマ!!』



そう呼ぶ一人の女性、俺は思い出した…リリカと一緒に過ごした一室だと。

会わせる顔が無いのに、何故こうもリリカは明るいのか不思議だった。

もちろん俺は複雑な気持ちにもなる。


『なぁ…俺は何してたんだ…? 君を失ってから全部投げやりで、認めてくれる人はいなかった』


するとリリカは軽く笑いそして優しい口調でこう言った。


『クスクス…。馬鹿ね…それで散々苦しんで世界まで滅ぼした魔王さん、今更何を言いたいのかしら?』



罪滅ぼしにもならないだろう、俺の目からは雫がこぼれ落ちて謝罪を口にした。



『…済まなかった本当に…ッ』


リリカは起こる様子もなく、変わらず優しい口調でこうルミナスフユーゲルに言った。


『もう、怒ってません。貴方がそばにいてくれるなら私は…それ以外求めないよーーー今までよく頑張ったね、お疲れ様』


その言葉を聞いたルミナスフユーゲルは、泣き崩れた…どれだけ聞きたかった言葉だったのか。

それを優しく抱きしめるリリカ、頭を優しく撫でる。

底へ現れた一人の青年、優しい表情でこう口にする。


『アズマ…ありがとう。俺の名を背負って生きてくれて…君に辛いものを背負わせたね。今度ら一緒に…四人で暮らそう』



俺の気持ちがどんどん救われて、気持ちが軽くなった。



そうか、俺はーーーこの光景を望んでいたのか。

他愛もない暖かい家族、ライバルでもある親友

こんなすぐそこにあるものが、こんな近くにあたったのを…探して認めてくれる優しい人達と居たかっただけなんだ…。


なんでこんな簡単なことに、気づけなかったんだろう…俺。



『ルミナスフユーゲル…。あぁ…そうだなーーーみんなで暮らそう』



アズマは大切な人達と一緒に背中を支えられて、遠い世界へと旅立った。




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