トンネルの先にある物
ぎゃあぎゃあ騒いだ後、リリナは女神マートへと転移魔法で移動した。
生存確認できたからよかったものの、少しばかり違和感を感じていた。
リリナは転移魔法は使えなかったはずである。
いくら過去が改変したからって、そんな魔法扱えるわけがないはずなんだけどな…。
多少の違和感、気にするほどでもなかったのでリュウカはロリ吸血鬼に向いた。
ロリ吸血鬼は、腕を組んでこう発した。
「バイクでここまで来たのじゃろ? ならば、この先へ向かってくれぬか」
言われなくてもそうするつもりだ、っては言いたいが…バイク大破したんだがって言いたいのが本音だ、それを飲み込んで答える。
「行きますとも…」
「テンション低いのう。バイクのハンドルだけ握ってどこに行こうと言うのじゃ?」
「天の彼方の慣れ果てへ」
「頭がいかれておるわい…」
素材がなきゃバイクは作れない、このトンネルには、素材がありそうにもない。
結局は歩いて、この先へと行かなければならない、そう思うと先に行ける気配がしない。
だって、この先何百メートルもある訳だ、壊れたバイクから作れるとしたら―――。
「ママチャリ二台…」
「ん?」
「ママチャリ2台しか作れねぇんだよ!!」
「お主、力説で我に言われても…ひぃっ!?」
リュウカは、迫真並にロリ吸血鬼にリュウカは顔を近づけて言う。
「おたくの、娘様が道路のど真ん中で仁王立ちすよ?? 教育なってない」
「いや…車すら走らないから基本いらない要素では…?」
「いらない? 確かにそうかもしれない、滅んだ異世界だからこそ自由なことが出来る」
「そ、そうじゃろ?」
「だが、断る。理屈は大変なぐらい大筋通ってるが…基本ルールは必要だろうが!!」
「!!?」
「車来ても避けない老人じゃないんだ! 娘様はまだ若いだろうが!!」
「壊せばよいのでは?」
「物理執行なんて、脳筋ゲーで十分! てか、現実的じゃねぇそれ!!」
そんなこんなで、泣き泣き作り上げたママチャリを漕ぐしかないなかった。
それでも、前に進まなきゃ行けなかった。
目指すのはゴール地点、目的地は墓場だ…あれ? なんか趣旨変わってる…。
車体さと言うやつか、漕いでも漕いでも…中々先に進まない。
21インチの車輪と、26インチの車輪は進む距離が段違いだ…よってクローンが速い。
「もうしんどそうですね…」
「まぁね…車体差って憎いや…」
頑張って漕がなきゃ、行けない…これが現実だろうか。
「俺はお前の子かよって思うこれ…」
「周りから見た目はそうですね」
「なぁなぁ、私の代わりに先行って」
「あらやだ、私の子供ならもう少し可愛いわ」
「俺が可愛くないってか?!あぁん!?(迫真)」
「男勝りに育てた覚えないわ」
「ちくしょ―――!!」
「あんまり騒ぐと反響音が響くわ、妹」
「いつからお前の妹になったんだよ!!」
「今この場から、生まれ変わるの(悟り)」
「悟りを開くなよ、何をしたって言うんだ!」
「私を口説いた(棒読み)」
「どっからどう来て、そうなった!? 見知らない人が、ゴミを投げて強面のおっさんに、当たった気分だよ今!?」
「大丈夫、その時は死んだフリよ」
「死んだフリしても、本当に死んじゃうデスだよそのやり方!! てか、クマじゃないだろ!」
「クマじゃなくても、一緒よ、ほら赤い頭巾と金マークが入った奴、アレと同類だと思えば」
「そこじゃねぇよ!! なんで金太郎と同じ扱いになってんだよ!!」
そうこうしてるうちに、トンネルの出口へ付近へ近づいていた。
トンネルの外から強い日差しが差し込んでいた。
「さ、抜けるわよ」
「なんでノリノリなんだよこいつ」
「けとばしてやろうか?」
「すんませんでした!」
二人はその先へとママチャリを漕いて抜け出ると…。
聳え立つ白いビルが一棟、トンネルの先はどうやら…このビルと繋がって居るようだ。
周りカーブが、沢山ありそのまま下に繋がってるのが見ただけでもわかる。
「にしてもなんで裏側がビルの真正面なんだ?」
「さぁ?」
「さぁってなぁ…」
「このトンネルも、橋も、全ては大都市の秘密に関する物。マスターと一度来たのですが、魔導マシンが道を邪魔してるんですよ。ほら、あそこにいるドラゴンみたいな」
指を差し向ける方角には鉄のドラゴンの頭があった、山肌を削った横穴のトンネルの真上である。
明らかに進行不可能な場所で、リュウカは戸惑いながら見上げる。
「……え?」
「大丈夫、あれは飾りよ」
「目が動いてるけど?」
「そうゆうオプションですよ」
「口開いてますけど?」
「「こんにちは初めまして」っていってるんですよ」
「なんか粒子が集まって、淡く青白く光ってるけど?」
「あぁ、あれは粒子高圧電砲を
放とうとしてますね。いやぁ、そこまでオプションがあったとは」
ドウッ!っと言う音がなり、リュウカ達の真ん中をすり抜けて背後て爆発する。
風圧により、クローンとリュウカは左右に転倒した。
「「……」」
恐る恐る後ろを向き、風穴が空いてる先程ママチャリ通った橋に目を点とさせながら二人は前向いて言う。
「これはきっと…」
「あぁ、間違いない…」
「「今流行りの4Dだぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
リュウカ達は車体を持ち上げて、ペダルを強く踏み漕ぎ凄い速さで…通過トンネルへと向かうとしたが…。
飾りとか言っていたドラゴンが動き出して、通過トンネルを塞ぎ橋にズドンっと重低音を鳴らして飛び降りた。
強い風が吹き付けママチャリが減速して止まる。
「ここまで立体じゃなくても良くない?」
「体感過ぎる体感は流行りのMRでいいんだ!」
<こんにちは、アトラクションです>
「…! こいつ喋んの?!」
<アクティぃぃぃぃブナァドラゴンンンンンンンはどうですか?>
「質問の意味がわかんねぇよ」
<あはは…あはあはあはあは…ハァハァハァハァってどう?>
「ちょっとどこの呪文それ?」
「ん…相当バグってるわ」
<イキィィィィィィ↑マスゥン↓ョンンンン>
「もうあれだよ、危ない方に向かってるこいつ」
「マスターこれでキレた」
「あー、解読不可だもんな」
クローンが言うには魔導マシンのドラゴン型、そう言ったのはあのロリ吸血鬼だ。
もうかれこれ五百年メンテナスされてないまま、稼働し続けてるらしいが…。
サビが来たのか、ボルトが一個抜け落ちたのか、定かじゃないが…見て分かるどおりに、白銀のボディは、サビだらけ、しまいには苔生えてる。
「治すにも直せないなこれ」
「ん、難しいのねやっぱり」
<ウファィィァヒャッホイィィィィ―!!>
「通らせてもらうか…」
「だね」
<通るる? いかせなぁぁぁぁい>
ドラゴンは、ひれ伏せトンネル通過をさせないように、邪魔をする。
「無茶苦茶だなこいつ…」
<カェルェナ?!1569737642~二ァァァァァ>
「方法があるとすれば、橋から飛び降るしか」
「早まっちゃいけねぇよ、まだ死にたくねぇからな!」
「ならどうするのよ?」
しばらく考えて、ドラゴンを見上げると…。
なにやら空けられそうな取っ手がひとつある。
リュウカは無言でドラゴンの近くまで行き、その取っ手に触れて引く。
「開けてびっくり玉手箱」
「…これどーすんの?」
中から出てきたのは…ブランカンテレビに接続されているファミコンだった。
なんかのゲームソフトで、ド〇クエぽいBGM。
「レトゲーじゃん」
「うん」
「なんでドラゴンの内部に、ファミコンあるんだよ? しかもソフトは初代のド〇クエじゃんか!!」
「勇者の剣見つかんなくて、彷徨ってた?」
「いや、わかんねぇよ」
「このノートは?」
「黒歴史ノート…。これを読めばわかるか…」




