自堕落女神の誕生
『さて、ルミの女神部屋に転送されたけど…。調べなきゃね』
神父に「やる気」を預けられて、女神部屋に転送されたリリナは、本棚にある本を手に取り片っ端から読み始めた。
リリナ―――お前そうしてまで、奴を倒す事に計画していたのか…?
リュウカは、開いていた手を軽く拳を作った。
その意味は、なぜ気づけなかったのかっと言う後悔論が頭に過ぎっていた。
ただ本を読んでいるリリナを眺めながら、スプライタにリュウカは訊ねた。
「なぁ、大天使が消えたらどうなる?」
スプライタは、静かにゆっくりとした声で答える。
「大天使は、異世界からしたら脅威。女神からしたら、間違ってる大天使を止められるのなら―――喜ぶかな」
「間違ってる大天使…一体なんの罪を?」
「大天使のクーデターですよ、それに女神と対立もしたんですが…結局なところは大天使の配下となってしまいましたが、あの戦いも色々と変なんですよね…。大天使なら普通、女神の人達と交友がありましたけど…そのルミナス・フユーゲルがからわれてからは、争いが多くなりましたね」
「要するにめちゃくちゃにしたのか」
「はい、異世界でも大天使の世界でも…許し難い存在です」
リュウカは静かに考えながら、流れる体験を感じながら考える。
恐らくリリナがやってるのは間違いじゃない、なら俺はなぜ迷う…?
何に対して、そう抱くのか…俺には分からないけどーーー答えは決まっていたんだ―――
――救いたいのがあるのなら――
――その手にある、武器に誓い――
――大天使を止める為に戦う事を――
――リリナがそう願い、ルミも願い――
――異世界転生としてリュウカを呼び――
――大天使と大戦を仕掛ける為の足風――
――それが、リリナの計画だったのなら――
――避けては通れない戦いになるのか―――
そう思えて考えられるのが、妥当だろう。
ただ、リリナは半分は計画で半分は会いたいと言う気持ちで呼んだわけだ。
でも、まぁ…不思議なのは…悲しい記憶がない事だな。
おかしいよなぁ、足指の角ぶつけると涙出るぐらい痛いのに、それは覚えてるんだけど…ふざけてんのか!? って思っちまう
リリナは読み漁りして一ヶ月過ぎたある日、ある本に手を付けた、禁忌目録と言う書である。
その本には、禁断魔法がおよそ百項目存在していてチート並の魔法が、ぞろぞろと書かれていた。
その中で見つけたのが、記憶消去と言うスキルである。
どうやら、リリナは「強制転生魔法」と間違えて覚えてしまった。
「リリナ…まさか…?」
リリナはその魔法を、唱えてしまう―――。
泣いて落ち込んでいた、龍太は嘘のようになんで泣いていたのか分からなくなってしい、目から零れた涙を手で拭っていた。
「う、嘘だろ…あの時の悲しみが分からなかったのが…お前かよリリナ」
「ドジ並に違うのを覚える…それは変わらずで
は?」
「ま、まぁそうだけど…」
リリナもまた、何かを忘れてる顔を浮かべていたが、気にせずに本を読み漁る。
「リリナの手違いで、龍太さんが喜ぶべき人が目の前にいたのに、リリナも同様の効果が反映してしまったから、互い他人同士みたいな感じで、出会ったのですよ」
スプライタは、声のトーンを少しだけ下げてそう言った。
しばらく、追尾体験の映像を眺めてると…強く赤く光る一冊の本が見つかる。
それをリリナが、手に取り眺める―――
クリスタルの薄い板みたいな本は、赤い光を放っている、その本に人差し指をそっと触れた瞬間…強い光が解き放たれた。
ふわふわと中に浮いている一人の少年みたいな子
赤いの毛と毛先が青く、左右の目が違い右目が炎が燃えている様な赤で左目が深海のように深い青で、服装は赤の青のチェック柄の上着に、白い1枚のTシャツと、黒い半ズボンと靴を履いた子。
『ふぁ…誰…僕を読んだ人は…?』
そんな少年が現れたので、驚いてしまうのも、無理はなくリリナは、目を点として見上げながら言う。
『え…? 少年が空中に…? なんで…』
『少年…あぁ、僕の事か…。うん、ちがうよ?』
『え? 見た目からして…男の子でしょ?』
『ちがうよ? 女の子だよ』
『……』
『なに疑いみたいな眼差しで見るの…。胸ないけどあるんだからね!』
『おぉ…同士よ!』
リリナは少女と握手を交わす。
少女は、ニッと笑みをしてこういった。
『僕の名前はアカシックレコード、銀河の生まれて、世界を誕生も知る。言わば知らない歴史なんてない超人とは、まさに僕の事』
『まな板だけあるわ』
『うるさい! なんでまな板が関係してくるのよ!?』
『本だから』
『うるさい! そんなぺったんこじゃないわよ!』
『大丈夫信じてる』
『絶対信じてない声だよ!!』
微かなやり取りをしたリリナ、少女はふてぶてとした顔で頬をふくらませた。
リリナは少女の発言を思い返して、ある事をアカシックレコードに訊ねた。
『ねぇ? ルミナス・フユーゲルって人わかる?』
アカシックレコードは、腕を組んで静かに頷いてから、人差し指をリリナの額にゆっくりと置き答える。
『その情報が知りたいなら、情報を頭に流してあげるよ』
『いや、なんとなく誰だかは分かるのよ。それが当たってるかなんだよね』
『まー、いいから僕に任せてーーー』
淡い光が、リリナの額で僅かに光る。
すると、凄まじい量の情報がリリナの脳内に、流れ込んできた。
『脳で受理できる範囲で、情報を君に与えたけど…なにかわかった?』
リリナは冷や汗を頬から流して、床にポタっと落ちる。
そして、アカシックレコードはリリナの顔を覗くと…動揺していた表情を浮かべていた。
そのリリナの動揺は尋常なものでは無い、冷や汗がかなりに滲み出て、息が少し荒い。
『うそ…やっぱり…そうなんだ…!』
『え?』
『……ここで出会うなんて、生かしておけない』
そこでスプライタは、リュウカの目の前にゆっくりと立ちこういった。
「リリナさんが送り込まれていた、情報…気になりませんか?」
突然訊ねられた、リュウカは意義なんてなく
反論する意味もないので、こう答えた。
「知りたい。なんであんな動揺していたのか、知る権利はあるはず」
スプライタは「了解しました」っと答えて、アカシックレコードがした同様に、リュウカの額に人差し指を置き淡い光を放つ。
ここは…?
『龍太さん聞こえますか?』
聞こえるけど、何ここ? 別の惑星に吹き飛ばしたんじゃないだろうな?
『それはないです、これがアカシックレコードが見せた…ルミナス・フユーゲルの過去です』
となると、察しが大体ついてくる…ここはリリナの住んでいた現代世界だな。
ある風景、街から離れた小さな白い一軒家、薄い曇り空で、周りの隣人の家などが立ち並ぶ。
外国でよく見る建造物に、少しばかり似ている。
ここが、リリナの家…意外とアウトドアだな。
その直後、パンッパンッと二発の銃声が鳴り響いた、ここで外の映像からリリナが住んでいた家の内部と変わる。
リリナの両親が何者かに殺されている姿である、父は床に、母は壁に背もたれして絶命ていた。
右手に黒い拳銃を光らせる、黒い毛の色をした男性、秋と言うのに黒いロングコートに黒いブーツと黒ずくめの服装である。
『…金はどこなんだ?』
『え?』
『…誰だおめぇ?』
リリナは、ちょうどその事件現場となる自宅に帰宅した時だった。
『うそっ…なんで!? お母さん、お父さん!!』
『うるせぇガキだな、こいつらの子かよ』
胸から取り出したのは、血で染った赤いナイフ
右手の拳銃を投げ捨てた、二発しか用意してなかったからである。
リリナに向けて走ってくる、狂った表情と冷酷な冷たい眼差しで間合いを詰寄る。
『い、いやぁぁぁぁぁーーー!!』
パリィンッーーー!!
窓ガラスを突き破り、1人の警官が中に飛び込んでくる。
『チッ…!』
『今度こそ逃がさん! ルミナス!!』
『よりによって…! 』
『まて! 逃げるなら撃つ!!』
一上着にに潜めた拳銃を引き抜き、瞬時に犯人に銃口を向けて発砲。
『ぐあっ!!』
軽い鉄音が鳴り響き、ルミナスの背中から心臓を狙い抜きゆっくりと、リリナの目の前で倒れた。
『…命拾いしたな…!』
『……』
『ルミナス・アーク、貴様を逮捕する!』
その犯人の顔をよく見ると、ルミナス・フユーゲルと似ているのである。
ルミナスはこの数日後、死刑囚となりこの世を去った、最悪殺人っと世界では有名だった。
リュウカはこの記憶を見て静かに思う。
つまり、リリナからしたら…両親殺された復讐も兼ねてるのか…。
粋過ぎてやばいなぁ、そんな過去があったのか。
そして、リリナが日本へ来た理由は…両親のどちらかが日本人で、爺さんと婆さんに引き取られたのだろう。
リリナの来ているセーラ服を見る限り、龍太と出会う二年ほど前の話になるだろう。
やがて視界が再び映し出され、目の前にはスプライタの姿があった。
「おかえりなさい、分かりましたか?」
「わかったし、なんつー話だなこれ。ほんと語彙力すら無くなる」
その後、流れる追尾体験の映像は…アカシックレコードと共に『強制異世界転生』させる魔法を作り出して編み出した。
そっから先は、ご存知第一話と繋がる内容で、スプライタは指を鳴らした。
周りの風景が一転して、周りが薄暗くなる。
木の椅子と木の机が目の前にあった。
スプライタは長い木の杖を右手に持ち、座っているリュウカと木のテーブルを挟んだ先に立っていた。
あ、あれ…? 俺座ってたっけ…?
しかも、女神も何気に女神仕様になってるし…な、なんだこれ…?!
驚くリュウカにスプライタは、こう言ったのだった。
「最初から座ってました、追尾体験は精神に直接繋げてますので…驚くのも無理ありませんね」
プチ解説
ルミナス・フユーゲルの過去が明かされました
リリナの計画はすばり、復讐も兼ねてるのです
世界最悪犯ルミナス・アークは異世界転生してしまい、異世界と神の世界をめちゃくちゃにした…滅ぼした一人って言われてる理由となります
ボスと言ってもいいでしょう、彼の力は…とんでもないので、その時はまた説明します




