鮮血の記憶
ここはどこだ―――?
見上げた空は飛行機雲が、青く塗られたキャンパスの様に青く、その青さに白い線が引かれる。
そんな場所に、自分が立っていた
どこから見ても、懐かしい風景。
あれここもしかして…。
嫌でも鮮明に焼きついていた、見覚えがある街並みは、転生する前の世界だった。
もちろん俺も、男の姿で転生前の黒い髪に長袖の学ランを着ている格好だった。
なんで転生前に戻ってるんだ?
木々が路頭に立ち並んでおり、夏の蝉がミーンミーンっと鳴く。
リュウカは、顎に手を添えて考える。
確かに俺が住んでいた世界だ。
でも変だな、人や住人が―――。
視線をゆっくりと、道路側に向けた
見覚えがある後ろ姿に、金髪少女が隣にいて何やら楽しそうに会話をしている。
間違いなく俺だあの後ろ姿、金髪少女と付き合ってる感じだけど…陰キャの俺なのかマジで?
半信半疑でもある、理由は自分的にもなんか違う気がするからだ。
信号機待ちで、赤から青に切り替わった。
青になったな、横断歩道あるけどな。
その2人は、横断歩道を歩く姿を、あとを付けるように俺も歩いた。
ギュァァァァァーーー!!
一台の青い車が、ドリフト如く華麗にハンドルを切っていた。
前方にはあの二人組が、まだ横歩道の中間付近である。
お、おいおいーーー!!?
二人は幸せそうに歩いている、龍太は急いで走り手を掴もうとしたのだが。
―――掴めないっ!?
掴むにも、掴めない…それどころが《《リュウカをすり抜けて》》歩く2人。
そのまま、青い車は―――二人を轢いた。
煩く鳴く蝉の声と、衝突音が空回った。
………
黒いアスファルトは、赤い血溜まりを作り
青い車はそのまま、目の前から来たトラックに正面衝突して大きな衝突音を鳴らし大破した。
な、なんなんだよこれ―――っ!?
この光景を見て、リュウカは頭痛が起きる。
どこかで見たことがある記憶、薄れては波打つ…それはまるでアナログのブランカーテレビの残像や砂嵐に近いものだ。
今いる場所が映像が切り替わる―――。
次に立っていたのは、事故後の学校の教室。
ずーっと下を向いていて、先生からの問いかけにも反応すらしない。
まるで、何かの魂が引き抜かれて、ただ規則に従うだけの体が机と椅子に座ってるだけである。
『龍太…彼女失って気持ちわかかるけど、今は授業中―――』
龍太はガタッと席を立ちがあり、先生の胸ぐらを掴んで怒声で言い叫んだ。
『なにが授業だ! 物事を考えちゃいけないなんて、誰が決めたんだよ!! 仮にもあんた、先生だろ!? なんで平気でそんな口を叩けるんだよ!!』
こうなるのも無理がない、好きだった人を失い、遺体が見つからず行方不明。
気が気でなくなり、正気で保つなんて百あってもゼロに等しいぐらい心は荒れてる。
自分だけが、全治二ヶ月の大怪我だけで、代わりに彼女の方は龍太を庇うように轢かれた…。
生きている方が、おかしいと考えが妥当。
だが龍太は彼女の死を認めなかった。
眼前で失うのを見たら、限りなく考えたくない話である。
そうした、精神が不安定な状態で、授業に集中ができるはずもなければ、気持ち的に苛立ち向ける矛先は、他愛もない発言へと向いていたのだ。
クラスメイトは、ただただ唖然として龍太を眺めた、先生は龍太の手を掴んで言う。
『考えるなとは言わない、行方不明って話…限りなくゼロじゃない。それだけでも少しは―――』
龍太は机を掌で強くパンッ!!っと叩いた。
クラスメイトは、血の気を引いた顔になり、教室の空気感は、絶頂のカオス感が流れる。
『人の気持ちなんて、百パーセント理解できないんです先生。善人気取りはやめてくれ』
そう言って、龍太は机の脇にあるカバンを手に取り教室からドアに触れた。
『まてっ!』っと言う先生の声に、耳を貸さずただ睨んで教室を後にした。
俺は…一体何を見せられてるんだ…?
「貴方の記憶ですよ」っと背後から声が飛んだ
後ろを振り向くと、深みど色の髪の毛で長い三つ編みが特徴的でアホ毛が一本立っており、見た目からしてかなりフリーな服装を着ている少女の姿がめにとまる。。
「…お前は―――?」
「私は異世界側の《《女神》》です。名はスプライタ、お待ちしてましたよ転生者龍太さん」
「俺の名を…。え、まて…俺死んだの?」
「まぁ、大天使に無謀にも追い掛けたわけですからね。リリナの粛清代わりに、龍太さんが粛清されましたわ…まぁ触った場所も悪かったわけですからね」
「うん? 光が強かったからわかんなかったけど」
「でしょうね、因みに大天使の胸を揉んでしりを撫でるように触ったらしいですよ。それも抱きついてだとか。死に方は首を跳ねられましたわ」
ふむ、そんな感触あったかな?
ただ走ってだからよく分からないけど。
ん―、残念な気分だ
…首を跳ねられた? んなわけあるか。
今こうして繋がってるぞ、首よ!
スプライタは、歩きながら今の状態をこう説明する。
「龍太さんは、過去に一回大切な人を失ってました。その時の記憶を女神はこう呼んでるんです。「鮮血の記憶」と呼んでます」
スプライタは、淡々とした口調で説明を続ける。
「鮮血の記憶は主に、記憶として保存したくない記憶で、龍太さんはその大切な記憶を、鮮血の記憶として書き換えられたのです。今見てるのは、龍太さん本人の転生前の龍太さんの、鮮血の記憶を追憶形式で体験してます」
リュウカは少しばかり疑問を抱く
忘れさせられたと言う言葉であった。
それはまるで、誰かに消されたような言い口である。
誰かの手によって、俺の記憶が消された…。
誰が、一体、何のために―――?
リュウカはしばらく考えて、ある疑問を抱いてスプライタに訊ねた。
「なぁ、俺の記憶だろこれ?」
「はい、龍太様の記憶になります」
「誰が、俺の記憶を消した?」
スプライタはゆっくりとした口取りでこう答えた。
「自堕落女神こと、リリナですよ―――」
その名前を聞いて、さすがに衝撃を受けない訳には行かなかったリュウカ。
『利用されたんですよ』と言うルミ。
『記憶を消したのはリリナ』と言うスプライタ。
正直いって頭が困惑してしまう、何が何だかよく分からない―――。
リュウカはゆっくりと、力が抜けたように床に座って声が低いトーンで言った。
「…もうよくわかんない。リリナは何がしたいのか…俺には…分からない」
プチ解説
龍太の過去に触れてますね、実は1話で書いていた意味深はこの部分を意味してます。
彼女リリナの記憶を消す事により、龍太の苦痛で辛い思いを忘れさせる…それがリリナが選んだ辛い判断です。
リリナが龍太を利用したって感じになりますけど、これはこれで過去話で明かされます。
前回の話でリュウカは首を跳ねれて、死にましたが異世界側の女神がそれに気づいた感じで、このタイミングでその姿を現しました。
少しばかり暗い話になりますが、お付き合いの方をよろしくお願いします




