夜空に咲く大輪の打ち明け花火
ユートピアとリュウカは、二人で洞窟に向かう、作成スキルで作ったつり橋を通って、汽水の上を歩いた。
洞窟の内部に入り、入口付近にあるネスプーンが営業をしてる店まで戻った。
「あ、ユートピア」
「レイナ〜」
二人は、そのまま手を繋ぎルンルンとした足取りで洞窟の外へと出た。
あのノリを見ると、ハイジーとクララがはしゃいでるような姿なんだけど。
それを見た、ペーターは指を加えてるに違いない、「ぐうっ! 女子同士のあの輪に僕が入れないなんて!」とか思ってそうだな。
「さてと、私は帰るわ」
そういったのは、珍しくラグナロクだった
リュウカはん? っと軽く首を傾げて尋ねた。
「なんで? 夜は私のモノよ、とか言って高笑いしてたじゃん」
ラグナロクは、目を閉じて軽くため息を吐きながら答えた。
「いやぁ、私は夏の夜はあんまりダメなんだよね。 ザワザワしてるの好きじゃない」
すると、リリナがラグナロクの後ろから抱きついて、勝ち誇ったような笑みを浮かべながら言う。
「本当は、花火の音が嫌いなんでしょ?」
「なっ!? 何を言うのよ!! わ、私が花火の音なんか―――音なんか…」
ん…? 声のトーンが低くなってる…?
ラグナロクは、涙目になりながらプルプル震えていた、まるで子犬の様に―――。
「リリナ、ラグナロク怯えてるよ?」
「え!? だ、大丈夫?」
周りの視線を集めたリリナ。
リリナは、ラグナロクから離れたが…ラグナロクは涙を指で拭いながら言う。
「うぅ…。そうやってバカにして…」
「リリナ、地雷踏んだな…」
みんなはリリナを、見る目が完全に白い。
リリナは、慌てながら「えっ?! ちょっ…!」っと口にした。
すると、ラグナロクは「ぷっ!」っと吹きそして、ゲラゲラと楽しそうに笑う。
それにつられてみんな笑い出す。
「な、何笑ってんのよ!…まぁいっか」
和やかな空気が流れた所に、ラインハルトが姿を現して口を開く。
「何みんな笑ってんの?」
「我が妹が帰宅したか」
「妹じゃないもん、弟ですよーだ」
「そっか、そっか。ここに、ツナ缶が1つあるんだが、さてどーしようかなぁ―?」
すると、ラインハルトら片膝を着いて言う
「妹です」
「よろしい、コレをさずけよう」
リュウカは、ラインハルト伸ばす手の平にツナ缶を乗せた。
ラインハルトは、ゆっくりと手を引いてこういった。
「我が一生、貴方様の妹!」
呆れたような顔をしながら、その風景をリリナは言う
「あの兄妹は相変わらずだわ、転生させる前にもそんなやり取りあったわね…」
「兄妹だからあれが普通かもね。時に聞くけどリリナさ…《《元々転生者》》でしょ?」
「んげっ!? なんでそれを!!」
「私はラグナロクよ? 終焉を告げる人だから、女神の世界も知ってるわよ。代理で女神代行してたんでしょ?」
「流石ね…うん、その通りよ。女神の世界は今や安定してるけど、当時は…ね。私に付けられた「リリナ」って梨里奈から来てるに違いないわ」
「当時はしょうがないわよ、女神の世界すらカオスで満ちていたから。それにしても変ね、彼はリリナの名を口にしたけど列記とした《《記憶と共通点になる思い出》》が無いわね。なんでかしら?」
「それはね、《《私がそうしたの》》」
リリナは、少しばかり下を向いてそう言って、ラグナロクは顎に手を添えて言った。
「ふむ? 何やらワケありだね」
「今は言えないけど、いずれ―――言う日があるかな。あの兄妹にね」
リリナは、微かに懐かしさを感じてる眼差しを浮かべていた。
リュウカは、リリナとラグナロクの方を向いてこういった。
「キャンプファイヤーやるから行くぞ」
リリナとラグナロクは、互いに顔を見合わせてクスッと笑う。
リュウカは、二人の笑い顔を見てこういった。
「なーに、楽しそうに笑ってんだよ!」
「ごめん、ごめん〜」
「行くぞ」
「はーい」
四角形に積まれた大木の真ん中に、火を灯し、大木で出来た椅子に座るリュウカ達。
燃え盛る炎をただ見詰めて、リリナは隣にいるリュウカにこう口を開いた。
「ねぇ」
「ん?」
「異世界転生してよかった?」
「当たり前だろ、あんな両親の所に住んでいたら…絶対今みたいな《《楽しさがない》》」
「……」
「どうした? しおらしい顔は似合わないぞ?」
「もしだよ、もし…《《君たち兄妹が死ぬ運命から守った》》としたら、間違ってる? それとも、嬉しい…?」
リリナの問に対してリュウカは、腕を組んでこう答える。
「嬉しいかな、助けてくれたわけだしな」
「そっか…!」
「なんで嬉しそうなんだよ」
「えっ?! い、いやぁ…えへへ…」
ピュルルルルルル―――……ドンッ!
夜空に咲く、色鮮やかな大輪の花火が打ち上げられた。
この花火は、湿気ない花火玉を探し集めた物を打ち上げられてる。
発射台は見事朽ちてなかった、スチール性の筒状のものを使用している。
今回、打ち上げ担当はラインハルトとネスプーンである。
「キレイ…」
「うんうん、私、こんな近くで見たのは初めてだよ!」
ユートピアとレイナはそう興味あるような、弾んな声で言ってる一方で、ラグナロクは「ひいっ!」っと声を出しながら、ビビリつつも見上げていた。
リュウカは黙って見上げていると、リリナはリュウカの手をそっと上に乗せた。
リュウカは、ビクッとして声が裏返って言う
「えっ? リリナ…さん?」
「リュウカ、変なこと考えないでよね? 私はこうしたいからしただけなんだからね。勘違いしないでよ…?」
やや照れ顔するリリナの横顔を見たリュウカ
そして、リュウカはこう思った。
り、リア充ってこんな感じだっけ!?
ラブコメじゃないんだけどこれぇぇ―…!
趣旨が変わってる、これ絶対違うやつ!!
くそっ! 無駄に心拍数が―――!!
―――ドサッ―――
「え――?」
リリナが見た姿は、リュウカが茹でたタコの様に全身が赤く染って、体から熱気を上げていた。
「リュウカ!? ちょっと!! あぁもうっ!!いい所を潰すお約束主義者め!!」
それから、二日ぐらい寝込んだリュウカ。
次目を覚ました時は、リリナが左にラグナロクが右に寝ており、ザ・川の字であった。
はっ!? リア充から奪還したのか我!?
あれっ!?女子に挟まれてサンドイッチ状態じゃねぇか!!なぜにこうなった!?
くっ! 感謝感激雨あられじゃねぇか!!
こうして、リュウカは次の日の朝は目を充血にして羊を一万匹程数えていたのだった。
プチ解説
この話は、ぶっちゃけリュウカ元々は男で、リリナは女の子ですのでそうゆう関係に発展しやすくなります。
百合に見えますけど、百合じゃないと思いたい1話
プロローグである少女は言いってました、「彼氏」くんっと…その謎は後々明かされますが、ここで少しだけ触れるとリリナも元転生者の1人です
花火を海で見るのは格別…蚊はいないのは生物がいない滅んだ異世界の特権ですね
なんか羨ましいくなった、ふざけんなこのリア充をリア充しやがってっと作者は殺意を込めて描いたレアケースのラブコメ的な1話でした、川の字でハーレム起こすんじゃないよ、羊数えて目が乾燥しちゃってんじゃんっと思ってたけどやはりこれは…百合ですかねぇ…




