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第2論 言うは易く行うは難し

あれから、自分の身体に戻ろうと何度も試したが一向に戻ることが出来ない。


死にたくない恐怖から逃れるために自分の身体に戻るように叫んでも望んでも、霊体の自分は肉体の自分をすり抜ける一方。

その間も下の空き部屋とアパートの天井を何度も往復をした。


そのうち段々と霊体の体なのに疲れのようなものを感じる。今では冷静に理解は出来てないが、のちにこの疲労は肉体はなくても、精神的なもので霊体でも十分に感じるものだろうと気づかされる。


霊体のまま、自分の身体に戻ろうと色んな方法で、試してみたがどれもダメだった。


最初の数回は、勢いよく飛び込んではすり抜け。

今度はゆっくりと沈むように入って、ゆっくりと起き上がって某芸人ネタの幽体離脱のガチの方の再現になるは、指を一本一本丁寧に重ねて腕もずれないように自分の形に収まるように丁寧に入っても、でんぐり返しや匍匐前進したり、自分にラリアットをキメて目覚めさせようとしたり、「天にいる我らが神、どうか。私を肉体に戻してください。」お祈りしても肉体に沈んだり、自分が知る限りあらゆる方法で肉体に戻ろうとしたが...。



肉体の私は起きあがることはなかった。私はしゃがみこんで頭を抱え落ち込んだ。



このまま、肉体に戻れなかったらどうなるのだろうか。

そもそも、肉体と霊体が離れた時点で私は死んでいるんじゃないか。しかし、幽体離脱は別に死んでる人間だけに限らず、訓練された人間でも可能と本や書籍に記されてるし、世界中で経験談も多く伝わっている、だが、それらの信憑性を現す確かなものない。


でも、今の私が陥っている状況は紛れもなく、幽体離脱で合って、そしたら私は死んで幽体離脱したのか?生きてながら幽体離脱したのか?


ここがもし病院なら心電図や機械などが使われて、心拍の動きから死んでるか生きてるか分かるのに、それか、誰かが近くにいてくれたら、自分の肉体を起こしてくれたり、脈拍を図ってくれたり、呼吸を確認してくれたりできるのっ...



「呼吸の...確認っ!」



私は急いで肉体の自分の口元に耳を当てた。

霊体の私の耳に息をしてる音が聞こえてきた。霊体の私は天高く腕をあげ安堵した。



生きってる!!私は生きてる!!立派に呼吸もしてるし、胸だって動いてる、よく自分の顔を見ると目じりにも微かにピクピクと動いてるじゃないか!!



私は死んでない、生きながらに幽体離脱をしたことが確認された。




********




自分が死んでない事は、私自身で確証したが1つ問題が解決したところで氷山の一角にしか過ぎない。


なぜ、私は幽体離脱をしてしまったのか?このまま、幽体離脱をしても大丈夫なのか?幽体離脱しっぱなしで肉体の影響はないのか?


幽体離脱は死に際だから起きたことなのか?それとも何かきっかけで起きたことなのか?もしかしたら、漫画のような第3者の加入に起きてしまった出来事なのか?


さっきから幽体離脱と言ってるが、もしかしたら幽体離脱ではなく。体外離脱の方が言葉としては正しいのではないか?


頭の中から次々溢れ出す疑問に私は頭を抱えて悶え始める。


いくら考えても、考えても、次々にあふれる疑問に対しては1つも答えが出ない。


私は悩みに悩んだ挙句、静かに立ち上がりドアの方をみた。


今、私が出来る事は問題を一つ一つ解決することであり、今の私に出来る最大限の解決法である。

私は不安を抱えながら意を決して、一歩ずつドアの方へ進んだ。





まず、私が解決したい疑問、それは...





【肉体と霊体がどれだけ離れられることができるのか】





私は問題を解決するために、ドアに手をかけた。


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