皆について
「これが俺の能力」
手を握ったり開いたりしながら感心していると無月先輩は次に俺たちの説明だと言った
まず、最初は痲璃亜からだった
痲璃亜は、瞬間移動が出来るらしい
無月と俺の試験の時に間に入って来られたのはその力が有ったからだといった
けど、何処まで瞬間移動で飛べるかはあんまり分かってないらしい
次は、おどおどしていた男の子 霊魔くんだ
霊魔くんは、人のコピーができる 顔から声までそっくりだそうだ
でも、その人の記憶まではコピー出来ないから色々事前に調べておかないといけないらしい
三番目は、天野さんだった
天野は、過去の人を呼び出せるらしい
しかし、呼び出せてもその人と話せるわけでもないし触れられない
つまり、その人が死ぬ前にしていた行動のみが分かるだけだという
最後は、無月先輩なのだがさっきから黙り込んで何も言おうとしない
何か口火を切らないといけないと思ったんっすけど
それでも、言えなかった 下手に言ってまた敵意されても困るっすし
だから、言うまで待ち続けた
そして、ようやく口を割った
「俺の能力は、分からない いわゆるまだ不明だ」
「えっ? でもここって能力者しか入れないんじゃ」
「ああ、能力を使ってやる事が多いからな」
「ある意味、無月くんは実力で今の所賄っているだけですよね」
無月先輩が次の言葉を言う前に、割って入ってきたのは天野さんだった
クスクスと笑う声は、無月先輩の事をからかうような感じだった
「天野!」
「でも、本当の事でしょう?早くこちらとしても見つけていただきたいものですね」
無月先輩と天野がそんな話をしている時、ふと痲璃亜が黒い封筒を無月先輩に差し出した
「あら?痲璃亜くん 邪魔しに来たんですか?」
「違うだろ、仕事だ」
無月先輩は、封筒を切って中身を見ていく
そして
「明日行くぞ」
真も来いと付け加えるように言った
皆は、さっきまで居たのだがまるで消えるように次々アジトから出て行く
俺はただぼーとそれを見ていた
すると、声をかけられびっくと肩を揺らした
「あのぉ、大丈夫ですか?」
声の主は霊魔くんだった
「大丈夫っす!バタバタしてたんで混乱しているだけっす」
そう笑顔で言うと、そっかとほっとしたような顔をされた
「真は、どうして人斬り屋のブラックに入ろうと思ったの? まだホワイトとか迷ってるならグレーとかあるのに」
「知らなかったっすよね〜、そうだ!霊魔ブラックやグレーやホワイトの事について教えて欲しいんっすけど」
戸惑った顔をされたが、少しだけねと話してくれた
でも、これだけは約束してここのメンバーや他のメンバーについては聞き出さない事
そう念を押すように言われた
理由を聞いたが答えてはくれなかった
「分かったっす、だから教えて欲しいっす」
「うん!まずはブラックについてね」