メンバー
「あぁ、分かってる殺しはしない」
無月先輩は、いつの間にか剣をしまい
痲璃亜の方へと視線を向けていた
「どうだったんだ」
「勿論、合格だ」
合格?なんの話をしているのだろう
訳が分からず首を傾げていると
「真、お前 人斬り屋に入らないか?」
そう言葉を投げつけられる、理解出来なくて
頭が混乱していると
「どうなんだ?人斬り屋に入るのか 入らないのか?」
「えっ?でも俺は、人斬り屋に殺したい奴がいるかもしれないんっすよ?」
「別に構わない 皆同じ憎まれているからな
死ぬ覚悟くらい出来てるさ」
無月先輩と痲璃亜が同じ冷たい目線で、選べと言っている そう俺には見えた
人斬り屋なんて、入りたくない けど、もし入ったら友達の死についてしれるかもしれない
「分かったっす」
そう答えると、無月先輩は仮面とマントをつけ、痲璃亜もそれに続くように付けた
俺にも付けろと痲璃亜が指でくいくいと挙げる動作をする
近くには、無月先輩と同じチームであろう人が待っていた
「行くぞ」
その掛け声と共に、俺達は走り出した
アジトについたのは、ほんの15分後の事だった
さっきのアジトとは違い、まるで地下室みたいな部屋だった
けど、地下室だからってそこまで埃臭くはない 掃除はきちんと行き届いていた
皆は、ほぼ同時にマントと仮面を脱ぎ近くの椅子やコート掛けにかけていた
俺も皆の後に続いて脱いでいく
そして、無月先輩はこちらに振り返り皆もまた振り返った
「ようこそ、ブラックへ」
丁寧にあいさつされ困ってしまう
無月先輩は、そんな俺を見て
「あはは、硬くなりすぎたな」
盛大に笑っていた
あまり学校でも、笑っている所は見た事が無かったので、少しばかり新鮮に感じた
まるで、さっきとは大違いだ
「まずは、自己紹介からだな 俺の事は知ってると思うが滋野無月だ 学校では生徒会長をやってる」
滋野無月先輩 学校では、2年生で生徒会長をしていて女子から人気も高く、生徒からの信頼も高い 知らない人の方が居ないだろう
次に紹介したのは、同じクラスメイトの痲璃亜の事は、初めて一緒になった時に元気に声を掛けてくれた人だ
痲璃亜は、顔立ちもよく性格も面倒見がいい一見モテそうなんっすけど、見た目の怖さが仇となって全然モテないっす
元、不良だったとか
痲璃亜の自己紹介が終わり
「私は、天野菊と言います 宜しくお願いしますね」
ペコっと礼儀正しく挨拶したのは、いかにも和風男子という感じの、青年だ
確かに雰囲気はそうなんっすけど
茶色の髪にピアスというので、チャラい人にも見える
だけど、ふと目を天野の方へやると優しい笑顔で微笑みを返される
何か裏が有りそうにも見えたが、気にしない事にした
最後に出てきたのは、オドオドしたひ弱な黒髪の男子だった
とても、戦いが得意そうには見えないが
「えっと、僕は風宮霊魔って言います 宜しくお願いします」
ワタワタとしている姿は、まるでこっちが守って上げたくなるような姿だった
そして、最後に
「俺は、本橋真っす!宜しくっすよ!」