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人斬り屋

鉄の扉なんて開けた事はなかったっすけど 案外重たくて冷たい物なんだなと思った

電気がついていなくて、中の様子はまるで分からない

けど、後ろから物凄い殺気を感じとっさに振り返る

しかし、そこには誰も居なくて見えていないからなのかもしれない

徐々に目が慣れてきて、スイッチを探す事にした

壁沿いにつたって行くと、何かデコボコしたものに触りそれがスイッチだと分かる

カチッという音がすると、部屋の中は明るくなった

部屋の中は案外シンプルで、まるで誰かの一人部屋みたい

真ん中には、テーブルにソファー 端っこには観葉植物が置いてあった

普通の部屋に見えるなら見えるだろうけど、この部屋は可笑しい点が一つだけあった

それは、壁も家具も全てが真っ黒であること

ここまで、黒いと流石に不自然っす

ふと目を離すと、さっきまで気づかなかったがどうやら二階に行ける階段があった

これは、勿論行かないとっすね

心が踊る反面、誰かにばれているのではというドキドキハラハラした感覚が止まらなかった

「おい、誰だ?」

それは、階段の手すりに手をかけた時だった

後ろからドスの聴いた声がしたと思ったら、いつの間にか俺の肩を握りしめ、ギリギリと強い力を込めているのが大きくなる

このままでは、肩を折られると思った俺はごめんなさいっすと頭を90度に下げ、相手に謝った

すると、その声はふっと優しくなり

「おい、真だろ?」

名前を呼ばれふっと顔をあげると

「痲璃亜!?」

同じクラスの痲璃亜が立っていた

「どうして、痲璃亜が?」

「あぁ!?ここに住んでるからに決まってんだろ?」

「えぇ!ここ痲璃亜の家だったんっすか」

痲璃亜は、苛立ったように頭をガシガシかくと違ぇよと言った

じゃ、何でと聞こうとした時だった

ガチャと扉が空いたかと思うと、三人ほど人が入ってきた

ビックリして、目を丸くする

だって、一人だけは俺の知っている人物だったから

「どうして、生徒会長の無月先輩がここにいるんっすか、もしかしてここって何かのシェアハウスなんっすか」

大きな声をあげていったので、流石に痲璃亜の影に隠れていたとしても見つかったようだ

無月先輩は、こっちに視線を向けると俺の方に歩いてきた

「本橋真、まさかお前から来るとはな」

そんな訳のわからないことをつぶやきながら、考えるように手をあてていた

「誘われたんだな」

「俺はここにたまたま来ただけっすよ?」

そう切り返すと、いやとまた黙り込んでしまった

「お前、人斬り屋の噂を聞いたんだろ?」

図星を当てられ、顔や肩が強張った

「やっぱりな、これから仕事に行くがお前もついて来い」

「えっ?何でっすかぁ」

そんな事を言えるはずもなく、ついて行くことにした

内心見たかったのかもしれない

俺の後に続いて痲璃亜、茶髪の青年 黒髪の青年がついて来た

どうやら、全員で行くらしい

簡単にアジトから離れてもいいんっすかね

そんな疑問を持ちながら、歩いて行くと

そこは、一般の家だった

無月は、ドアから普通にチャイムを鳴らし入っていった

いつの間にか仮面を着けており、マントも来ていた

他の皆も全員着替えている

痲璃亜は、俺の分のマントと仮面を投げた

いつも、持ち歩いてるんっすかね

そして、グサリそんな嫌な音が耳に入ってきた

多分、刺されたのだろう

血塗れの男が刺されている

そして、無月先輩が手を上げると同時に皆中には入っていった

それは、まさに素人の目から見てもすごい気迫だった

人を殺すことに、戸惑いはまるで感じられなかった

そして、無月先輩が男の胸に刺さった

日本刀を抜いて振り返る、そして、俺にこう尋ねた

「俺が怖いか?」

月にまるで照らされて、輝いていた目はまるで猫に鋭い目つきだった

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