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天文部員になってみる

体育祭が終われば、中間テスト。

あたしは前回受けているので、山が張りやすい。

まさか、全く同じ問題ってことはないよね。。。

それだと、あたしズルすぎる。

勉強はします、いつも通り。


で、中間テストを受けてみれば、前回とそっくり同じ問題なのにびっくり。

一応、一年前なわけだから記憶鮮明ってわけでもなく、間違えたりもして、まあ前回よりはできたかな。

なんにせよ、このテストの後の開放感はたまりません。

うーんと伸びをしたあたしに

「海、ちょっといい。」

優香があらたまってなんだろう。

「どうしたの。」

「あのね海、天文部に入ってくれないかな。あたしも入るからさ。」

いきなりだね。

「どうして。料理部はどうするの。」

優香はもうすぐ料理部の部長になるのに。本人は知らないけれど。

「料理部は辞めないで、天文部にはいるの。実はね。。。」

優香の話によると、天文部は部員が今3年生が1人、2年生が1人の2人しかいなくて、夏休みまでに5人にならないと同好会になってしまうらしい。

同好会だと部費がなくなってしまうし、一度同好会になってしまうと部活動として再登録するには条件が厳しいらしい。

というわけで優香が同じ中学校出身の友達に頼まれた、ということだった。

「名前だけでもお願いっていわれちゃって。」

困り顏の優香に断ってしまうのも気が引ける。なにせあたしは部活に入ってないし。

「どんな活動してるの。」放課後特に忙しくもないし、まずは見学してみることにした。


天文部の主な活動は天体観測らしい。もっともです。

月に2回から4回、学校の屋上で観察会がある。だいたい金曜日の日が暮れてから活動開始。

天気に左右されるので、金曜日以外のこともあり。

あたしはさっそく、その週の金曜日に参加してみる事にした。

放課後部室に集合。

部室は地学準備室で新校舎4階の西側端の方。

新校舎4階の一番西側が生徒会室なので、前回は学級委員の仕事でちょくちょく通ってた廊下なのに、地学準備室なる教室には全く気づかなかった。

ノックして扉を開けるとかわいい笑顔の女の子が迎えてくれた。

「水沢さん、来てくれてありがとう。2年6組の佐藤です。」

ふわふわ柔らかい感じの佐藤じゃなくて砂糖菓子を連想させる。

「初めまして。3年の赤月です。」

ひょろりと背が高い眼鏡の男子が佐藤さんの後ろに立った。

この人が部長さんだよね。

「よろしくお願いします。」あたしはぺこりと頭を下げた。

「こっちへ座って。」

佐藤さんに促されて教室に入る。

長机に椅子が4脚、その一つに腰掛ける。

部長と佐藤さんが並んで、あたしの向かい側へ。

「ようこそ天文部へ。」

2人ともにこにこだ。歓迎されると嬉しいものです。

それから活動内容とか諸注意の説明を受けて、一旦解散。

7時に再集合なので一度家に帰って夕ご飯を食べて来ることにした。

今日のところは体験入部のはずなんだけど 、あんなに喜ばれてしまうと断れないような気がする。

まずは今日の部活が終わってから考えればいいかな。


再集合は部室である地学準備室。夜はさすがに雰囲気が違う。

前回も文化祭の準備時期とか遅くなったことがあるけど、人がたくさんいたからなんとも思わなかった。

ひと気がないとなんとなく怖いかな。

部室には明かりがついていた。

部長と佐藤さんが先にきていて、2台ある望遠鏡を屋上に運ぶ準備をしている。

「おつかれさまです。」

準備を手伝っていると携帯がなった。優香だ。

「もしもし。」

「海、ごめんね。行けなくて。」

もともと優香も参加する予定だったのだけど、急に来られなくなった。

「大丈夫。気にしないで。」

荷物を運ぶ2人を手伝わないと。

「優香、わざわざ電話ありがとう。後で部活の報告するね。」

電話を切ると慌てて荷物を持って、2人の後を追った。









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