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九話 魔法学校と新宿

今回はエリックたち、初めての本格ダンジョン挑戦です。

シンジュクの最難関——新宿駅に眠る迷宮のような地下世界。

普通の人なら迷うだけでアウト、魔法使いでも油断できません。


いつもふざけてばかりのエリックも、ここでは真剣勝負。

ただ、今回はちょっとした衝撃展開も……。

読んでいる間に心臓がドキドキしても、責任は負えません。

飲み物は手元に用意して、準備万端で挑んでください。

「そうですね、マチルダさん。楽園(エデン)につく前に死ぬのはごめんですからね。」


リサは金色の短い髪を揺らしながら、肩をすくめて笑う


「そうだ。エリック、リサ君。ここからの旅にAøは関わってくるだろう。その前に少し力をつけた方がいい、私の知り合いが東京魔法大学の教授なのだが、新宿駅へダンジョン研修を行うと言っていた。」


「新宿駅……。本当に?」


——新宿駅、日本にあるダンジョンの中でも最難関と認定されるダンジョン。


迷路のような構造になっており魔法がなかった時代の人間も迷っていたらしい。


「マチルダ、迷ったら死ぬよな。」


「もちろん。しかし、お前の大好きな魔導書がたくさん眠っているらしいぞ。」


「リサ。すぐに支度をしよう。」


エリックはあれだけ渋っていたのに急に目を輝かせる。


(魔導書欲しいだけじゃん……。)


リサはマチルダのエリックの扱い方を少し学んだ。


「待てエリック。」


「なんだ?」


エリックはちょっとキレ気味に言う。リサも眉をひそめる。


「お前は偽名使え。お前から学びたい魔法使いがこの世界に何億人いると思ってる。」


エリックはマチルダを見ずに頷き去った。


——新宿駅前へ着くと、生徒たちが魔法書や杖を手に持ち、ざわざわと行き交っていた。


「こんなに志願者がいるんですか?死にに行くようなものなのに。」


「リサ。ここを踏破したら英雄だ。きっとアイツらは認められたいんだろうね。あとは成績かな?」


エリック達は人まず生徒達が見つめる方を見る。


「諸君。よく集まってくれた!私は、ダンジョン課のアユミだ。今回研修するのは日本で有名な未踏破ダンジョンの一つ新宿駅だ。」


アユミは拳を握りながら熱く語る。


(……多分、僕こういう熱血系苦手だ……。)


エリックはちょっと煙たがる。


「世界一の冒険者になるには、無理と言われたことを乗り越えていかなくてはならない!今回でこのダンジョンを踏破するつもりだ!」


「……!」「嘘でしょ……。」


生徒は困惑の表情をする。


「まぁ、もし脱出したい場合は……」


アユミは手のひらに魔法式を展開する。


「この魔法式で魔法を使え、ここへワープされる仕組みだ。」


アユミはまた手のひらを握る。多分アユミが熱く語る時の癖なのだろう。


「行ってこい!卵ども!」


その掛け声と共に一斉に受験者が駆け出した。


「とりあえず地図魔法は常時展開で進もう。」


エリックは魔法で左手に小さな地図を作り進む。


「魔物の平均等級はどれくらいなんでしょうか?」


「うーん。魔力からしてS級(エスランク)相当の魔物が何体かいるかな?」


(自販機魔獣(ガシュワ)より強いのがうじゃうじゃいるの……。)


リサは頭を抑えた。


「エリックってダンジョンに慣れてるの?」


リサは首を傾げ目をキラキラさせながら少し不安そうにエリックを見つめる。


「僕を誰だと思ってるのさ。僕の戦争時代の友達がダンジョンガチ勢でね何個も潜って踏破したものさ。」


「偶然ですね!私のお兄ちゃんもダンジョンが好きだったんです。小さい頃……って言っても100歳ですけど。その時、私が迷子になっちゃったんですが、お兄ちゃんは宝をたくさん持って助けてくれました。」


「へぇ。でお兄さんは今どこへ?」


エリックが聞くとリサは急にしゅんとした。


「……十年前に死んでしまいました。戦争で。」


エリックは、何も言わなかった。


「悪かったな思い出させて。」


「いいんですよ。私だって、もう十分悲しみました。明るく生きなきゃ『「何があっても、笑って生きろ。そうすれば、道は見えてくる。』ってね。」


リサは春の野原に咲く花のように笑う。しかしその奥には深い悲しみが混じっていた。


「もうすぐ地下の階段が見えてくるところなんだけど……。」


「あっ、あった!ありましたよ!」


リサは目をキラキラと輝かせて階段——正確に言えばエスカレーターを見つめる。


「知ってるか?魔法のなかった時代には勝手に動く階段だったらしいよ。」


「魔法のなかった時代にどうやって?」


リサは首を傾げる。


「魔法がなくても、人は諦めなかった。

飛びたい、楽に昇りたい、もっと便利に生きたい。

そうやって何度も試して、失敗して、工夫して——

その結果を人は“技術”って呼んだ。」


「魔法みたいですね。」


そう言って、リサは目を大きく開き、少し口を開けたまま階段を見上げた。


その瞳には純粋な好奇心が宿り、少女らしい驚きがあふれていた。


「だから魔法のなかった時代にとっては今が羨ましいかもな。」


エリックはエスカレーターを階段のように降りた。

足元が微妙に揺れ、体に違和感が走る。なんとも言えない気持ち悪さだ。


リサも一歩一歩を慎重に降りる。


「私にとっては魔法がなかった時代の方が羨ましいです。」


リサは階段を降りながら後ろを向きエリックを見る。


「だって、その方が面白そうじゃ無いですか。」


「ふふ。魔法がある時代に生まれた人が言うセリフとは思えないね。」


エリックは小さく笑った。

「新宿駅って本当にすごいね。」


「ここは日本の技術の結集だよ。」


「ども、作者です。」


「「また来た!」」


「いやぁ新宿駅ってほんと迷子になりますよね。山手線、浅草線……。方向感覚が某マリモ並に無いので生きて帰って来られる気がしません。」


「山手線?浅草線?」


「そうだった。こっちの世界ではもう滅びてるんだった。」


「こっちの世界?エリック、あたまがこんらんしてきた。」


「こら!リサの言葉に漢字がなくなったじゃ無いか。」


「わたしのせかいはこっちでさくしゃのせかいはあっち。あれ、わたしのせかいは?」


「あぁやばいやばい、おかしくなった。」


「けつろん。トマトはおいしい。」


「すぐ病院に連れて行きます。」


「ということで次回。」


「「乗り遅れと地下二階」」


「作者責任とれよ。」


「なんのことかわかんないなぁ〜。」


「とぼけんな!」

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