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第七十一話「力の測定」



神殿の石段を上りながら、メルベルは今日の試験について考えていた。


自分の強さは超人的だ。それは間違いない。しかし、神殿戦士もまた同様に強力な存在である。特に都に近い位置では、彼らは無限に近いエネルギーを補給できるため、極めて強大な力を発揮する。


*都から離れれば急激に弱体化するが...*


メルベルは内心でため息をついた。今から受ける試験が神殿戦士との模擬試合だとすれば、この場所では勝てないだろう。


*やはり都は嫌いだ*


神殿の入り口で待っていると、アザリアがやってきた。彼女の顔は少しげっそりとしており、疲労の色が濃い。


「お疲れ様」メルベルが声をかける。


「ああ、本当に疲れたわ」アザリアは額の汗を拭いながら答えた。「今度の試験は結構きつかった」


「どんな内容だった?」


「炎の制御から始まって、精神集中、持久力測定...」彼女は指を折りながら数えた。「最後は実戦を想定した動作確認まで」


メルベルは自分が考えていたことを伝えた。


「お前には悪いが、やれることはやるが、神殿戦士には勝てないぞ」


渋い顔をする彼に、アザリアも同じような表情を見せた。


「えー?そうなの?」


「ここでは彼らが圧倒的に有利だ。エネルギー補給システムの恩恵を受けられるからな」


アザリアは困ったような顔をした。


「じゃあ、都から離れて戦うようにお願いする?」


「いや、それは無理なんじゃないか?」メルベルは首を振った。「向こうの都合に合わせるしかないだろう」


彼は深いため息をついた。


「だから都は嫌いなんだよ」


その時、神殿の職員がやってきた。


「メルベル殿でしょうか。お待ちしております」


案内されて向かったのは、神殿内部のかなり大きな運動場だった。高い天井、広々とした床面、そして壁際には何人もの監督官らしき人物が並んでいる。


彼らはメルベルの容貌を見て、明らかに奇異の目を向けた。


「おや?」年配の監督官が眉をひそめる。「随分と...風変わりな出で立ちですね」


「流派は何ですか?」別の監督官が質問した。


「経験年数は?」


「師匠は誰です?」


「ガードとしての実働年数は?」


「年齢もお聞かせください」


矢継ぎ早に質問が飛んでくる。メルベルは正直に答えることにした。


「年齢は二十五だ」


「若いですね。流派は?」


「鉄嵐流」メルベルは素朴な響きの流派名を答えた。「俺の一族に伝わる、体術と剣術と法力を組み合わせた古い流派だ」


監督官たちは顔を見合わせた。聞いたことのない名前だった。


「師匠は?」


「父と祖父から学んだ。正式な道場はない」


「ガードとしての経験は?」


「アザリア聖女が初めてだ」


これにはさらに驚きの声が上がった。


「初めて?それで五つの聖火を...」


「珍しいですね」


メルベルは無表情で立っている。彼らの反応は予想通りだった。異教の戦士への偏見と、システム外の存在への困惑。


「では、実技に移りましょう」年配の監督官が宣言した。「まずは基本的な体力測定から」


メルベルは頷いた。やれることはやる。結果がどうなろうと、それは受け入れるしかない。



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