天草の想い、そして残り3回戦
部屋でお互い本を読んでいると突然扉が開いた音がした。
「だれ!」
私は一瞬で警戒体制に入った。しかし入ってきたのは
このチームの王、アレイだった。
「ア、アレイ?」
「あぁ、今日は話があってきた。単刀直入に言おう。
残り3回戦勝てば一位になれる、それだけだ」
「お前はそんなことを言うためだけにきたのか?」
「あぁ、そうだ。みんなにもどっかで伝えておいてくれ、頑張れよ」
「はぁ、まぁありがとさん、いい情報だな、エマ」
「そうね」
アレイは部屋を出ていった。
「あと3回戦か、もし勝ったらエマに会えなくなるのかな」
「え〜あまくさぁ〜そんなに私に会いたいのぉ?」
「会いたい」
「え?え、え、本当に?本当に私と会いたいの?」
「会いたいよ、そんなことで嘘つかないよ」
私はすぐに布団の中に入った。体が暑い、特に顔、顔から湯気が出ているかと思ったくらいには暑かった。
天草にそう言ってもらえたのが嬉しくて嬉しくて。
「会いたいなら私を見つけ出しなさいよ!現実世界でも!それができたらまぁ、いいわよ?」
「でもまず出ることはできるのかな、6回戦目でとかなり強かったし」
「そんなの勝てるからいいのよ、それよりなんで私と会いたいの!!」
「それは、、、わかんない、だけど会えなくなったら寂しいから、それにエマの笑顔を見たいから」
私は布団の中で誰にも聞こえないくらいの声で言った
「そこは好きって嘘でも言いなさいよ」と。
戦闘開始の合図が鳴る。みんなが戦闘場へ行く。
「相手は5人か、少ないな」
「そうね、でも油断は禁物よ」
「だな」
相手はこちらから攻めてくるのを待っているのだろう。俺はルークと先陣を切ることにした。
「ルーク!」
「おう!」
俺らは飛び出した。そして後衛と前衛第2波が続く。
俺が剣を相手に振るともちろん相手はそれをかわす。
人数はこちらの方が6人多い。なのに一向に戦いが進まない。なぜだ?こいつらは俺らの攻撃を全て避ける。そして避けた後すぐに攻撃をしてくる。それも遠距離攻撃だけを、、、そもそもこんなに何度も後ろからの攻撃を避けることはできるのか?俺ですら流石にここまで避けることは厳しいだろう。それになんなんだ、この戦闘場全体の違和感は。入った時からあった。明らかにいつもと違う。それに相手は既に揃っていた。ちょっとわかった気がする。
「ルーク!刹那!俺は一瞬下がるからカバーを頼む!」
「え!?わ、わかった!」
「まかせろ!それにしてもこいつら避けるのうますぎだろ!」
俺はエマの隣まで行った。
「エマ、この違和感の正体がわかった気がする」
「そういえばなんだか少し変ね、この戦闘場全てが」
「俺の推測が正しければ能力でこの戦闘場の全てが見えるようになってるというか、んー、説明がむずいけど戦闘場を上から視点も見えてるというか」
「なるほど、そういうことなのね、ありがとう、天草
全てわかったよ。私が天井にいるやつを殺す。だから天草はそれを阻止しようとしてきたやつを殺して」
「わかった」
俺はすぐに走り出した。
「炎のファイヤー!」
エマが天井に攻撃を仕掛けた。おそらく違和感の原因は視線だろう。天井に誰かがいた。それを能力でみんなに知らせていた。だとしてもどうやって2つの能力を?まぁいてもおかしくはないか。俺はそれを阻止しようと魔法を繰り出そうとしているやつを刹那と挟み撃ちにして首を切り落とした。
「うわぁ、ド派手にやってるねぇ」
天井は全て炎で埋め尽くされていた。
すると違和感が消えた。おそらく天井にいたやつが死んだのだろう。それからは本当にすぐだった。
しかしこちらも1人だけ心臓を貫かれていた。
「終わったな、それにしてもたった5人で」
ルークがそう言った。するとエマが言った。
「それは違うよ、このチームは6人だった。1人が透明化の魔法とおそらく視覚共有の能力を使っていた。
そいつが天井に張り付くことによってこの場の全体をみんなに見せることができたってわけ。天草がいなかったら気づけなかったと思う。ありがとう!天草」
天草はただ可愛いなと思っていた。
するとルークと刹那が言った。
「あ、あのエマが」
「エ、エ、エマが」
そして俺も気づいて言った。
「か、か、感謝、した?」
「なによ!?私だって感謝くらいするわよ!!てか天草には前にもしたことあったよね!?」
「あったっけ?」
「はぁ!?私結構言ってる気がするんだけど!!」
私がそう言うと刹那がにやけて言った。
「天草にはね〜」
「何にやけてんのよ!!気持ち悪い!!」
私は早歩きで部屋に戻った。
「私はあいつのことなんて好きじゃないわよ、多分
50パーくらいで、いや10パーくらいで、いや1パーくらいで」




