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聖女様ようこそソルドラへ  作者: miyon
聖女様降臨す

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3)目覚めた先は Side凛子

目が覚めた。瞳をあけると真っ青な空と大きな木の枝が見えた。

あの時もう死んだと思って、覚めると思っていなかったから、とても驚いて声も出なかった。


「あ、起きた?時間かかったねえ。」


いきなり声がして、声のほうへと顔を向けると、見たこともないくらいきれいな男の人が空を見ながらたっていた。


「よくきてくれたね。やさしい子だって聞いてたから起きてくれるのを楽しみにしていたんだよ。もう体は大丈夫だろう?」


いきなりわけがわからなくて私は声も出せないでいるけれど、男の人は一人で話を続ける。


「これから大変だから一応体に問題ないかみさせてもらったよ。そしたらさ、君、体の中に欠損があったんだよ。こっちではあんまりみないから驚いたんだ。まあそのままだといろいろ困るだろうし、ちょっといじらせてもらったよ。ああ、大丈夫。欠損を戻したくらいで、他はいじってないから。」


ようやく体を起こすと、そこは小さな黄色い花がびっしりと咲いた、どこまでも続く花畑だった。

黄色い花びらが時折ふわりと舞っている。

私はそこにたった一本立っている樹の下におかれているベッドの上に寝ていた。


「・・・あの、ここはどこですか。私、まだ生きてるんでしょうか。」


「ん?ああ、生きてるよ。大丈夫、安心して。ここは、うーんそうだなあ。君の意識の中っていうのが一番いいかな。そこにお邪魔させてもらったんだ。今回は特別だよ。」


にこにこして今の状況を説明してくれているけど、なんだか怖かった。


「左手を見てごらん。」


彼の言葉に左手に視線をやると、爪の色がなんだかおかしかった。爪に色がついて光っている。


「それを聖所へ送り届けてほしいんだ。あそこはうまく力が回らない土地でね。時に干渉してやる必要があるんだよ。今は静かに回っているからね、君が働いてくれれば本当に助かるんだ。」


言っている意味がよくわからないけど、私がこれ?を届ければいいってことのようだ。


「あの、どうやったらこれ、この爪の先の色がついているのを届けられるんですか?」


「ああ、くわしくは向こうで説明があるよ。いつもそうしてくれてるからね。」


「はあ・・・」


わかったようなわからないような。


「そんなに悪いところではないよ、安心して。ただ、君は今までとは全く別の人生を送る、それだけさ。」


はじめて、男の人と目が合った。


「つらい思いや苦しい思いは忘れてしまえばいい。君に訪れた悪意は、もう君には届かないからね。ちょっとさすがに腹が立ったってあの子がめずらしく怒ってたからね。何かやってると思うよたぶん。」


先ほどとは違って、同じくにこにことほほ笑んでいるのに、そのほほえみには慈愛が見えた。


「あの・・・もしかしてあなたは、神様、とか、そんな方ですか?」


彼はびっくりした顔をして、くすくすと笑う。


「そうだね、君からしたらそういう存在になるのかもしれないな。」


私の言い方がおかしかったのか、先ほどよりやわらかく笑っている。


「じゃ、そろそろ行こうか。ま、なるようになるし、楽しいよ、きっと。」


パチンと音が聞こえるくらいにウインクをされて、私はまたどこかへとすごい勢いで引っ張られていった。


ーーー


気が付いたところは、森の中だった。静かな森の中は太陽の光が差し込んで、鳥の鳴く声も聞こえてとても心地よい。

と思っていたのに、森には一瞬で火がついた。


「きゃあっっ!!!」


私のまわりがすべて燃え始めた。

森が燃えているのに、雪が降っている。大地はひび割れ、水が噴き出しては凍り、それは火に溶けてどんどん蒸発していた。風が渦を巻き、火の粉をあおっては降る雪がそれを沈めてくれている。

森の草木は枯れ、土の色がどす黒く変わったかと思ったら、やわらかい茶色の土へと変わってまた草木が生えてきていた。だがしばらくするとまた枯れていくという、わけのわからない状態だった。


私がいる少し大きな石の上だけが何も変わらず、私のまわりはいきなりすべてがおかしくなってしまって、どこにも逃げ出すことができなかった。


そのうち私の体にも変化がではじめた。


「なにこれ・・・」


体中からキラキラしたなにかがゆっくりと噴き出していた。噴き出したものは色を変えながら周囲に溶け込んで、さらに森の状況が悪化していく。私の体の中から出たもののせいで、この森はおかしくなってしまったように見えた。


どうしたらいいのか、考えてもわからない状況に、私はパニックに陥っていた。

でも、この場所から立ち去りたくても、まわりはほとんど火の海で、動くこともできない。


「誰か・・・」


助けを呼んだって、誰も助けてくれる人なんかいない。

そんなことわかっているのに、怖くてたまらなかった。

体からあふれていくこれのせいなのか、だんだん体から力が抜けて動くこともできない。


「おねがい・・・」


誰も助けにはこない。くるはずがない。そう思いながらも、私は助けを求めてしまった。

そして、そのまままぶたが重くなって意識を失ってしまった。

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