気まぐれな遊戯
円形のテーブルには複数の席があり、皆それぞれに座っている。
しかし、彼らはただ座っているわけではない。
皆それぞれに、おもいおもいに”仕事”をしていた。
大きな水晶をいくつもくるくると空中で回すようにみつめるもの。
液晶モニターのような画面に映る風景を見ながらペン先で何かを宙に描くもの。
粘土のような塊をこねて宙に浮かべ、それに息を吹きかけてはくるくるとまわしている。
彼らの姿は人の形をとるものもいれば、いわゆる動物のような見た目をしている者もいる。
様々な外見をした彼らが集まっておこなっているのはただ一つ。
”この銀河を統べる”仕事だ。
彼らのことを、あるものは”神”と呼び、あるものは”悪魔”と呼ぶ。
すでに何億もの時を生き、文明を起こしては壊し、またあらたな文明を起こす。
時には新たに星を作り、また、時には星を壊す。
気まぐれに人の世に関与してみたり、放置してみたり。
飽きれば支配する星を交換してみたりもする。
人類には見ることも理解することもできない、すべてを統べる人外のものたち。
すべてを見守り、すべてを操作する。
それがかれらの仕事だった。
「ねえねえ、またくれない、人間の女。 またおくってやろうと思っててさ。」
青い瞳の男がどこか遠くを見ながら声を発する。
「最近われのところにサルエ銀河から人間がやってきたのだが。うちからやろうか?」
赤土色の粘土をこねている白銀の髪の老人が、長く上にのびた耳をピクリと動かしながら視線をむける。
「ん---、あ。前回と同じがいいな、また地球からお願い。」
青い瞳の男がそれは楽しそうに美しく微笑むが、誰もそれに目もくれない。
「前回たいへんだったのではないのですか?それなのにまたこちらからでよいのですか?」
緑の髪の幼げな人物は、人が見れば少女にしか見えない。その下には蛇のような下半身しかないが。
「地球の文化もちこんでくれると惑星の発展がおもしろいんだよね。
まあ、また混乱してこわれちゃってもおもしろいし。」
不敵に笑う青い瞳の男は、一瞬で黒いうろこ肌の巨大な異形の姿に変わる。
「そうおっしゃるのなら。よさそうな人を見繕わせますわね。」
緑の髪の少女?がにこやかに笑う。
「いったい何がおもしろいのだ。まったくわからんな。」
小さな体で液晶を操作している赤い肌の男が無表情に話す。
「たまにはおもしろくていいよ、人の世に関与するの。予想もつかない変化をするからね。」
その言葉にはもう誰も返事をしない。
「さて、次は誰が俺を楽しませてくれるかな?」
突然の発言によって地球の人間が一人、彼の支配する惑星ソルドラへ旅立つことが決定した。
その運命に巻き込まれる人間たちは、それを知る由もなかった。
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