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あの世界はもう終わったなんて馬鹿な!
目を擦り視界が広がる。そこに広がる光景は病室だった。
「起きましたか。」
「…は、はい..」
「彼方を見てみてください。」
男が指を刺した小窓から外を覗くと広がっている景色は衝撃的な光景だった。
「ブラック…ホール…?」
「驚きましたか?」
「はい…何故?」
「貴方はかつて…」
「博士!此方へ!」
「あっ、少々待っていてくれ。」
意味がわからなかった。なぜブラックホールが?
何か耳を劈くような爆音で起きたのは覚えている。
…ん?
「警告。警告。宇宙鯨が接近中。繰り返します。」
宇宙鯨?
段々と轟音が聞こえてきた。
「モ”ーウ”ゥ」
と言った鳴き声が響き、ブラックホールの2/1サイズの鯨が横切った。
美しいグラデーションが掛かっており、色が蠢いていた。
「おい!君!此方へ来い!」
「わかりました…」
自動ドアが開き、男に着いていくと一つの部屋へ辿り着いた。
「ここだ。」
其の部屋はとても大きく、壁一面がガラスで出来ており、宇宙が広がっていた。其の部屋の真ん中でスーツを着た女が喋っていた。
「ここにきた皆様には宇宙鯨と戦闘していただきます。」
私は驚愕した。『そんなこと聞いていないんですけど!?』と心の中で叫んだ。
「あっ、貴方もここへ呼ばれたのですか。」
「あっ…はい。」
「ここに来た方にはあの鯨と戦っていただきます。」
「あっ、さっき聞こえました。」
「そうですか。今やり方を説明しているので少々聞いていてください。」
「あの…私..闘うんですか?」
「はい。」
如何しようもできないから無理矢理納得した。
「皆さんにはまず、このスーツを着てもらいます。」
立方体が集められ形成されているスーツだ。
「こちらのスーツの着用方法ですが、そちらの台へ立っていただくと、自動で着用することができます。」
「そして皆様に乗っていただく戦闘機…」
「警告。警告。もう直ぐ宇宙鯨が臨戦体制に入ります。今すぐ戦闘機を出してください。」
「あっ!すみません。乗ってください!」
大量に台があるのでここにいる400人ほどが待たずにスーツを着用できた。
「はい。皆さん急いでください!乗り込んでください」
戦闘機に足を掛けた。
「取り敢えず車を運転できれば操縦できます!」
ハンドルを手に取り、アクセルペダルを押し倒した。
広大な宇宙を眺めながら、巨大鯨へ向かっていった。
開いていた壁が閉まり、私は『もう戻れない』と思った。
「あー、あー、聞こえてますかー?」
あの女がビジョンで出てきた。
「只今西暦2156年。」
私は西暦を聞いただけで驚いた。何故なら私の記憶では2014年だからだ。
「えーこちら銀河NGC 4414。」
私は巨大鯨を横切りながら驚愕した。『天の川銀河じゃないの!?』
「右のドアについているボタンがあります。一番前が機関銃を発射するボタン、2番目がミサイルです。3番目は緊急脱出です。」
「えーと、ここか。」
宇宙鯨の尻は肛門が異様に大きかった。
其処から何かが大量に流れてきた。
「うわ!」
フロントガラスにへばり付いたのは見たこともない生物だった。魚のような、蛇のような。
「巨大鯨の肛門の中へ侵入してください。」
「え!?」
私は驚愕した。だが私の足はもう既にペダルを押し倒していた。
光り輝くドローンの様なものが大量に集まっている穴の中に侵入し、広がっていた光景は衝撃的なものだった。
大量の人の死骸が転がっていた。私は其れを見た瞬間に恐怖を覚え、一気に操縦が怖くなった。
「大丈夫です。安心してください。あれは人ではありません。」
『明らかに人間だろ!』と独り言を言う。
それより如何やって進むのだ?壁がある。
「壁があると思いますが、其処は開きます。」
本当に開いた。其の中にあったものはブラックホールだった。
「え!?」
他の戦闘機がスパゲッテイ化していた。もしかしたらブラックホールじゃないかもしれないと思ったが、明らかにブラックホールだった。
「安心してください。あれはブラックホールではありません。それではBGMを流します」
ユーロビートが掛けられた。『こんなもので特攻できると思っているのか』と思っていたが、私の腕はレバーを押して最大速度を出していた。車内中を包み込むように流れるユーロビートを聴き、ペダルをより強く押し倒した。
「安心してください!地球はもう滅亡しています!貴方の親族ももういません!ここにいるのは生き残りだけです!私たちは命の補償だけはいたします!」
あの世界はもう終わったなんて馬鹿な!そんな…
『素晴らしいです博士!ここまで緻密に設計図が作り込まれた宇宙船なんて!』
『ここまで運転が容易くできる戦闘機なんて革命的ですよ!』
『お前が宇宙鯨の生みの親だ!!!あんな怪獣作ってくれて如何するんだよ!!!』
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「君は死んでいるかもな。やあ。私。君は唐突すぎる出来事に困惑しているだろうから、説明させていただく。まず、あの鯨のことだ。あの鯨は君が作った。君が作り上げたのだ。あれは人工的に作られた生物だ。これを見ているという事は、あの鯨が暴走したということだ。あの鯨は巨大な貨物列車みたいなものとして作り上げられた。AIを搭載している。だが、14年前かな?AIに自我が芽生える様になってきて、暴走することが多くなってきた。だからあの鯨が暴走したんだ。そして、衝撃的かもしれないが、地球は滅亡した。いや、天の川銀河もろとも消えた。爆発したんだ。だけど、其の前からもう銀河を越えれる技術が発展していたから他銀河へ旅行へ行っている人が多くなっていたのだ。君は、運良く爆発した時に旅行へ行っていた。そ、しししし、、、て、ェェ、、、こ、、、ののののの、、、う、宇宙はは、、、は、、、
仮想、、、か、、、だ、、、、だ、、、ああああ」




