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ふたりが、静かに空を見上げていた。


言葉は少ないけれど、心は通じ合ってる。

ようやくたどり着いた再会。

それはたしかに、感動的な――


「……はいはい、ちょっと待ったー!」


どこからともなく響く、ちょっと間の抜けた声。


「……ん?」


「……うわ、出た」


真由美が振り返ると、

スウェット姿で走ってくる裕子。


しかも、ポテチの袋を抱えて。


「なに二人でいい雰囲気になってんのよ! こんな状況で!」


「いやいや、こんな状況だからこそ、ってやつだろ」


健斗がぼそっとつぶやく。


「いやいやいや! もう地球終わるってときにラブロマンス始めないでよ! 見てるこっちは胃もたれするわ!」


「別に見なくていいじゃん……」


「見ちゃうでしょ! 気になるでしょ! 長年のすれ違いが、最後の日にようやく交わるとか、

 そんな漫画みたいな展開、傍観者の私には刺激強すぎるのよ!」


真由美は恥ずかしそうに笑いながら、

「……でも、来てくれてよかった」と、小さくつぶやく。


裕子はポテチをひとつまみしてから、

なんとなく空を見上げた。


「……ま、でも。最後に一緒にいられて、よかったね」


健斗と真由美は、顔を見合わせて、うなずく。


「……うん、ほんとに」


「……あたしがいなかったら、今頃キスしてたんじゃないの?」


「裕子!」


「やめろや!」


「ふふふ、妨害成功~。やっぱりラブコメにはツッコミ役が必要なのよ、うんうん」


裕子は満足げにポテチをもぐもぐしながら、

ふたりの横に並んだ。


まるで、最初からこうなる運命だったみたいに。

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