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籖神様(くじがみさま) 

作者: 藤乃花

根生強こんきつよしは幸薄いが、根気は強い少年。この日も駄菓子屋さんで当たり籖つきの飴をいくつも引いていた。飴が欲しいのではなく、当たり籖を引き当てたいだけ。「来い来い来い……!」続けざまに飴の籖を引いていたが、ついに引き当てる事が出来ずにいた。「あー……全部、ハズレ」飴もお小遣いも全てなくなり、貴重な休日を台無しにしてしまっただけだ。「くじ運無いの分かってるのに、なんでそればっかりにお金使うかな?」見ていた子供が哀れみの目で強に同情している。駄菓子屋さんのおばさんも、はじめは止めていたが、だんだん諦めてきていた。「残念だったわね。でも変ね……当たり籖は何枚か、入れてあるのに」駄菓子屋さんは善人。当たりなしなんて事をするはずがない。強が店を訪れた日に限って、何故だか当たり籖が出ないのだ。(幸薄いこの少年を、幸運の持ち主にしてやろうか……)駄菓子屋さんで強を見ていた籖神様の視線のアンテナが強に向き始める。(ワタシの力で、この哀れな少年を幸福へと導こうか)籖神様が強に幸福の力をわけようとしたその時、強運の持ち主である少年、的賀阿多琉まとがあたるが現れた。「おばちゃん、籖つき飴下さい」ああ、それならさっき、売り切れたよ」「え?あるよ、ここにラスいちの飴が」何故か一つ残っている。瓶阿多琉に当たったよの蓋の裏に、ラスいちの飴が。阿多琉がラスいちの飴に付いている紙を開くと、そこに景品の番号が書かれている。「おばちゃん、六番当たったよ!」「はい、六番……あ!おめでとう!『光るブーメラン』が当たったよ!」「ええっ?やったあっ!」投げると七色に発光するブーメランが、阿多琉に当たった。「スゴッ、あの光るブーメラン、当てた⁉」「あれ当てたら、もう神じゃん!」「いいなあ!」子供達の注目を浴びて阿多琉は謙虚に言う。「偶然てすごいね。皆もこれで遊ぼう」「貸してくれんの?」「日頃の行いってやつ?」「向こうの広場で遊ぼうよ」皆は広場へ行き、強はフェザーアウトで帰宅した。「ワタシの力は、この子の為にある」籖神様だけは強の側にいる。強が立ち直り籖神様の力で幸福の持ち主になるのは、間も無くの事だ。


































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