オープニング
皆さんこんにちは『×ゆーほの×』です。今回の作品は『ストリートミュージック』をテーマにした、4人の少年少女の始まりの物語です!まだまだ未熟ですが、これからよろしくお願いします!
——ライブハウス——
幼い乙羽「わぁ……人がいっぱいいる〜!あ、あれなんだろう?キラキラ光る棒みたいなの!」
幼い空音「わっ、色がくるくる変わってる!すご〜い‼︎」
楽斗の父「あれはペンライトっていうんだ。ライブの最中に振るんだよ」
幼い乙羽「そうなんだ!いいな〜!わたしもあれほしい!」
幼い楽斗「オレも!お父さん、ペンライトもってたよね。使っていい?」
楽斗の父「ああ、いいよ。ちょっと待ってな。倉庫から売れ残ったペンライト持ってくるから」
幼い乙羽「はーい‼︎」
楽斗の父「はい、どうぞ。これがペンライトだよ」
幼い乙羽「わーい!ありがとうおじさん!」
幼い結弦「あの…ボクも使っていいんですか……?」
幼い楽斗「全然いいって!ペンライトあった方が、結弦も楽しめるでしょ!」
楽斗の父「ああ、そうだ。だから、気にせず自由に使ってくれ」
幼い結弦「あ、ありがとうございます……!」
幼い乙羽「あれ?目の前がまっくらになっちゃったよ⁉︎どうしたんだろ〜?」
楽斗の父「ああ、心配しなくてもいいよ。これは、今からライブが始まる合図だ」
幼い空音「……あ!だんだん明るくなってきたよ!」
司会者「さぁ、始まりました!『ONLY NIGHT』!今夜はどんなパフォーマンスを披露してくれるのか!」
司会者「早速1組目行きましょう!『beasts』!」
ミュージシャンA「お前ら!今日はいつもより上げてくからな!置いてかれないようにしろよ!」
ミュージシャンA「———!!——っ!」
幼い乙羽「わぁ〜〜‼︎」
幼い空音「歌、すっごく上手!ダンスもかっこいいね!」
幼い結弦「……!すごい……」
幼い楽斗「………‼︎」
楽斗の父「——あいつらはすげぇんだよ。自分のパフォーマンスに全力をかけてる」
楽斗の父「このイベントで一番客をわかせるために、最高のパフォーマンスを客にぶつけてるんだ」
楽斗の父「自分の夢に向かって信念を貫く——そういう奴らは、すごく輝いて見えるんだよ」
幼い楽斗「………!」
幼い楽斗「——オレも、こんなふうになってみたい……‼︎」
——イベント終了後——
幼い乙羽「……す」
幼い乙羽「すごかったね〜〜‼︎出てきた人たちみんな、すっごくカッコよくて、キラキラしてて……‼︎」
幼い空音「うんうんっ‼︎観ててすっごくドキドキしちゃった!」
幼い結弦「なんだかびっくりしたな …。まだ、あの場所の中にいるみたい」
幼い乙羽「もうほんっとにすごかった!わたし、今日のこと、一生忘れない気がする!」
幼い空音「もう、乙羽ちゃんは大げさだよ〜。でも、わたしもそう思う!こんなにドキドキしたの初めてだもん!」
幼い空音「ねぇ、楽斗くんはどうだった?」
幼い楽斗「……あの、さ、みんな」
幼い楽斗「オレ、みんなと一緒に歌ってみたい!」
幼い楽斗「あの人たちみたいに、誰かをドキドキさせられる熱い歌を、みんなで歌いたい!」
幼い乙羽「……えっ⁉︎」
乙羽・空音・結弦は驚いた顔をする。
幼い楽斗「だ、ダメかな……?」
幼い乙羽「——それ、すっごくいいと思う!」
幼い楽斗「えっ……!」
幼い乙羽「わたしも、あの人たちみたいにみんなで歌ってみたい!だから、やろうよ!」
幼い空音「うんっ‼︎わたしも、一緒に歌ってみたい!」
幼い結弦「ちょっと怖いけど、歌うの楽しそうだな……!」
幼い楽斗「みんな……!」
幼い楽斗「ありがとう!一緒に頑張ろう!」
三人『うんっ‼︎」
——ライブハウス——
乙羽「———!!——!」
空音・結弦「〜〜〜♪——!」
楽斗「……———!!!」
4人『————!!』
客1「うおっ!こいつら歌のレベルが高すぎだろ‼︎どこの小学生だよ」
客2「お前知らないのか?このあたりではわりと有名な小学生のユニットだぞ!そのうちの一人はオーナーの息子さんらしいぜ」
客1「オーナーの息子⁉︎どうりでレベルが高いわけだ」
客2「ああ。小学生だと思って見てたら、意表を突かれるぞ!」
4人『————!!!〜〜……』
楽斗「ハァハァ……。聴いてくれてありがとうございました!」
3人『ありがとうございましたっ!!』
大きな拍手が起こる。
——イベント終了後——
——公園——
乙羽「はぁ〜〜!イベント楽しかったぁ!!」
空音「今日はいつもより調子乗ってたね、乙羽ちゃん」
乙羽「うんっ!だってイベントだもん!みんなと練習した歌を聴いてもらえるの、すっごく嬉しいから!」
結弦「すごいね…乙羽ちゃん。ボク、もう3回目なのにまだ緊張してて……」
乙羽「大丈夫だよ、結弦。きっともう少ししたら、緊張よりも楽しいって気持ちの方が大きくなると思うから!」
結弦「そうなのかな……?でも、ありがとう乙羽ちゃん」
楽斗「…………」
空音「……?楽斗くん、どうしたの?さっきからあんまりしゃべってないね」
楽斗「あ……えっと、何だか嬉しくて」
楽斗「オレ、みんなに一緒に歌おうって急に誘ったのに、みんな嫌がらずに付き合ってくれて……」
楽斗「今もこうやって、みんなと喜び合えるのも、すっごく嬉しいんだ!」
空音「……!そっかぁ……!」
楽斗「だからみんな——ありがとう!」
乙羽「……ふふ、ありがとうって思ってるのはわたしたちも同じだよ!!」
楽斗「……えっ?」
乙羽「わたしもね、楽斗が誘ってくれたおかげでみんなと一緒に歌えるのすっごーーく嬉しいんだ!」
乙羽「だから、ありがとね、楽斗!」
楽斗「……!」
空音「わたしも乙羽ちゃんと同じだよ!誘ってくれてありがとう!」
結弦「ボ、ボクも…誘ってくれて嬉しいかった。ありがとう、楽斗くん」
楽斗「みんな……」
楽斗「じゃあ、これからも、オレと一緒に歌ってくれる……?」
乙羽「もちろんだよ!これからも4人で一緒に歌おう!ね、空音、結弦!」
空音・結弦『もちろんっ!
う、うんっ……!』
楽斗「…………」
楽斗「うん!これからもずっとに一緒に頑張ろう!」
——空音の部屋——
——朝——
空音「…………ん」
空音「……もう、朝か……」
空音「……また同じ夢。あの頃の」
空音「……はぁ」
空音「もう、戻れないのかな。私たち——」
——中須家リビング——
胡桃「あ、お姉ちゃんおはよう」
空音「おはよう、胡桃。早いね」
胡桃「いつも通りだよ。むしろ今日お姉ちゃん起きるの遅かったね。どうしたの?」
空音「えーと……どうしたってわけじゃないんだけど……」
胡桃「……また、同じ夢を見たの?」
空音「う、うん…そんなとこ」
胡桃「…………」
胡桃「お姉ちゃんはいつまで今のままでいるつもりなの」
空音「…………」
胡桃「今の関係を、時間が修復してくれるわけじゃないんだよ」
胡桃「お姉ちゃんがあの人たちのこと、大切に思ってるなら、ちゃんと向き合った方が良いんじゃないの」
空音「……そう、だよね」
空音「ごめんね、心配かけちゃって。私は大丈夫だから。ね?」
胡桃「なら、いいけど……」
空音「…………」
空音(もし、また4人でいられるようになったら…)
空音(……なんて、考えても無駄だよね……)
空音(私、ずっとこのままでいいのかな……)
空音(まだ、わからないな……)