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コロナ禍 始まりの1月

 それは年明け直前。夜のニュースで少しだけ取り上げられた、些細なもの。


 中国で新種の肺炎が流行っている


 そんな報道を見ても、私はちっとも興味なく、へぇ、そうなんだ、位でした。両親と同居中のため、テレビを見ていた両親はすぐに中国の渡航を禁止したほうがいい、といっていたのを今も覚えています。両親とも看護師のため、感染症の恐ろしさを知っていたからです。


 遠い中国のお話はすぐに迎えた年越しと年始めというイベントで消え去り、しばらくたった頃。


 免税店でしたが、駅の近くでも都会の中にあるわけでもない私の勤め先は、中国人観光客は滅多に来ません。来てもつきに1-2組ほど。あとは地元にすんでいる中国系のお客さんくらい。


 1月の前半~中頃あたりで、店の近くで働いている中国系のお客さんが、大量のマスクをもってやってきた。その人は観光ではないので免税は使えませんが、本国に残る家族にマスクを送りたかったそうだ。


 その時店には、売れ残っていた大量の箱マスクがあり、それはそれは手を叩いて喜んだ。なぜか?先に話した通り、マスクは過剰在庫で困り果てるほどあったからだ。


 さすがに裏から持ってくるようなことはせず、そして売り場においてあるマスクすべてを買いそうな勢いだったため、30箱までと個数制限と言えない個数制限をもうけて、その方は普通サイズと小さいサイズを15個ずつ買っていった。


 そう、その時はまだ、余裕でお客様にそのくらいの数を渡せるほどの在庫があったのです。


 空になった売り場を見て従業員は喜んだものです。すぐに裏から在庫を補充しました。


 その後も次々と中国人がやって来てはマスクを求めてやってきた。日本人はゼロ、全員外国人といっても過言じゃない。翻訳機を使ってマスクは? と聞いてくるお客様に首を横に振る作業。


 さすがに在庫を0にするわけにはいかないので、その都度個数制限数を増やしていった。


 ……と聞くと、数日大変だったのだろうなぁ、と皆様お思いでしょう。


 違いますよ、これ、一日での出来事です。

 一日で、ずっと過剰にあったマスクが、ほぼなくなったのです。次の日には店独自で個数制限をかけました。しかしこれは日本のお客様に買っていただくため、ではなく単に見境なくマスクを変われると、店の在庫が持たないから、という理由です。


 あのときの中国系のお客様は、本当に見境がなかった……。

 箱がダメになれば袋マスクを。マスクやさんにでもなるの? というくらいに購入され、マスクの在庫がなくなるのでは、と危惧し出しました。


 しかしこれはあくまで、中国人客が来たときに対応できなくて困る、という話でした。


 まさかこの後、この現象が日本人にも及ぶなど、このときは考えすらしていませんでした。


 そして中国人の爆買いという開幕の鐘が鳴り響き、コロナ禍は訪れたのです。

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