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とある高校生の日記  作者: 歩太郎
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8月30日 但太郎の恋路の話1

今日は日曜日なので学校がなく、一日勉強----しなければならなかったのだが、ぼくの悪い癖、さぼり癖が出てきてしまい全く勉強しなかった。


毎回勉強しない日があるたびに同じことを思い、反省しているのに繰り返してしまうのはなぜだろうか。

実はこの日記も現実逃避の一つなのかもしれない。


さて、今日の出来事として挙げられるのは、仲の良いグループ----グループAとする----の一人清太郎と電話をしたことだろうか。

彼は僕たちの共通の友達、但太郎----グループA所属----の恋愛事情についての相談だった。

彼は志子さんに恋をしている。

ぼくたちは彼の恋愛を応援しているのだが、僕たちは受験期であるため恋にうつつを抜かしている暇はないし、クラスもコースも離れてしまい会ったり話したりする機会がほとんどない。

正直、面白半分であることは否めないがこのままでは卒業を迎えてしまい、付き合うことは不可能だろう。

そこで彼の秘めたる思いを知っていた僕たちが彼を焚きつけ、毎日話しかけに行かせているのだ。


最初、自分は彼の恋を応援し焚きつけることはいいことであり彼も喜ぶと疑っていなかったのだが、最近彼の話を聞き自分で考えてみるとそれは僕の独りよがりであるのではないか、と思うようになった。

僕は誰かがそうしてくれれば嬉しいが、相談に乗ってもらう相手は選びたいだろうし、自分の恋に首を突っ込まれるのも嬉しくないだろう。


ここで電話の話に戻るが、清太郎は但太郎の恋に進展がないことに業を煮やし、何かをしたいと考えていたようだ。

そこでこんな提案をしてきた。

「但太郎に内緒で志子さんと仲のいい女の子に相談、もしくは探りを入れてもらわないか?」


僕は先ほど述べたようにこれ以上彼の恋路に首を突っ込むのはよくないと考えているため、これを但太郎に内緒でするのは人として良くないこと、彼があまり人にばれたくないと思っていることを理由に挙げ、断念させた。


----関係のないことだが、ここで僕は、人に自分の意見を納得させることは気持ちのいいことだと感じた。

だが、自分が納得させられることは嫌なことであると思うので、人の意見を素直に取り入れられる清太郎はすごい奴だな、とも感じる。

僕は自分の意見が否定されるとどうにかして相手の理論の穴をついて説き伏せてやろう、と思ってしまう人間なので、人の意見を意固地になることなく冷静に見極め、良い意見ならば取り入れられる人になりたいと思う。----


電話の話に戻すが、そのあと話し合い、彼が助けを求めない限り静観の構えを崩さず、受験期までは様子を見ることにした。

もともと但太郎は受験が終わってから行動を起こすつもりだったらしいことと、これ以上今の自分たちにできることはないということを鑑みた結果である。


彼がどういう選択をし、どんな結果に終わるか、非常に楽しみである。






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