1章 事故
きろ....おい...!!起きろ...!!....ユウ!!
マコトの大声で目が覚めてしまった....まだ頭がボーッとする。そのままゆっくり瞳を開け、機内を見渡すと様子が変だ。
目を擦りながらマコトに様子を伺う。
なに?と何気ない返事をすると同時に大きな揺れがおきた。
未だに状況が理解できない。
そして機内アナウンスが流れる。
『ただいま、なんらかのトラブルが発生致しました。乗客の皆様はすみやかに座席にお座り下さい。』
なんとなく状況を理解出来た。やばい。
機内は泣き出す人、叫び出す人、気が狂ったように暴れる人などで混乱状態だ。マコトもどうしよう...としか言ってない。
そして立て続けにアナウンスが流れる。
『飛行機は間もなく海上に不時着致します。頭を守る図のような姿勢になってください』
と、機内に複数あるモニターに図が表示される。どうやらドッキリでも無いらしい。
飛行機の速度が上がっていくのを感じる。ありえないほど大きな揺れが体を襲う。恐怖による震えすら感じない。揺れで唾液や涙が溢れ出る。排泄物のような匂いもする。そして大きな音が聞こえると同時に目の前を暗闇が覆った。
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「+×+×+×+×+×+×+×+×+×」
「×+×+」
「+×+××÷÷+×+÷+×」
.........。
頭がボーッとする。どうやら目覚めの良い朝。という訳では無いらしい。
.....。
重い体を起こし、まぶたをあげる。
視界がまだボヤけるが、少し遠くから話し声が聞こえる。
「+×÷+×+÷+×」
どうやらよくわからない言語らしい。英語でも日本語でもない。はたまた意識がはっきりしていなくて聞き取れないだけなのだろうか。
視界が少しずつハッキリしていく。
ここは一体....とかんがえているうちに背後から「ほよよ...?」と言ったような声が聞こえる。振り返ってみるとそこにはさらりとした綺麗な白い髪の女の子が居た。