第二話「カナの幻想郷案内、そして…」
「91仕業、幻91系統、博麗-集落循環、博麗神社発!定時!」
アクセルを入れ、バスは野太いエンジンを響かせて博麗神社を発車する。
「本日も神成鉄交通バスをご利用いただきありがとうございます。このバスは臨時団体バスです。旅をお楽しみください。」
臨時用自動放送が流れる。
「で、カナ、とりあえずどこ行くの?」
「まずは人里かな。幻想郷唯一の集落よ。」
「おっけ。」
「このまましばらく真っすぐ進んでね。」
言われるまま真っすぐ進む。道の状態は今まで走ってきた道でも最悪であろう見た目だが、意外としっかり固められており、そこまででもなかった。
約5分後、人里に到着した。適当なところに車を止める。
「また歴史がありそうな集落だな…」
と思わず漏らす程度に、古めかしい街並みの集落だ。
「優斗、お腹空かない?」
「ああ、ちょっと空いたかも。」
「いい店知ってるから行かない?」
「いいねぇ。」
カナについて歩き約5分後、食堂に到着した。
「いらっしゃいませ~。あれ、カナちゃん?その人は?」
「優斗。外から迷い込んだみたいで、ちょっと案内してる。」
「ああ、なるほどね。じゃあそこの席にでも座って。」
とりあえず席に座り、メニューを見てみる。
適当におにぎりを注文しておく。
「カナ、このあとはどこ行くの?」
「んー。今日は遅いし、取り敢えず八百屋と魚屋行って夕飯買って行こうか。あとエレンちゃんのお店も。」
「待って夕飯買うって」
「ふふ、作ってあげる♪」
「まじかよありがとう本当に‼‼‼」
「で、なんだっけあと一つ」
「エレンちゃんのお店?」
「そうそれ、何があるの?」
「魔法店ってやつよ。」
「何その面白そうな響き」
「見てからのお楽しみね。じゃあそろそろ行こうか?」
「おっけ。」
「ありがとうございましたー」
「はーい。またね~」
近くの八百屋と魚屋で夕飯を買い7、再び博麗神社の方向へ車を走らせる。
「カナ、こっちで合ってるの?博麗神社しかなくない?」
「神社の中にお店があるからね、こっちでいいのよ。」
約5分後、博麗神社に戻ってきた。カナの言っていた通り、境内に小さな店が。
看板には「ふわふわ魔法店」と書かれている。
早速中に入ると、変なものが大量に並べられていた。
「あら、カナちゃん!いらっしゃ~い!」
「こんにちは、エレンちゃん。」
「その人は…例の外から来た人だね?」
「はい。寺島 優斗です。」
「話は靈夢から聞いたわ。私はエレン。ふわふわエレンよ。」
「エレンさんですか。よろしくお願いします。」
「あっ、タメでいいよ?」
「分かった。で、ここは何を売ってるの?」
「ここは魔法店だからね、いろいろ道具とか置いてるよ。」
「あ、エレンちゃん、この後神社で夕飯作るけど一緒に食べない?」
「いいね!行くわ!」
「優斗もいいよね?」
「もちろん。」
「じゃあ行こうか。」
「「はーい。」」
夕飯が出来た。今日のメニューは鯵の刺身、白米、椎茸の味噌汁だ。
取り敢えず異常に美味しい。カナすごい。
「優斗、合うかしら?」
「ああ、めっちゃ旨い。ありがとカナ。」
「ふふ、よかった。どういたしまして♪」
その後はカナと靈夢とエレンの3人と話をして、みんなと分かれて家に向かった。
……一人のはずだったのだが。
玄関を開けると、何者かに抱きつかれた。
もう皆さんお察しであろう。カナがいつの間にか家に来ていたのである。
「え、ちょ、なんでカナ家にいるの⁉」
「ちょっと最近神社が暇でね、引っ越そうと思ってたのよ。で、優斗の家に来たわけ。」
「はぁ…」
「駄目だった?」
「いやむしろ大歓迎だよ!いいの、こんなところで。」
「もちろん。」
「じゃあこの部屋自由に使っていいよ。」
「ありがと。優斗はどの部屋?」
「俺は隣の部屋にいるから。なんかあったら来ていいよ。」
「わーい!じゃあ、これからよろしくね、優斗♪」
「こちらこそよろしくね。」
「優斗はもう寝る感じ?」
「うん。そろそろ寝るよ。」
「はーい。じゃあおやすみ。また明日ね?」
「ん。おやすみ、カナ。」
ということで同居することになった寺島とカナ。
さあこのあとどうなっていくのか。次回をお楽しみに!