第十話「騒霊と過ごす日々」
今回は日常回。
人里でデート…じゃなくてお散歩します。
今回もお楽しみに!
5月のとある日曜日。今日は仕事はおやすみである。そう、休日である。そして今の時刻は7:26。流石に休日のこの時間なので、寺島は深い眠りに落ちていた…。
───だが、ダブルベッドの反対側、寺島の隣に寝転がっている霊さん、カナ・アナベラルは騒霊の性か、もう目を覚ましていた。
「んぅ……おはよう、優斗…って、まだ寝てるし…。しっかしこいつ、寝顔可愛いわねぇ。とりあえず写真と…(パシャ)落書き、よね♪︎」
カナの手に黒のペンが現れる。水性というところにカナの優しさを感じる。が、落書きは容赦なく行われる。
「ぷっwww我ながらいい作品が出来たわ…!おーい、エーレンちゃーん?」
「なーにー?」
「ちょっと上がってきて?面白いものが見れるわよ?」
「ん?なになに?…って、なにこれw カナちゃんが描いたの?」
「そうよー。感想は?」
「センスあるわね、カナちゃんwww写真撮るわw」
「いいわよ。でも起きちゃうから…静かに、ね?」
「そうね…しばらく二人で眺めてましょうか。」
「ふふっ、こうして二人で並んでゆっくりするのも久しぶりね…。」
「そうね。……で、カナちゃんは優斗のこと好きなの?」
「!?…あ、いや、えーと、……嫌いじゃ…ない…わよ?」
「あらあら、カナちゃん真っ赤♪︎こんなカナちゃん珍しいわね…可愛いわよ♪︎」
「むぅ…やるわね、エレンちゃん…こうなったら…(能力発動)」
「!?…な、何する気!?」
「ん?別に痛くはしないわよ?…ほら、頭わしゃわしゃ〜っ♪︎」
「あっ、ちょっ…」
「静かにしなさい?起きちゃうわよ?(わしゃわしゃ)」
「うぅ…だって…」
「だっても、神曲も無いわ…なーんてね。さっきのお返しよ、大人しく撫でられてなさい♪︎」
「むぅ…ごめんね、カナちゃん…」
「いいわよ、別に♪︎…そろそろこいつ起こしましょうか?」
「そうね、どんな反応するかしら♪︎」
「三人で寝てたって感じにしてみない?」
「いいわね♪︎」
そして10分後……
「zzz…」
三人並んで二度寝することになってしまった。可愛い。
九時頃、カナと寺島はやっと起床する。
「ちょっ、ちょっと!何よその落書きだらけの顔www」
「カナには言われたくないね…カナの顔も落書きだらけだよwww」
「こんなことするのは…エレンちゃんしか居ないわね…。というかエレンちゃんは何処に行ったのかしら?さっきまでそこで寝てたはずだけど…」
その頃。奏霊かな本社1階、ふわふわ魔法店(テナントスペース内で営業中)。
「ふふふ、驚いてるわね♪︎……あら?カナちゃんと優斗?どうしたのその顔?」
「エレンちゃん…?あなたの仕業でしょ…?」
「し、知らないわよ…?」
「そう…そっちがその気なら、私は抵抗するしかないわね。(能力発動)」
「何する気!?」
「優斗、エレンちゃん抑えてて!」
「わ、分かった!」
「ふふふ、エレンちゃん?今私の右手には黒の油性ペンがあるわ。これが油性ペンだということを踏まえて、何か言うことはある?」
「私がやったわ…ごめんなさい…」
「はい、いい子ね♪︎じゃあ水性ペンで落書きしてあげるわ♪︎」
「えっ!?落書きはするの!?」
「当たり前じゃない。二人とも描かれてるんだから、エレンちゃんもやらないと、ね?水性なんだから大丈夫よ♪︎」
「ふふっ、結構上手く描けたわね…♪︎」
「………ねぇ、優斗?」
「何?エレンちゃん。」
「優斗の落書きはカナちゃんが描いたわよ……。」
「……カナ?」
「どっか行ったわね…あの騒霊…って、きゃっ!?何で私浮いてるの!?」
「……エレンちゃん……?そんなこと言っていいのかしら……?」
「……カナちゃんやる気?これを見てもそんなことが言えるのかしら?」
「っ!さっきの録音!?」
「正直に言わないと……これを流すわよ?いいの?」
「……すいませんでした……」
「いい子ね♪︎ほら、ぎゅーっ♪︎」
「ちょっと、いきなりなにするのよ…」
「あらあら照れちゃって♪︎可愛い♪︎」
さて、今日の幻想郷は快晴。絶好のお出かけ日和である。
「ねぇ優斗、今日はお出かけしない?」
「いいけど、どこ行くの?」
「適当に幻想郷でもお散歩しましょ?」
「ん。じゃあ行こうか。」
というわけで二人は歩いて人里にやってきた。
「あらカナちゃん…と、バス屋さん?」
「小兎姫じゃない、元気してた?」
「ええ、お陰様で…それにしても仲良さそうね、付き合ってるんだって?風の噂で聞いたわよ?」
「大方エレンちゃんが流したんでしょうね…全く…。」
「あっ、まだ彼氏さんには自己紹介してないわね。私は小兎姫、警察よ。」
「寺島 優斗です。一応言っときますが、付き合ってませんよ…?」
「あらそうなの…残念だわ…」
「小兎姫、今暇?一緒にご飯でも食べに行かない?」
「いいわよ。優斗さんも来る?って、当たり前か。」
「勿論来ますよ。」
「じゃあ行くわよ。小兎姫、何処か美味しい店知らない?」
「はぁ…自分で考えなさいな…まあいいけど。こっちよ?」
というわけで人里の中心部から離れ、用水路沿いを歩く。
しばらくすると屋台から美味しそうな匂いが。
「ここよ。」
「美味しそうな匂いね…って、みすちーじゃない。」
「カナちゃん!久しぶり〜っ!」
「小兎姫に連れられてやってきたわ。にしてもここ、お昼もやり始めたのね…」
「最近たまに営業中よ。っと、そこにいるのはこっとんと…誰だっけ?」
「あ、はじめまして。寺島 優斗です。」
「優斗さんね〜。私はミスティア・ローレライ。焼き八目鰻の屋台をやってるわ。気軽にみすちーって呼んでくれればいいわ。」
「焼き八目鰻…珍しいね…」
「結構美味しいのよ?」
「ほう…じゃあ1本貰える?」
「塩とタレどっちがいい?」
「おすすめは?」
「私は塩に七味が好きよ?」
「カナちゃんは塩派なのね…私はタレをお薦めするわ。」
「じゃあ1本ずつ…」
「分かったわ。ちょっと待ってね?」
ミスティアの焼き八目鰻屋で一休みした3人は、暇潰しに鈴奈庵へと向かう。
鈴奈庵は人里にある貸本屋で、蔵書は小説から辞書や同人誌まで多岐にわたる。
「いらっしゃいませー…って、カナちゃんと小兎姫さんじゃない。あれ、そこにいるのはバス屋の優斗さんじゃないですか、ご無沙汰してます。」
「あ、どうも小鈴さん。お世話になってます。」
「あれ、知り合いだったの?」
「そうよー。バス停設置する時に知り合ったわ。と、優斗さん、何か借りていきません?」
「いいですねぇ。…これは?《そうだ、東京、行こう。 作・東の少女騒霊》……?」
「!?」
「あれ、どうしたの?カナ。」
「な、なんでもないわ!」
「ふーん。まあいいや。ってなにこれ、同人誌?」
「そうですよー。」
「久々…というかまさかこっちで同人誌を見る日が来るとは…」
「結構取り揃えてますよ?…あら、阿求。いらっしゃい。」
「暇だから来たわ。って、カナさんと小兎姫さん、それに優斗さんまで。珍しいですね…。」
「阿求さん、お久しぶりです。」
「御三方とも、今度お屋敷においでください。色々とお聞きしたいので…」
「ええ。いいわよ。」
しばらく5人で雑談したのち、三人は鈴奈庵をでる。
「っと、私はそろそろ交番に戻らないと。またお話しましょ?」
「そうね、また遊びに来るわ。」
「じゃあね〜。お幸せに♪︎」
「はいはい…じゃあ、またね♪︎」
「まだ日も落ちないし、博麗神社でも行きましょう?」
「りょうかーい。」
人里から博麗神社までは歩いて1時間弱である。
博麗神社に着く。靈夢は何処かへ出掛けているのか、居なかった。
「誰か居るかしら〜?」
「居ますよ〜。」
「あら、る~ことちゃん!この間ぶりね?」
「そうですね〜。優斗さんとは……上手く行ってるみたいですね♪︎」
そして三人は博麗神社で小一時間雑談をして、カナと優斗は家路につく。
「さて、優斗。今日は一日私と一緒に居てどうだったかしら?」
「楽しかったよ!カナの可愛さをより深く実感したし…」
「ふふ、良かったわ。じゃあまた今日も一緒に寝ましょ?」
「勿論!…と、そろそろ家に着くね。」
「あら、エレンちゃん。ただいま〜!」
二人は今日も、明日も一緒に過ごす。
カナの《夢》は正夢になるのか、それとも───
結末は二人次第。夢を取り戻すため、少女騒霊の日々は続く……。
次回はまたまた未定です。もしかしたら封魔殿とか行くかも…?




